Coohom vs SketchUp 完全比較|7軸で選ぶインテリアCAD

CoohomとSketchUpは、どちらも3D空間を扱うツールですが、設計思想がまったく異なります。Coohomは「インテリア提案の効率化」に特化したクラウド型SaaSで、SketchUpは「汎用3Dモデリング」を軸に建築・設計全般をカバーするデスクトップ型プラットフォームです。

この記事では、CoohomとSketchUpを価格帯・無料範囲・対応OS・レンダリング・AI/自動化・学習コスト・拡張性の7軸で比較し、2026年4月現在の最新プラン情報と公式推奨の併用ワークフローまで整理します。

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目次

CoohomとSketchUpの基本プロフィール

両ツールのポジショニングは大きく異なります。比較の前提として、それぞれの立ち位置と設計思想を確認します。

Coohomの概要と強み

Coohom(クーホム)はKujiale社が提供するクラウド型インテリアCADです。AIレンダリング・720度パノラマVR・素材ライブラリの充実を軸に、工務店・不動産・小売向けの導入が進んでいます(2026年4月現在)。プランは無料のFreeプランと、有料のPro、Premium(旧Elite)の2段構成が公式表記です。

料金は2026年4月現在、Pro Yearlyが月額25ドル(年契約時換算)、Premium Yearlyが月額84ドル前後で、Premiumはプロジェクト数無制限と4Kレンダリング枠の拡大、ブランドライブラリなどが追加されます(公式・G2情報)。

インテリア提案に特化した設計で、間取り作成から3Dパース・VRまでの一連のフローを1ツールで完結できます。操作習得にかかる時間も短く、CAD未経験者でも1時間程度で基本操作を覚えられるのが強みです。

SketchUpの概要と強み

SketchUp(スケッチアップ)はTrimble社が提供する汎用3Dモデリングツールです。建築・都市計画・製品デザイン・映像制作など、幅広い分野で使われている業界標準の一つです(2026年4月現在)。

プランは無料のWeb版(SketchUp Free)、サブスクリプションのGo/Pro/Studio、教育版という複数ラインで構成されます。Pro版は2025年7月に年額349ドルから399ドルへ改定され、最上位のStudio版は年額819ドル、月額プランはなく年額のみという料金体系です(SketchUp公式・MyArchitectAI)。3D Warehouseという巨大なモデルライブラリと、拡張機能(Extension)エコシステムの豊富さが最大の武器です。

設計思想の決定的な差:インテリア特化SaaS vs 汎用3D CAD

両者の違いは、機能の優劣ではなく設計思想そのものにあります。Coohomはクラウド上で間取り・家具配置・レンダリングを完結させる「インテリアSaaS」として生まれ、AIとテンプレートで作業を自動化する発想です。SketchUpはデスクトップ型の汎用3Dモデラーで、ユーザーと拡張機能が組み合わさって初めて価値が決まる「プラットフォーム」です。

後段の比較軸で出てくる差(料金体系・OS対応・レンダリング・AIなど)は、ほぼすべてこの設計思想の違いから派生しています。

7軸比較表(Coohom vs SketchUp)

比較軸 Coohom SketchUp
料金・プラン 無料〜Pro(年契約 月25ドル)/Premium(月84ドル前後) Go/Pro(年399ドル、2025年7月改定)/Studio(年819ドル、年額のみ)
無料範囲 プロジェクト数・レンダリング枚数に上限あり Web版で基本モデリング可能
対応OS ブラウザ動作で Windows/macOS/Chromebook 等を問わない Pro はWindows/macOS、Studio は Windows 専用
レンダリング 内蔵クラウドレンダラー(16Kパノラマも数秒〜数分) V-Ray(Studio同梱)/Enscape/Lumion など外部エンジン前提
AI/自動化 AIフロアプラン生成・自動レンダリング・素材マッチング標準 標準AI機能は弱く、拡張機能で補完
学習コスト 基本操作は1時間程度で習得可能 基礎習得に数週間〜数か月
拡張性/エコシステム プラットフォーム内完結、外部連携は限定的 3D Warehouse・Extension・LayOut 等の巨大エコシステム

※ 各プランの価格・機能は2026年4月現在の情報です。最新情報は各社公式サイトで確認してください。

料金と対応OSの読み解き方

料金比較は「年契約時の月額換算」に揃えると混乱が減ります。Coohom Proは年契約時に月25ドル、Premiumは月84ドル前後(2026年4月現在)で、どちらもブラウザさえ動けばOSを選びません。SketchUpはProが年399ドル、Studioが年819ドルで、Studioは V-Ray・Scan Essentials・Revit Importer・点群機能をバンドルする関係で Windows 専用となっています(SketchUp公式・2026年4月現在)。

macOSメインの制作チームでは、SketchUp Studio同梱のV-Rayを使えない点がしばしば導入の壁になります。この場合、Coohomの内蔵レンダラーで代替する構成が現実的です。

AI/自動化と拡張性

AI機能と自動化はCoohomが大幅にリードしています。AIワンクリックでフロアプランを生成し、素材マッチング・自動レンダリング・動画出力まで標準機能として備えています(2026年4月現在)。ベッドルーム1室の設計は、SketchUpで約1時間かかる工程がCoohomなら10分以内で完了する事例も海外レビューで紹介されています(Cedreo Blog)。

