Coohom AI間取り完全ガイド|PDF・JPGを3Dに自動変換する手順

Coohomには、既存の平面図PDFやJPGをアップロードするだけで壁・ドア・窓を自動認識し、数分で3Dモデルを立ち上げる「Coohom AI間取り」機能があります。工務店の営業資料、不動産の募集図面、リフォーム現地調査のスケッチなど、すでに手元にある2D図面を提案資料へ転用したい場面で効力を発揮します。一方で、認識精度は元データの状態に大きく左右されるため、どこまでAI任せにしてよいかの判断が実務上の分かれ目となります。

この記事では、Coohom AI間取り機能の動作範囲、対応ファイル形式、プラン別の制限、変換6ステップ、精度補正のコツ、手動作成との使い分けまでを順に整理します。2026年4月現在のCoohom Web版を前提に、認識精度を左右する要素や補正工数の判断ラインをCoohom公式の前処理ガイド認識精度ガイドの公式数値とあわせて提示します。

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目次

Coohom AI間取り機能でできること

Coohom AI間取りは「既存2D図面の3D化を短縮する下書き生成機能」であり、ゼロから間取りを描く手動作図を完全に置き換えるものではありません。うまく組み合わせれば、提案用3Dモデルの立ち上げ時間を半分以下に圧縮できます。

AI間取りの基本動作と対象データ

AI間取りは、平面図上の壁線・建具記号・寸法をパターン認識し、Coohomの内部データ構造に変換する機能です。対応するのは以下の要素になります。

要素 認識対象 補正の発生頻度
実線・二重線の外壁/内壁 低〜中
ドア 開き戸・引き戸記号
掃き出し窓・腰窓記号
寸法 数値付き寸法線
家具・設備 便器・浴槽・キッチン記号

壁とドア・窓はおおむね認識されますが、寸法と設備記号は手動補正が前提となります。特に設備記号はメーカー独自のシンボルが多く、AI側の学習データに含まれない表記が混ざると未認識になりやすい要素。そのぶん仕上げ工程で時間を確保しておくと安心です。

2D手動作成との違いと使い分けライン

AI間取りと、ゼロから壁を引く手動作成(2D間取り機能)は、入力の出発点が違います。手動作成の具体的な手順はCoohom 2D間取り作成 完全チュートリアル|壁・ドア・窓・寸法の引き方で別途扱うため、この記事では「既存図面を起点にする場合」に絞って掘り下げます。

使い分けの目安は次の通りです。

  • 既存のPDF・JPG図面がある → AI間取りで下書きを生成
  • 現地採寸から新規設計する → 手動の2D間取りで描き起こす
  • AI変換後のズレが全体の20%超 → 手動作成に切り替えた方が早い

編集部では、提案初回はAI間取りで粗モデルを立ち上げ、2回目以降の修正で手動調整に移るフローを検証し、扱いやすい組み合わせと確認しています。

建築実務での想定ユースケース

AI間取りが時短につながる代表的な3つのユースケースを挙げます。

  1. 不動産の募集図面を3D内見用に転用する: 管理会社から受け取るPDF図面をそのままアップロードし、VR内見データを短時間で作成
  2. リフォーム現地調査後の初回提案: 現地スケッチをスマホ撮影してJPG化、帰社途中の移動時間中に3D化を走らせる
  3. 過去案件の再利用: 類似間取りの過去図面をAI変換し、差分のみ修正して新規提案へ転用

いずれも「ゼロから作るより、既存図面を下敷きにした方が速い」場面です。逆に、独自設計のオリジナル住宅では手動作成の方が結果的に早くなります。

対応ファイル形式とプラン別の制限

Coohom AI間取りで扱えるファイル形式と、Free/Pro/Eliteプランごとの上限は別物として整理が必要です。無料プランでも試せますが、実務で連続利用するにはPro以上が現実的となります。

対応ファイル形式と推奨解像度

2026年4月現在、Coohom公式のAI Floor Plannerページで明記されている対応フォーマットはJPG・PNG・PDF・DWG・DXFの5種です。形式ごとの推奨仕様は下表の通り。

