Coohom と AutoCAD の連携ワークフロー実務5ステップ

AutoCADで描いた平面図を、そのまま顧客プレゼン用の3Dビジュアルに変換したい。このニーズは住宅リフォームや小規模インテリア設計の現場で急速に広がっています。実務では、2D平面図をCoohomに取り込んで壁を立ち上げ、家具配置とレンダリングまでを半日で仕上げる、という流れが定番化してきました。

この記事では、Coohom と AutoCAD の連携ワークフローを「対応形式」「インポート」「エクスポート」「崩れ対策」「実務5ステップ」の順で整理し、2026年4月現在の仕様に沿って解説します。他ソフト連携の全体像から押さえたい場合はCoohom AI・他ソフト連携ガイド|設計から提案までつなぐ6機能の全体像で扱っているため、この記事はそのうちAutoCADに絞った実務フォーカス版です。仕様の一次情報はCoohom Help Centerを参照しています(2026年4月現在)。

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目次

Coohom × AutoCAD 連携でできること・できないこと

CoohomとAutoCADの連携は「2D図面を3Dプレゼンに変える橋渡し」として機能します。双方向に完全互換ではなく、用途ごとに片道で使うのが実務の定石です。

実務では、AutoCAD側で設計の精度を担保し、Coohom側でビジュアルと提案力を担保する、という役割分担で運用するケースが多いです。

AutoCAD → Coohom(設計図面を3Dビジュアル化)

AutoCADの平面図DWGをCoohomの2D Toolにインポートし、壁・窓・ドアを自動または手動で立ち上げます。家具ライブラリから配置して、そのままフォトリアルレンダリングまで持ち込めるのが最大の利点。

Coohom → AutoCAD(Coohomで作った間取りを図面に戻す)

Coohomで作成した間取りはDWG/DXF形式で書き出せます。提案合意後に施工図の下地として戻す、確認申請用の図面の叩き台にする、という使い方が現実的です。

連携の限界

AutoCADのダイナミックブロック、3Dソリッド、外部参照(Xref)はCoohom側で完全には再現されません。ブロックは分解、Xrefはバインドしてから書き出すのが前処理の鉄則です。

2026年4月現在の対応形式・バージョン

インポート/エクスポート時に実務で問題になるのは「どのDWGバージョンまで通るか」「どの要素が落ちるか」の2点。ここを先に押さえると手戻りが激減します。

Coohomがサポートするインポート形式

Coohomの2D Toolがサポートする主なインポート形式は、DWG・DXF・画像(JPG/PNG)・PDFの4種類(2026年4月現在)。設計データならDWGが第一選択です。

形式 用途 精度
DWG 正確な寸法の平面図
DXF 他CADからの中間形式
画像 ラフスケッチのトレース用
PDF 既存図面を下絵に使用

AutoCAD DWGバージョン対応

Coohom Help Centerが公開する2D Toolの推奨は、AutoCAD 2018〜2024形式のDWGです(2026年4月現在)。より古い形式や最新の2025形式は、AutoCAD側で名前を付けて保存する際にバージョンを落として書き出しておくと安全です。海外のReddit r/InteriorDesignの実務スレッドでも、「2020形式で保存するとインポート失敗率が下がる」という報告が多く、2018〜2024のレンジが現実的な安全圏とされています。

エクスポート形式

Coohomからの書き出しは、2D平面図がDWG/DXF/画像、3DモデルがOBJ/FBX/GLBに対応します。AutoCADはFBXを読み込めるため、3Dプレビューを図面に戻すルートも使えます。

3Dソリッド・ブロックの扱い

ダイナミックブロックはCoohomで属性が失われます。標準ブロックも分解してから取り込むほうが壁認識が安定。3DソリッドはDWGからの直接取り込みは不安定なので、FBX経由を推奨します。

