Coohom AR機能で家具を実空間に配置する手順

CoohomのAR機能は、3Dシーン上で配置した家具をスマートフォンのカメラ越しに実空間へ重ねて確認できる機能です。2026年4月現在、CoohomはWebベースのAR表示と、共有URL/QRコード経由でのモバイル閲覧に対応しており、施主の自宅や引き渡し前の現地で「ここにこのソファを置くと圧迫感が出るか」をその場で視覚的に検証できます。

この記事では、Coohom ARで家具を実空間に配置する事前準備、5ステップの操作手順、施主プレゼンと現場確認での使い分け、そして頻発するトラブルへの対処までを通貫で整理します。Coohomで作ったシーンを画像納品だけで終わらせず、現場での合意形成にまで活用したい実務者の方に向けた内容です。

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目次

CoohomのAR機能でできること

Coohom ARは、PCで作り込んだシーンや単品家具を、施主や現場担当者の手元のスマートフォンに送り、その場で実寸大のCGを実空間に重ねて見せる仕組みです。家具1点だけのプレビューから、部屋全体のパノラマ、AR上での家具差し替えまで段階的に活用できます。

Coohom公式の位置付けでは、ARは「家具配置プレビュー(AR家具置換)」と「AR測定(スマートフォンをルーラー代わりに間取り作成を補助)」の2系統に分かれます(TechNode公式インタビュー)。この記事では前者、つまり施主や現場に実空間で家具を見せる使い方に絞って解説します。AR測定による間取り作成補助は、Coohom AI機能・他ソフト連携ガイドで解説しています。

Coohom ARの対応端末・ブラウザ(2026年4月現在)

Coohom/Kujialeの公式最低要件を海外ソースで確認すると、基盤技術はiOS側のARKitとAndroid側のARCoreで、端末要件は次のとおりです。

Webブラウザ単独でのAR完結は公式には限定的で、実運用は「Coohomアプリ導入→プロジェクト共有URL/QRをアプリで開く」フローが正ルートです。施主のスマートフォンにもアプリ導入が必要になるため、訪問前に案内しておくと現場で詰まりません。

Coohom ARで提示できるシーンの種類

Coohom ARで現場に出せる主な見せ方は3パターンに整理できます。

  • 単品家具AR:1点の家具だけを実空間に置く(ソファ単品の納まり確認に最適)
  • 360度パノラマAR:部屋全体のパノラマをスマホで見渡し、視点をその場で動かす
  • ドールハウスAR:ミニチュア化したプラン全体を机上に立体表示し、間取りを俯瞰

施主の関心が「家具1点の存在感」にあるときは単品AR、「部屋全体の空気感」にあるときはパノラマと、用途に合わせて使い分けるのが定石です。

Coohom ARの表示までに整える事前準備

ARの見栄えと安定動作は、シーン側の作り込みとモバイル側の環境設定で決まります。事前準備が整っていれば、施主の前でアタフタする時間をほぼゼロにできます。

シーン側で整える3つのポイント

PC側のCoohomプロジェクトで、AR共有前に次の3点を整えておきます。

  • 家具の向き:玄関や入り口を基準に、家具の正面が自然な方向を向いているか確認
  • スケール:実寸(メートル単位)で配置されているか、特にカスタムモデルは要確認
  • 接地点:床にめり込んだり浮いたりしている家具は、配置のたびにARで違和感が出るため底面基準で揃える

カスタムモデルを使っている場合は、底面と原点が一致していないとAR配置時に床から数十センチ浮くケースが頻発します。スケール調整や接地点調整の基本はCoohomカスタム3Dモデル取込7手順|OBJ/FBX実務ガイドで扱っています。

なお、AR書き出しフォーマットはCoohom側でARKit向けのUSDZ、ARCore向けのGLTF/GLBへ自動変換されるため、ユーザー側で個別にエクスポート形式を切り替える必要はありません(Coohom公式 How to Create 3D Models for AR)。

モバイル端末側の準備

施主や現場でAR表示する直前に、端末側で次を確認します。

  • OSとブラウザを最新版に更新(古いiOSではAR表示が起動しない例あり)
  • カメラとモーションセンサーへのアクセス権限を許可
  • 室内の照度を確保(暗いと平面検出に失敗しやすい)
  • 床に十分にフラットな範囲を確保(カーペットや段差は検出精度を下げる)

実務では、施主宅へ訪問する前に自社オフィスで一度同じシーンをARテスト表示しておくと、当日の事故を防げます。

Coohom ARで家具を配置する5ステップ

事前準備が整ったら、現場での操作はシンプルです。前提として、施主側のスマートフォンにもCoohom公式アプリがインストール済みであることが必要です(Coohom公式 Augmented Reality Furniture Placement)。2026年4月現在のUIに沿って5ステップで整理します。