形式 対応 推奨仕様(公式基準)
PDF 対応 150〜300dpi、ベクター推奨、5MB未満
JPG / JPEG 対応 最低2,000px幅、5MB未満
PNG 対応 最低2,000px幅、透過は事前にフラット化
DWG 対応 AutoCAD標準、レイヤー整理推奨
DXF 対応 CAD汎用フォーマット、文字化け注意

仕様値はCoohom公式の認識精度ガイドおよび前処理ガイドに基づきます。PDFはベクターデータのまま埋め込まれたもの(CADから書き出されたPDF等)の方が認識率が高く、スキャン画像をPDF化したものは構造情報を持たないラスタライズ扱いになるため解像度の影響を受けます。DWG・DXFはCADからの直接取り込みに対応し、ベクター情報が保持されるため認識精度が最も高くなりやすい形式です。

Free/Pro/Elite別のプラン差

2026年4月現在、Coohom公式の料金ページではFree・Pro・Eliteの3層構成で、Proは$100/月〜の有料プランと公開されています。AI変換回数の具体値は公式Pricingページ・ヘルプセンターのいずれでも明示されておらず、プランごとの機能差で区別されている形です。

項目 Free Pro Elite
レンダリング 透かし付き フルライブラリ・透かしなし フルライブラリ・透かしなし
素材ライブラリ 制限あり フルアクセス フルアクセス
チーム機能 不可 個人向け チーム共同編集対応
商用利用 制限あり

AI変換回数の明示値は非公開のため、運用継続の可否は実案件でのスループットで判断するのが現実的です。Freeは透かし付きで商用に耐えないため、編集部では機能確認用と位置付け、提案資料を出すならPro以上を前提にしています。

商用利用・データ保持期間の注意点

アップロードした図面の著作権は元のデータ所有者に帰属します。他社図面を無断でアップロードする運用は避け、自社保有または顧客同意のあるデータに限定します。Coohomのサーバー上の保持期間やクラウド上の扱いも、商用利用時には確認しておきたいポイントです。商用利用条件の詳細はCoohom 商用利用・著作権・透かしについてで扱うため、この記事ではAI間取り固有の注意点に絞りました。

AI間取り変換の具体手順

Coohom AI間取りの実運用は6ステップに分かれます。編集部の検証では、前処理(STEP1)と補正(STEP5)に全体時間の6割が集中しました。

STEP1: 元データの前処理

アップロード前の仕込みが認識精度を最も左右します。Coohom公式のPDF前処理8ルールに沿い、次の4点を済ませてから取り込みます。

  • トリミング: 図面枠・表題欄・凡例を除外し、間取り部分のみに切り出す
  • 明るさ・コントラスト補正: 壁線がはっきり黒く出るよう調整(スキャン画像の場合)
  • 傾き補正: スマホ撮影で生じた台形歪みを無料のPDF編集ツールで矯正
  • 5MB以下への圧縮: 公式は5MB未満を推奨。公式記事では28MBのPDFをSmallPDFで3MBに圧縮してアップロード成功した事例が掲載されています

特に手描きスケッチの場合、線の濃淡が揃っていないと壁として認識されないことがあります。前処理に5分かけるだけで、補正工数が大幅に減るケースも少なくありません。

STEP2: プロジェクト作成とアップロード

Coohomにログインし、ダッシュボードから「新規プロジェクト」→「AIで間取りから始める」を選択します。ファイル選択ダイアログが開くので、前処理済みのPDFまたはJPGを指定してアップロード。ファイルサイズがプラン上限内であることを事前に確認します。

STEP3: スケール指定と基準寸法の入力

アップロード後、AIが壁線を検出し、スケール入力画面が表示されます。ここで図面上の既知の長さ(例: 玄関〜LDKの通路幅2,000mm)を指定し、実寸とのリンクを確立します。この1点の入力精度が3Dモデル全体の寸法精度を決めるため、複数箇所で検算するのがおすすめです。

