Jw_cadで立面図・断面図を描く方法|平面図からの投影手順

Jw_cad Version 10.02.1が2026年1月にリリースされ、Unicode対応やDXF 2010形式出力など基盤部分が強化されました。一方、立面図・断面図の作図方法は従来バージョンと同じ操作体系で描けます。平面図さえ完成していれば、そこから投影する形で立面図・断面図を効率よく仕上げられるのがJw_cadの強みです。

平面図はできたものの、立面図・断面図の描き方がわからず手が止まっていないでしょうか。立面図は「平面図の壁芯からGLへ足線を下ろす」、断面図は「切断位置を決めてから高さ方向を描く」という手順さえ押さえれば、難しい操作は必要ありません。

この記事を読むと、Jw_cadで立面図と断面図を描く具体的な手順を、GL(地盤線)の設定から屋根・建具の描き方、レイヤ運用による整合性管理まで順を追って確認できます。

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目次

立面図・断面図の役割と違い

立面図は建物の外観を横から描いた図面、断面図は建物を垂直に切断して内部構造を示す図面です。どちらも平面図だけでは表現できない「高さ方向の情報」を補うために必要で、確認申請では両方の提出が求められます。

項目立面図断面図
表現する内容外壁仕上げ・窓配置・屋根形状各階の高さ・天井高・壁内部構造
確認申請での提出面数2面以上(通常は東西南北4面)2面以上
標準縮尺1/1001/100(矩計図は1/20〜1/30)
主な用途外観デザイン確認・高さ制限チェック構造体配置・設備配管経路の確認
平面図との関係壁芯・建具位置を投影切断位置の壁厚・基礎形状を表現

立面図の役割と確認申請での位置づけ

立面図は建物の外壁仕上げ、窓やドアの配置、屋根の形状と高さを1枚の図面で伝えます。確認申請では東西南北の4面を提出するのが一般的です。建築基準法施行規則では「2面以上の立面図」が求められています。4号建築物(木造2階建て以下の住宅等)は一部省略が認められる場合もありますが、審査機関によっては4面すべてを求められるケースが多い状況です。

施工段階でも立面図は頻繁に参照されます。外壁材の割付けや窓まわりの納まりを検討する際に、平面図だけでは判断できない部分を補う存在です。

断面図と矩計図の違い

断面図は建物を垂直に切断した全体像を1/100で描きます。各階のFL(床レベル)、天井高、屋根の勾配と小屋裏空間の高さがひと目で把握できる図面です。確認申請では2面以上の提出が必要で、東西方向と南北方向の切断が基本になります。

矩計図(かなばかりず)は断面図の詳細版にあたります。縮尺1/20〜1/30で、基礎の配筋から屋根の垂木ピッチまで構造部材を1本ずつ描きます。壁の内部構成(外壁材・通気層・断熱材・内装仕上げ)や、基礎と土台の接合部なども表現するため、施工図レベルの精度が求められます。実務では断面図で全体を把握し、矩計図でディテールを確認するという使い分けが定着しています。

立面図を描く前の準備

レイヤグループの割り当て・縮尺・線属性の3つを事前に決めておくことが、手戻りを防ぐ最大のコツです。

平面図の準備とレイヤグループの設定

立面図は平面図を起点に描くため、完成した平面図のコピーを用意するところから始めます。Jw_cadのレイヤグループは最大16グループ、各グループ内に16レイヤを持てる構成です。立面図・断面図を描く場合は、グループを図面種別ごとに分けると管理がしやすくなります。

建築実務でよく使われる割り当てパターンの一例は次のとおりです。

レイヤグループ割り当て縮尺
グループ0平面図(参照用)1/100
グループ1立面図(南面)1/100
グループ2立面図(東面)1/100
グループ3立面図(北面・西面)1/100
グループ5断面図1/100
グループ6矩計図(必要時)1/20

レイヤグループ単位で縮尺を設定できるため、1/100の立面図と1/20の矩計図を同一ファイル内で扱えます。画面右下の「縮尺ボタン」をクリックし、「縮尺・読取設定」ダイアログの分母欄で値を変更してください。