AutoCADからCoohomへのインポート手順

インポートは「図面準備→アップロード→スケール確認→壁立ち上げ」の4段階。前処理をどれだけ丁寧にするかで、Coohom上での手戻りが決まります。

AutoCAD側の図面準備

必要なレイヤだけ残し、寸法・通り芯・注記など壁認識のノイズになる要素は非表示または削除します。壁線は閉じたポリライン(CLOSED polyline)で描いておくのが最大のコツで、Coohom公式ブログでも、壁の自動認識はこの条件を満たす場合にのみ機能すると明記されています(2026年4月現在)。

原点(0,0)を図面の左下または中心に合わせておくと、Coohom側で再調整する手間が減ります。

Coohomへのアップロード

Coohomのデザインツールを開き、上部メニューから「CADインポート」を選択してDWGファイルをアップロード。プレビューが表示されたら、使用するレイヤを選んでインポートを確定します。

スケール統一のチェックポイント

Coohomは内部的にmm単位で管理します。海外フォーラムAutodesk Communityでも繰り返し報告されている通り、AutoCAD側がinch設定のままだと、インポート時に1/25.4倍の極小サイズになる現象が起きます(2026年4月現在)。図面単位は必ずmmまたはmで統一し、インポート後に基準線の長さを計測して実寸と合うかを確認します。

壁の自動認識と手動トレース

閉じたポリラインの図面なら「自動壁生成」で一気に立ち上げが可能です。ラフスケッチや画像インポートから起こす場合は、手動トレースで壁を引き直すほうが早い場面もあります。間取りを一から作る手順はCoohom 2D間取り作成 完全チュートリアル|壁・ドア・窓・寸法の引き方で扱っているため、トレースに慣れていない場合は先にそちらを確認すると遠回りしません。

CoohomからAutoCADへのエクスポート手順

Coohomで完成した間取りをAutoCADに戻すときは、用途(確認図面/施工図/プレゼンPDF)によって形式を使い分けます。

2D平面図のエクスポート

デザインツールの「書き出し」からDWGまたはDXFを選択。寸法・家具アイコン・壁厚の情報を含めるかをチェックボックスで指定できます。施工図の下地に使う場合は家具を除外し、プレゼン添付にするなら寸法と家具の両方を残すのが定番。

3DモデルのエクスポートとAutoCAD側での読み込み

3DビューからFBX・OBJ・GLBの3形式で書き出せます(2026年4月現在、Coohom公式の書き出し仕様に基づく)。AutoCADは「IMPORT」コマンドでFBXを直接読み込めるため、プレゼン用3DをAutoCADビュー上で確認する運用も可能です。GLBは軽量で扱いやすい反面、AutoCADでは直接サポートされないため、ビューア共有用途に絞るのが現実的です。

レイヤ・寸法・線種の復元度

DWGエクスポートではCoohom側の「壁」「家具」「開口部」がそれぞれ別レイヤに分離されます。ただし線種(実線/破線)や寸法スタイルはAutoCADのテンプレートで上書きする前提で運用したほうが安全です。

カスタムモデルを双方向で扱う際の注意

独自に作成した家具モデルを行き来させる場合、Coohom側のカスタムモデル登録ルールに沿って前処理する必要があります。詳細はCoohomカスタム3Dモデル取込7手順|OBJ/FBX実務ガイドで整理しています。

変換時の崩れ対策(レイヤ・寸法・線種・スケール)

連携時の代表的なトラブルは「スケールが10倍や1/10倍になる」「レイヤが全部統合される」「寸法線が消える」の3つ。原因と対策を型で持つと再発しません。

スケールのずれ

発生原因の多くは単位不一致です。AutoCADがinch、Coohomがmmの状態でインポートすると1/25.4倍、逆にAutoCADがmでCoohomがmmと誤認すると1000倍になります。DWG書き出し時に「INSUNITS」変数をmmに設定しておくのが根本対策です。Autodesk公式のINSUNITS解説でも、連携先ソフトの単位に合わせておくと変換事故が減ると明記されています。