  1. PCのCoohomで対象プロジェクトを開き、「共有」からプロジェクト共有URLまたはQRコードを発行する
  2. 施主または自分のCoohomアプリで共有URLを開き(QRはアプリ内カメラまたは端末カメラから読み取り)、該当プロジェクトをロードする
  3. プロジェクト画面のARモードを起動し、カメラを床に向けてゆっくり動かして平面検出のグリッド表示を待つ
  4. 家具をタップして配置し、ピンチで縮尺確認、ドラッグで位置調整、長押しで回転
  5. 必要に応じて「寸法表示」をオンにし、壁や開口部までのクリアランスを実測値で確認

実務では、ステップ5の寸法確認をARで現場に持ち込めることが、Coohom導入の費用対効果を最も伝えやすいポイントとして位置付けられています。図面上の数値を施主が読めなくても、ARなら「壁との隙間がこれくらい」が直感で伝わります。なおアプリのメニュー名・アイコン位置は更新頻度が高いため、2026年4月現在の画面用語として読み替えてください。

施主プレゼン・現場確認でのCoohom AR使い分け

Coohom ARは、誰のためにどの段階で使うかで操作のコツが変わります。施主同席プレゼンと、自社内の現地寸法チェックで分けて整理します。

施主同席プレゼンでの操作のコツ

施主の前でARを操作するときは、次の流れが安定します。

  • 最初に360度パノラマで部屋全体の空気感を見せ、施主の心をつかむ
  • 続いて単品家具ARで、注目したいソファやダイニングテーブル1点に絞る
  • 寸法表示は必要なときだけオン(常時表示は情報量が多く混乱を招く)

施主にスマートフォンを渡す場合、最初の平面検出だけは設計者側で済ませてから手渡すとスムーズです。検出に手間取ると体験価値が一気に下がります。

引き渡し前の現地寸法チェック

自社内の用途では、引き渡し前の現地で「家具搬入時に動線を確保できるか」をARで先回り確認できます。実務では次の順で当てると効率的です。

  • ソファ・ベッドなど大型家具を仮配置し、ドア開口幅と比較
  • 既存設備(コンセント・スイッチ・エアコン)との干渉をARで確認
  • 通路幅60〜80cmを下回る箇所がないかを寸法表示の目安として実測

紙の図面で見落としがちな干渉が、AR上ではほぼ一目でわかります。

Coohom ARで頻発するトラブルと対処

Coohom ARの現場運用で頻発するトラブルは、平面検出失敗・家具の浮き埋まり・共有リンク不通の3つにほぼ集約されます。事前に手当を知っておけば、施主の前でも落ち着いて対応できます。

平面が検出されないとき

照度不足、テクスチャの乏しい床(白い無地のフローリングなど)、カメラを動かす速度が速すぎる、の3つが主因です。室内照明をすべて点け、床に1枚だけ模様のあるラグや書類を置いてカメラをゆっくり水平に動かすと検出が通ります。

家具が床から浮く・埋まる

シーン側の接地点ズレが原因です。PCのCoohomプロジェクトに戻り、対象家具を床面基準で再配置してから共有リンクを再発行します。カスタムインポートしたモデルでは特に発生しやすいため、登録時に底面と原点を一致させておくのが根本対策です。

共有リンク・QRが開かない

施主端末のOSが古い、社内ネットワークがCoohomのドメインを遮断している、QRコードの解像度が低い、のいずれかがほとんどです。ブラウザ更新、別回線(モバイル通信)への切替、QRをPNG画像で書き出して再発行、の順で切り分けます。

まとめ:CoohomのARを提案フローに組み込む3要点

Coohom ARは、画像納品で止まりがちな提案フローを、現場で合意形成する段階まで押し上げる機能です。2026年4月現在、要点は次の3つに集約されます。

  • 事前準備で勝負が決まります。シーンの向き・スケール・接地点と、モバイル側のOS・カメラ権限・照度を必ず確認します
  • 5ステップの操作(共有発行・URL起動・平面検出・配置調整・寸法表示)を、施主訪問前に必ず一度リハーサルしておきます
  • 用途別に使い分けます。施主プレゼンはパノラマと単品ARの組み合わせ、現地確認は寸法表示を中心に据えると効果的です

なお、この記事は国際版Coohomと日本からの利用を前提としています。中国本土版の酷家乐(Kujiale)はメニュー名やブランド(VR全景側は「KoolVR」等)に差分があるため、本土版を利用する場合は公式ドキュメントで読み替えてください。

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この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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