線属性と用紙サイズの設定

線種と線色のルールを最初に決めておくと、図面の読みやすさが格段に上がります。

用途線色線種
躯体線(外壁・基礎)線色2(太線)実線
補助線(GL・足線・通り芯)線色3点線(線種2)
仕上げ線(サイディング目地等)線色1(細線)実線
寸法線・文字線色5実線
切断面ハッチング線色4実線

用紙はA3横(420mm x 297mm)が住宅立面図の標準です。「設定」メニューの「基本設定」から用紙サイズを変更できます。図面枠は線種2・薄い線色で描き、タイトルブロック(図面名・縮尺・日付)を枠内に配置しましょう。

Jw_cadで立面図を描く手順

平面図を起点にGL・足線を引き、外壁の輪郭から屋根・建具へと順に仕上げていく流れが基本です。

GL(地盤線)を引き、足線を下ろす

最初のステップはGL(グランドライン)の設定です。新規ファイルを開き、完成した平面図をコピーして画面上部に配置します。平面図の下側、用紙の下から1/3〜1/4あたりの位置にGLを「線」コマンドで水平に引いてください。

次に、平面図の壁芯位置からGLに向かって垂直に補助線(足線)を下ろします。この足線が立面図の横幅を決めるガイドになります。「線」コマンドで壁芯の端点をクリックし、真下に引く操作です。クロックメニューの「鉛直・水平」を有効にしておくと正確な垂直線を引けます。

GLは屋根の軒線を描くときにも基準として使うため、用紙枠よりも長めに引いておくのがコツです。補助線は最終的に非表示にするため、専用レイヤに分けておきましょう。

外壁・階高・軒高の描き方

GLを基準に各階のFL(床レベル)と軒高を設定し、外壁の輪郭を描きます。木造住宅の場合、標準的な寸法関係は次のとおりです。

  • 1FL(1階床レベル): GL + 400mm(基礎天端の高さ。フラット35基準で400mm以上)
  • 2FL(2階床レベル): 1FL + 2,800〜3,000mm(1階の階高)
  • 軒高: GL + 約6,250mm(木造2階建て住宅の一般的な値)

GLからの高さは「複線」コマンドで設定すると効率的です。GLを選択した状態で「複線」を実行し、間隔欄に400(mm)と入力すれば1FLの水平線が引けます。同様に階高・軒高の水平線を順に引いていきます。

外壁の輪郭は、足線の範囲内で「線」コマンドを使い、FLと軒高を結ぶ垂直線で描きます。壁の厚み分(木造の場合は壁芯から外側75mm程度)は「複線」で追加してください。

屋根・建具・仕上げの描き方

屋根は「線」コマンドの「傾き」欄を活用します。たとえば4寸勾配の屋根なら、傾き欄に「0.4」と入力すると、自動的に勾配のついた線が描けます。切妻屋根であれば棟の中心から左右に勾配線を引き、寄棟屋根では四方向の勾配線を描いてください。

軒の出は平面図に描かれた外壁の補助線を基準に、「伸縮」コマンドの「突出寸法」欄で数値を入力して設定します。木造住宅の軒の出は600〜900mmが一般的です。

窓やドアはどう配置するのが効率的でしょうか。平面図の建具位置を足線で立面図に投影し、高さ情報を参照して配置する手順が基本です。引違い窓・片開きドアなど建具の種類ごとに線の描き分けが必要ですが、Jw_cadの「建具(立断)」機能を使えば登録済みの建具データを呼び出して配置できます。1つずつ線を引くよりも大幅に時短できる機能です。

仕上げ表現では、線の太さによる描き分けが図面の読みやすさを左右します。切断面に近い要素ほど太く(0.5mm相当)、遠景の要素ほど細く(0.1mm相当)描くと、奥行き感のある立面図に仕上がります。

Jw_cadで断面図を描く手順

断面図の出来栄えを決めるのは「どの位置で建物を切るか」という判断です。切断位置を選定してから、基礎・壁・屋根の断面形状を順に描いていく流れになります。

切断位置の決め方

断面図は建物の特徴が最もよく表れる位置で切断するのが原則です。階段や吹抜けがある場合はそこを通す切断線を引くと、高さ方向の空間構成が読み手に伝わりやすくなります。スキップフロアやロフトを持つ住宅では、高さ変化が顕著な箇所を選んでみてください。