SketchUpは標準のAI機能が限られていますが、拡張機能エコシステムが強力です。レンダリングにはV-RayやEnscape、VRにはIrisVRなど、サードパーティのプラグインで機能を補完できます。ただし、拡張ごとに追加コストが発生する点は注意が必要です。

実務では、SketchUp+V-Rayの組み合わせは品質面で優秀な一方、セットアップと習得に相当の時間がかかります。G2の評価ではレンダリング品質はV-Ray 9.6/Coohom 9.5と拮抗し、使いやすさはCoohom 8.9/V-Ray 6.9と差がつきます(2026年4月現在)。品質の最終ひと押しをV-Rayで狙うか、使いやすさで提案スピードを稼ぐかの判断になります。

レンダリングと業界フィット

Coohomは内蔵クラウドレンダラーで、16K解像度のパノラマや動画出力まで数秒〜数分で完了します。SketchUpは標準のスタイル出力に加え、本格的な写実表現には V-Ray・Enscape・Lumion などの外部エンジン導入が前提となります。

業界フィットで見ると、Coohomは工務店・不動産・小売・リフォームといったインテリア提案寄りの現場に強く、SketchUpは建築設計・都市計画・製品デザインなど設計全般で採用される傾向です。編集部では、業務の8割がインテリア提案ならCoohom、外観・構造まで踏み込むならSketchUpという使い分けを基準に置いています。

Coohomが向くケース

Coohomを選ぶべき場面を整理します。

インテリア提案に特化して使いたい場合、Coohomの間取りからVRまで一貫したワークフローが最も効率的です。間取りからVRまで、ツールを切り替えずに完結します。2026年4月現在、720度パノラマとWeb VRは標準機能として提供されています。

CAD未経験のチームメンバーにも使ってもらいたい場合、Coohomの学習コストの低さが決め手です。SketchUpの習得には数週間〜数か月かかりますが、Coohomなら1時間で基本操作を覚えられます。

macOSやChromebookを使うチームでも、ブラウザさえ動けば導入できる点はCoohomの強みです。実務では「SketchUp Studioが使える Windows マシンを全員に配れない」という理由でCoohomに切り替える事業者も増えています(2026年4月現在)。

SketchUpが向くケース

SketchUpを選ぶほうが合理的な場面もあります。

建物の外観・構造を含む設計全般に使いたい場合、SketchUpの汎用性に代わるものはありません。インテリアだけでなく外観パース、構造模型、都市計画まで1ツールで対応できます。

既に社内にSketchUpのスキルと資産(テンプレート、拡張機能、過去プロジェクト)が蓄積されている場合、移行コストよりも継続のほうが合理的です。

V-RayやEnscapeで極限の品質を狙う案件を多く抱える場合も、SketchUp側に分があります。G2評価ではレンダリング品質はほぼ互角ですが、照明・マテリアルの細かなコントロールはV-Rayの歴史的な強みです(2026年4月現在)。なおV-Rayを同梱するSketchUp Studioは Windows 専用である点に注意してください。

移行・併用の判断ポイント

SketchUpからCoohomへの「完全移行」が必要なケースは限られます。多くの場合、併用が現実的な選択肢です。

公式推奨の併用ワークフロー

Coohom公式ブログでは「SketchUpでモデリング→Coohomで素材アサイン・レンダリング」というワークフローを推奨しています。SketchUpで作り込んだ .skp ファイルをCoohomにアップロードし、Coohomの素材ライブラリとクラウドレンダラーで仕上げる流れです(2026年4月現在)。

この併用パターンは、SketchUpの既存資産(テンプレート・カスタム家具・拡張機能で磨いた外観モデル)をそのまま活かしつつ、インテリア提案のスピードをCoohomで補える点が強みです。設計事務所や工務店で合理的に回るワークフローとして採用が進んでいます。

.skpアップロード時の実務注意点

Coohomのヘルプセンターによれば、.skpアップロードには次の制約があります(2026年4月現在)。

  • SketchUpの全バージョンに対応
  • モデルサイズは30m×30m以内を推奨
  • 裏面ポリゴン(逆向き法線)は表示不良の原因になるため事前に修正

これらは実装仕様のため変わりうる項目です。大型案件を扱う前に、必ず公式ヘルプセンターで最新の制限値を確認してください。

完全移行を検討すべきタイミング

SketchUpを「インテリア提案だけ」に使っている場合は、Coohomへの完全移行が有効です。操作習得の時間、プラグインのコスト、レンダリングの手間を考えると、インテリア特化のCoohomの方が総コストが下がる可能性があります。

プロジェクトデータの直接インポートは .skp アップロードで対応できますが、パラメトリックな間取り情報までは引き継げないため、移行時は間取りの再作成が必要になります(2026年4月現在)。

まとめ(どちらを選ぶべきか)

CoohomとSketchUpは、ツールのカテゴリ自体が異なります。インテリア特化のクラウドSaaSがCoohom、汎用3DモデリングのデスクトッププラットフォームがSketchUpです。

インテリア提案の効率化・AI活用・VR共有を重視するなら、Coohomが合います。設計全般の汎用性・拡張性・既存資産の活用を優先するなら、SketchUpを継続するのが得策です。そして第三の選択肢として、SketchUpでモデリングしCoohomでレンダリングする公式推奨の併用ワークフローがあります。

「自分の業務の8割がインテリア提案なのか、それとも設計全般なのか」。その比率と、チームのOS構成(Windowsのみか、macOS/Chromebookを含むか)が、答えを出す最大の基準になります。

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この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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