STEP4: 認識結果のプレビュー確認

数秒〜1分ほどでAIによる認識結果が3Dプレビューとして表示されます。ここで壁・ドア・窓のズレ、部屋の連結漏れ、階段や吹き抜けの誤認識がないかを俯瞰します。複数箇所で大きなズレが見つかる場合は、STEP1の前処理に戻るかの判断ポイントです。

STEP5: 壁・ドア・窓の手動補正

AI認識後の微調整を行います。頻出する補正パターンは次の通り。

  • 壁の欠損: 細い線や途切れた線が未認識 → 手動で壁ツールを使い補完
  • ドアの開き方向: 開き戸の向きが反対 → 反転ボタンで修正
  • 窓の種別: 腰窓と掃き出しの取り違え → プロパティで窓タイプを変更
  • 部屋の床仕上げ: 自動割当てが不適切 → 素材ライブラリから再指定

編集部の検証では、この工程に平均10〜20分を要し、30㎡の住戸で補正箇所が30を超える場合は手動作成に切り替えた方が総時間は短くなる傾向でした。

STEP6: 3D化と家具配置への引き継ぎ

壁・建具の補正が完了したら、3Dビューに切り替えて家具配置へ進みます。ここから先のワークフローは通常の手動2D間取りと同じです。家具配置や素材編集の詳細はCoohomテンプレート活用とAIデコレーター自動化術7選のAIデコレーターと組み合わせると、提案資料までの時間をさらに短縮できます。

認識精度と補正のコツ

Coohom AI間取りの認識精度は、元データの状態でほぼ決まります。補正を前提とした運用設計こそが、AI機能を安定稼働させる鍵です。

認識精度を左右する6つの要素

Coohom公式の認識精度ガイドライン360画像からの精度改善Tipsを踏まえると、精度に影響する要素は次の6点に集約されます。

要素 望ましい状態 精度への影響度
線の太さ 太く明瞭・均一、壁は閉じて連結
コントラスト 白地に黒線、グレー地は避ける
解像度 最低2,000px幅、ファイル5MB未満
斜め壁の有無 90度基調、斜め壁は10%以下
記号密度 設備・寸法の重なりが少ない
ソフト側設定 壁検出感度・構造エッジ検出を有効化

CADから書き出したベクターPDFや直接インポート可能なDWG・DXFであれば認識率は高水準で、一定の補正で実用レベルまで到達します。逆に手描きスケッチを撮影したJPGは、認識率が落ち込みやすい傾向。Coohom側の壁検出感度・構造エッジ検出の設定調整で再構築結果が大きく改善する点も公式知見として共有されています。

精度が落ちやすい図面パターンと公式失敗事例

Coohom公式の前処理ガイドで公開されているAI誤認識の代表事例は次の3件です。いずれも実務で遭遇しやすく、原因と対処がセットで明示されています。

  • 電気記号を間仕切りと誤認識: 電気図や設備記号入りの図面でAIが回路線・記号を壁線として誤認識。対処は記号を除去したクリーン版でアップロードし直すこと
  • 複数階を1枚に重畳した図面で構造崩壊: 1枚のPDFに3層分の平面を並べて配置した結果、AIが部屋連結を誤認識し構造が崩れた事例。対処は1階ずつ別ファイルに分割してアップロード
  • 寸法欠落によるスケール誤推定: 寸法数値が記載されていない図面でキッチン幅を80cmと誤推定。対処は主要寸法を数値で追記してからアップロード

これらの公式事例に加え、編集部で追加的に確認されたつまずきは次の通りです。

  • スキャン解像度が低いPDF(150dpi以下): 再スキャンするか、PDF編集ツールで解像度を上げる
  • 斜め壁・曲線壁が多い平面: AI変換後の壁を一旦すべて削除し、直線壁部分のみAI結果を活用
  • 手描き風の提案用イラスト図面: AI変換は向かず、手動2D作成を推奨