確認申請用は東西方向と南北方向の2面以上が基本です。切断位置は平面図上に一点鎖線と矢印で明示し、「A-A断面」「B-B断面」のように名称を付けます。Jw_cadでは「線」コマンドで一点鎖線(線種4)を引き、矢印は「矢印」設定を有効にして描きます。

基礎・壁・屋根の断面を描く

断面図の描き方は立面図と似ていますが、切断面の表現が加わる点が異なります。

基礎は布基礎またはベタ基礎の断面形状を描きます。GLから下の根入れ深さは一般的に300mm以上、基礎幅は150mm(布基礎の場合)が標準的な値です。「矩形」コマンドで基礎の外形を描き、内部にコンクリートのハッチングを入れると構造がわかりやすくなります。

壁の断面は外壁材・断熱材・内装材を線種を変えて描き分けます。切断面にはJw_cadの「ハッチ」コマンドで斜線パターンを入れてください。ハッチングの角度は45度が標準で、間隔は縮尺に応じて調整します。1/100の断面図では2〜3mm間隔が見やすい目安です。

屋根の断面は垂木・母屋・棟木の位置を描き、屋根勾配を正確に反映します。小屋裏空間の高さも描き入れ、換気経路や断熱材の位置がわかるようにすると、施工図としての実用性が高まります。

平面図との整合性を保つポイント

立面図・断面図を描き終えた後に平面図を修正すると、3種類の図面間で不整合が発生します。実務で「窓の位置を1つ変えたら立面図の修正を忘れていた」という失敗は珍しくありません。修正の波及先を把握し、レイヤ運用で管理する仕組みを作っておくことが大切です。

修正が波及する箇所と確認手順

平面図を修正したとき、立面図・断面図のどこに影響するかを整理しておくと見落としを防げます。

壁位置の変更は立面図の外壁ラインと窓位置、断面図の壁厚に波及します。修正時は足線を引き直して、立面図の横方向の位置を再確認してください。

建具の追加・変更は立面図の開口部表現と断面図の高さ表現に影響します。建具表との整合確認も忘れずに行いましょう。具体的な建具表の作り方はJw_cadで建具表・展開図を作成するで解説しています。

階高・天井高の変更は断面図の全体構成を変えるため、GL基準の寸法チェーンを上から下まで通して確認する作業が必要です。紙に出力してスケールで寸法を当てるチェックも、画面上だけでは見落としがちなミスの発見に有効です。

レイヤ運用で効率化する方法

Jw_cadのレイヤグループ機能を活かすと、図面間の参照と保護を両立できます。平面図のレイヤグループを「表示のみ(編集不可)」に設定した状態で立面図を描けば、平面図を参照しながら誤って編集してしまう事故を防げます。

通り芯・寸法線・建具記号は専用レイヤに分けておくと、印刷時に補助線レイヤだけを非表示にする運用がスムーズです。また、建具パーツを図形登録(ブロック化)して平面図・立面図で共有すると、建具を修正した際の反映漏れが起きにくくなります。

実務で図面の枚数が増えてきたら、次の2点をルーティンに組み込んでみてください。「平面図を修正したら足線を引き直す」「断面図のGL基準寸法を再確認する」。この2つだけでも、不整合によるやり直しを大幅に減らせます。

まとめ

Jw_cadで立面図・断面図を描くには、平面図からの投影が出発点になります。GLを引いて足線を下ろし、外壁・階高・屋根を順に描いていく流れを身につければ、住宅規模の図面は効率よく仕上がります。

断面図では切断位置の選定が図面の情報量を左右します。階段や吹抜けを通す位置で切断し、基礎から屋根まで構造を正確に描くことで、確認申請にも施工にも使える断面図になります。

平面図を修正した際は立面図・断面図への波及を必ず確認してください。レイヤグループの表示/編集切り替えとブロック化による建具共有を活用すれば、整合性の管理コストを下げられます。

Jw_cad Version 10.02.1(2026年1月時点の最新版)でもこれらの作図手順は同じ操作で実行可能です。平面図の描き方から体系的に学びたい場合は、まずJw_cadで平面図を描く完全手順を参照してから本記事に戻ると理解が深まります。

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