Coohom×SketchUp連携ガイド|SKP取り込み実務7手順

SketchUpで建物をモデリングし、Coohomでインテリアとレンダリングまで仕上げる。2026年4月現在、この役割分担で実務を回す設計事務所・ビジュアライザーが少しずつ増えています。CoohomはSKPファイルの取り込みに公式対応しており、逆方向のOBJ/FBXエクスポートも整備されています。

この記事では、SketchUpモデルをCoohomへ取り込む手順、CoohomからSketchUpへのエクスポート、マテリアル・コンポーネントの引き継ぎ、変換時の崩れ対策までを最初から最後までで整理します。SketchUp資産をCoohomで活かしたい方が、迷わず実務に乗せられる内容を目指しました。

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目次

CoohomとSketchUpの役割分担:建物はSketchUp、インテリアはCoohom

SketchUpとCoohomは競合ではなく補完関係にあるツールです。SketchUpは建物本体のモデリングと図面連携に強く、Coohomは家具配置・素材編集・レンダリングに強い。この使い分けで組むと、短納期でもプレゼン品質の画像を安定して出せます。

SketchUpが得意なこと

SketchUpは、押し出し・追従操作でスピーディに建物モデルを立ち上げられるツールです。プッシュ/プル、コンポーネント、タグによる管理が直感的で、設計事務所・工務店での建築モデリングに広く使われています。

  • 建物外観・内部造作のモデリング
  • 図面連携(AutoCADのDWG/DXF取り込み)
  • 3D Warehouseからの部材・家具の活用
  • レイアウト(LayOut)での図面出力

Coohomが得意なこと

Coohomは、100万点規模の家具・素材ライブラリを備えたWebベースの3Dインテリアデザインツールです。家具配置、壁・床の素材編集、照明、レンダリング、パノラマ書き出しまでブラウザ完結で実行できます。

実務では、SketchUpで作った建物にCoohomで家具と素材を乗せる流れが、モデリングコストを抑えつつ提案品質を底上げする近道として扱われています。

2026年4月現在の双方向連携対応状況

CoohomはSKPファイルのインポートに対応しています。逆方向のエクスポートはOBJ/FBX/GLB形式が基本で、SKP直接書き出しは限定的です。SketchUpで仕上げ直したい場合は、OBJ経由でSketchUpに取り込む運用が一般的になります。

Coohom公式ヘルプセンターのImport Modelsでも、SKP/OBJ/FBX/3DSなど複数形式の取り込みフローが案内されており、2026年4月現在の標準ワークフローと整合しています。

SketchUpからCoohomへSKPを取り込む手順

CoohomへのSKP取り込みは、「モデルをアップロード」から数クリックで完了します。ただし変換時の崩れを抑えるには、SketchUp側での事前準備が結果を大きく左右します。ここでは2026年4月現在のUIに沿った手順と、事前準備の要点をまとめます。

対応バージョン・ファイル形式

Coohomは一般にSKP 2017以降の読み込みに対応しており、2021以降のバージョンでも安定して取り込めるケースが多い印象です(2026年4月現在)。最新バージョンのSKPで失敗した場合は、SketchUp側で「名前を付けて保存」から旧バージョン(SKP 2018など)を指定して再保存し、再度アップロードすると解決することがあります。

SketchUp公式ヘルプのSharing a SketchUp File with Earlier Versionsでも、過去バージョン向けに保存する手順が案内されています。SKP 2017以降の形式で保存し直すのが互換性の観点で無難です。

スケール・原点・向きを揃える事前準備

取り込み前に、SketchUpで次の3点を整えておくと変換後の手戻りが減ります。

  • 単位をミリメートルに揃える(モデル情報から設定)
  • 原点付近にモデルを配置する(原点から離れていると座標ズレが出やすい)
  • 面の向き(表裏)を統一し、逆面があれば反転させる

面の向きを整える作業は地味ですが、レンダリング時の光の抜けや影の破綻を防ぐ効き目が大きいポイントです。

Coohomの「モデルをアップロード」からSKPを読み込む

Coohom管理画面から、プロジェクトを新規作成または既存プロジェクトを開き、「モデルをアップロード」または「カスタムモデル追加」のメニューを選択します。SKPファイルをドラッグ&ドロップするとアップロードが始まり、数分程度で変換処理が完了します。

大きなモデル(面数が数百万級)は、アップロード失敗やプレビュー遅延の原因になりがちです。3D Warehouse由来の過密な家具モデルは削除し、造作と建物本体のみを送る構成にダイエットしておくと安定します。

マテリアル・テクスチャの引き継ぎ可否

SketchUpのマテリアルは、Coohom取り込み時に近似マテリアルへ再マッピングされる傾向があります。テクスチャ画像を貼った面はUVが保持されやすいものの、タイリングや反復スケールはCoohom側での再調整を前提にしてください。

複雑なマテリアル設定(PBRテクスチャのセットやシーンタグ連動)は一旦消える想定で、Coohom側のライブラリから素材を当て直す運用のほうが、結果的に速く仕上がります。SketchUp公式コミュニティでもSKP経由でのマテリアル保持は「近似置換+再調整が前提」という運用が繰り返し共有されており、事前にライブラリ差し替え前提で段取りを組むのが定石です。