レイヤ構造の喪失

Coohom側のインポートダイアログで「使用レイヤを指定」しない場合、全レイヤが統合されて取り込まれます。壁・建具・家具を別々に扱いたい場合は、インポート時点でレイヤを選別するのが鉄則です。

寸法・テキスト・線種の扱い

寸法や注記テキストはCoohomでは基本的に注釈扱いになり、壁の数値管理には反映されません。施工図面として戻したい場合は、AutoCAD側で寸法を描き直す前提で運用します。

ブロック参照の分解と再構築

ブロック参照はAutoCAD側で「EXPLODE」コマンドで分解してから書き出すと、Coohomでの取り込み精度が上がります。ダイナミックブロックは特に分解必須。

実務ワークフロー5ステップ(AutoCAD→Coohom→プレゼン)

設計事務所での典型的な連携フローを、5ステップに落とし込みます。1物件あたりの所要時間は3〜6時間が目安です。

手順1: AutoCADで平面図をクリーンアップ

不要レイヤを削除し、壁線を閉じたポリラインに整え、INSUNITSをmmに設定してDWG 2018形式で書き出します。ここに15〜30分かけるだけで後工程が大幅に短縮。

手順2: CoohomにDWGインポート+スケール確認

Coohomの2D Toolにアップロードし、基準線の実寸(例:6畳間の長辺2730mm)を計測してスケール整合を確認します。ずれていれば一度削除して単位を直してから再インポート。

手順3: 壁・建具を立ち上げ、家具配置

自動壁生成または手動トレースで3D化し、建具(窓・ドア)を配置してから家具ライブラリから必要なモデルを置いていきます。住宅リビング3カット構成なら、この段階で1.5〜2時間が目安。

手順4: レンダリングとプレゼン資料出力

照明・カメラアングルを設定してレンダリング。写真風仕上げの手順はCoohom 照明・採光設定で写真風に仕上げる4つの手順で細かく扱っていますが、まずはデフォルトのHD品質で十分にプレゼン品質に届きます。

手順5: 修正指示をAutoCAD側に反映する双方向運用

プレゼン後の修正要望は、Coohom側で再調整してDWG書き出し→AutoCADに戻して整合、という流れで処理します。実務では、最終確定の施工図はAutoCAD側を正として管理するのが安全です。

実務では、この5ステップを住宅案件の標準フローとして採用している設計事務所が多く、平均所要時間は3〜4時間のレンジに収まるという報告が目立ちます。

他CADとの連携比較(SketchUp/Revit)

AutoCAD以外のCAD/BIMとの連携も合わせて把握しておくと、案件ごとに最適な入口を選べます。

SketchUp連携との違い

SketchUpはSKP形式を経由するルートが主で、3Dモデルを直接取り込めるのが強み。AutoCADは2D起点、SketchUpは3D起点、と入口が違います。詳細はCoohom×SketchUp連携ガイド|SKP取り込み実務7手順で扱っています。

Revit等BIMからのルート

Revit・ArchiCADなどBIMツールからはOBJ/FBX経由でCoohomに持ち込むのが現実的。BIMの属性情報は落ちますが、ビジュアル用途なら十分です。

まとめ

  • CoohomとAutoCADの連携は「2D図面を3Dプレゼンに変える橋渡し」として設計し、双方向完全互換ではなく片道で使いましょう
  • 推奨はAutoCAD 2018〜2024形式のDWG、単位はmmに統一してください(2026年4月現在)
  • インポート前に閉じたポリライン化・レイヤ整理・INSUNITS設定の3点を必ず実施します
  • 崩れやすいのはスケール・レイヤ・寸法の3点。対策を型で持つと再発しません
  • 実務5ステップで1物件あたり3〜6時間が目安。最終確定図面はAutoCAD側を正として運用します

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この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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