補正工数の判断ライン

AI変換と手動作成のどちらが早いかの判断基準として、次の目安が実用的です。

アップロード→STEP4のプレビュー確認までを「判定用の試行」と位置付け、そこで20%超のズレが見えたら素直に手動に移ると、結果的に総作業時間が短く済みます。

実務ワークフローへの組み込み方

AI間取りは「下書き生成」に徹し、仕上げは手動で行うのが定石です。単独機能ではなく、現地調査から提案資料までの流れの中での位置付けを設計しておきます。

現地調査から提案資料までのタイムライン例

リフォーム現地調査を起点とした場合のタイムライン例は次の通りです。

フェーズ 作業内容 所要時間
現地 採寸・既存図面のスマホ撮影 30分
帰社前 JPG前処理・AI変換開始 10分
帰社後 補正・家具配置・レンダリング 60〜90分
提案 PDF/動画書き出し 10分

ゼロから手動で起こす場合と比較して、合計で30〜60分の短縮が現実的な効果範囲となります。

手動作成とAI変換の使い分けチャート

日常業務での判断は、次のチャートに沿うと迷いにくくなります。

元データの状態 推奨アプローチ
CADから出力したベクターPDFがある AI間取り
管理会社の募集図面PDFがある AI間取り(前処理を厚めに)
現地採寸ノートのみ 手動2D作成
手描きスケッチ 手動2D作成
過去案件の類似図面を流用 AI間取り

AIデコレーターや他AI機能との接続

AI間取りで3Dモデルを立ち上げた後は、AIデコレーターで家具とスタイリングを一括配置する流れが効率的です。この連携の詳細はCoohomテンプレート活用とAIデコレーター自動化術7選で解説しています。AI機能群の全体像を俯瞰したい場合はCoohom AI機能・他ソフト連携ガイドも参考になります。

よくあるつまずきとFAQ

Coohom AI間取り利用時に実務者がつまずきやすい論点をFAQ形式でまとめます。

アップロードが失敗する・認識されない

アップロード失敗の多くは、ファイルサイズ超過またはファイル形式の不一致です。プラン上限を確認し、PDFのバージョンが極端に古い場合は再書き出しを試します。認識そのものが動かないときは、前処理(トリミング・明るさ補正)の再実施が最短経路となります。

スケールが合わない・寸法がズレる

スケール指定のSTEP3で、基準にする寸法を1箇所のみで指定すると、その線自体に傾きや歪みがあった場合に全体の寸法が連動してズレます。玄関幅・LDK長辺・水回り短辺など、複数箇所で数値を検算しておくと安定します。

複数階の図面はどう扱うか

Coohom公式のAI Floor Plannerページでは、マルチフロア(複数階)およびデュプレックス構造は自動生成非対応で、AI間取りは単一階専用の仕様と明記されています。2階建て以上の図面は、1階・2階を別ファイルに分割してからアップロードするのが唯一の現実解です。1枚のPDF内に複数階を並べた図面は、公式失敗事例にも挙げられている「複数階重畳による構造崩壊」の典型パターンとなるため避けましょう。

まとめ

Coohom AI間取りの要点を整理します。

  • AI間取りは「既存PDF・JPG平面図の3D化短縮」に効く下書き生成機能で、ゼロ起点の手動作成とは使い分ける
  • 対応形式はPDF・JPGが中心、認識精度は線の太さ・コントラスト・製図/手描きの別で大きく変わる
  • 変換は6ステップ、前処理と補正で総時間の6割を占める
  • 壁認識のズレが20%を超えたら手動作成に切り替えるのが時間効率の分岐点
  • AIデコレーターと組み合わせると、現地調査から提案資料までのタイムラインが30〜60分短縮できる

AI機能を「完全自動」ではなく「下書き生成」として位置付けることで、実務での投資対効果が最大化されます。

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CONTENTS

3 LESSONS


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基礎編② 画面構成と基本的な操作方法

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実践編① 太陽光の入る白い部屋

建築パースを1作品完成させるまでを体験


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実践編完成データ(.blend)

ショートカット・チートシート

マテリアル ライブラリセット

この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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