CoohomからSketchUpへエクスポートする

Coohomで配置したシーンをSketchUpへ戻したい場合は、OBJまたはFBX形式での書き出しが現実解です。SKP直接書き出しは限定的で、2026年4月現在はOBJ経由がもっとも互換性の高い選択肢になります。

Coohomから書き出せる形式

Coohomからは次のような形式でエクスポートが可能です。

  • OBJ(マテリアル別MTL付き)
  • FBX(静的メッシュ用途に適合、アニメーション用途は想定外)
  • GLB(Web表示・AR用途向け)

SketchUpへ戻す場合はOBJが扱いやすく、無償版SketchUp Freeの環境では拡張機能経由での取り込みが必要なこともあります。

エクスポート手順と2026年4月現在の制限事項

Coohomのプロジェクト画面から「エクスポート」または「3Dモデルダウンロード」を選択し、形式を指定して書き出します。プランによってはポリゴン数や解像度に制限がかかるため、商用案件ではProプラン以上を前提に設計するのが無難です。

Coohomで仕上げた最終シーンをSketchUpに戻すよりも、「Coohomで完結→画像・パノラマで納品」のほうが工数が少ないという声が多く聞かれます。逆流させるのは、どうしても図面側に3Dを反映したい場合に限定するのが現実的です。

変換時の崩れ対策:マテリアル・コンポーネント・面の向き

SKP取り込みで発生しやすい崩れは、マテリアル消失・コンポーネント階層の平坦化・面の向き・重いモデルの4つに集約されます。いずれも事前準備でほぼ防げます。

マテリアル消失・デフォルト化への対処

Coohom取り込み後に白いデフォルト素材へ戻っている部分があれば、SketchUp側でマテリアルが「面ごとに直接適用」されていない可能性があります。コンポーネント全体にマテリアルを当てていると、展開時にリセットされることがあるため、面ごとに直接テクスチャを割り当ててから書き出すと安定します。

コンポーネント/グループの扱い

SketchUpのコンポーネント階層は、Coohom取り込み時に平坦化される前提で設計します。「家具はCoohom側のライブラリから配置」「建物本体と造作のみSketchUpから送る」という切り分けが、後工程での差し替え・素材編集を楽にします。

面の向き(表裏)を整えてからアップロード

SketchUpは裏面が青、表面が白で表示されます。裏面のまま取り込まれるとCoohom側で影や反射が破綻するため、「エンティティ情報」で方向を確認し、逆面は右クリック「面を反転」で整えてからアップロードしましょう。

重いモデル対策

面数が数百万を超えると、アップロード失敗やプレビュー遅延が発生しやすくなります。実務では次のダイエット手順が効きます。

  • 不要なタグ(レイヤー)を非表示・削除
  • 3D Warehouse由来の過密家具モデルを除外
  • 「モデル情報」でエンティティ数を確認し、50万面以下を目安に圧縮
  • 造作・外構の使わない部分を非表示化

実務ワークフローのモデルケース:住宅プレゼン納品までの7ステップ

実際の住宅プレゼン案件を想定した7ステップの流れを整理します。SketchUpで建物、Coohomでインテリアという役割分担を崩さないのがポイントです。

Step 1〜3: SketchUpで建物モデリング

  1. Step 1:DWG/DXF図面をSketchUpに取り込み、基準線を整える
  2. Step 2:壁・床・天井・開口(窓/ドア)までをプッシュプルで立ち上げる
  3. Step 3:造作家具や階段など、建物と一体の要素までをSketchUp側で作り込む

この段階では、家具や可動要素はあえて入れません。後でCoohomのライブラリから配置するほうが総じて速く、品質も安定します。

Step 4〜5: Coohomへアップロードして家具配置・素材編集

  1. Step 4:SKPをCoohomへアップロードし、スケール・向きを確認
  2. Step 5:Coohomのライブラリから家具・ラグ・小物を配置し、壁紙/床材などの素材を編集

素材編集では、壁や床のマテリアルをCoohomのプリセットから選び直すと、一気に写真風に寄ります。

Step 6〜7: 照明調整とレンダリング/パノラマ書き出し

  1. Step 6:太陽光と室内照明のバランスを整え、日射時刻をシーンに合わせる
  2. Step 7:静止画レンダリング、必要に応じて360°パノラマも書き出して納品

実務では、この7ステップを標準テンプレート化しておくと、住宅1邸あたりのプレゼン画像制作が数時間単位に収まります。

まとめ:SketchUp資産を活かしてCoohomで仕上げる

SketchUp×Coohomの連携は、役割分担と事前準備で9割決まります。要点は次の3つです。

  • SketchUpは建物本体、Coohomはインテリアとレンダリングという使い分けで組むと、短納期でも品質が安定します
  • SKP取り込み時の崩れは、スケール統一・原点整理・面の向き修正・マテリアル直接適用の4点で大部分が防げます
  • 2026年4月現在、双方向連携はSKP取り込み+OBJ/FBX書き出しが基本で、SketchUpへの逆流はOBJ経由が現実解です

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この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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