リフォーム会社のためのCoohomビフォーアフター提案|現況採寸から比較資料まで

リフォーム提案の現場では、同じ間取り変更プランを説明しても、図面だけで伝えるのと、現況の3Dと完成後の3Dを並べて見せるのとでは、施主の反応がまったく変わります。Coohom(クーホム)は、この「ビフォーとアフターを対で見せる」プレゼンを、ブラウザだけで完結できる3Dインテリアデザインクラウドです。

この記事では、Coohom リフォーム提案の実務フローを、現況調査からビフォー3D構築、アフター3D作成、比較資料化、見積・契約への接続までを最初から最後までで整理します。新築提案とは前提条件が異なる既存住宅ならではのクセを踏まえて、2026年4月現在の運用手順を解説していきます。

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目次

リフォーム提案におけるCoohomの立ち位置

リフォーム営業の難しさは、施主が「今の家」と「これからの家」を頭の中で同時に想像しないといけない点にあります。Coohomは、その想像作業を3Dに肩代わりさせるツールとして機能します。

リフォーム営業が抱える「伝わらない」という構造課題

平面図とカラー見本だけで「壁をここで抜いて、キッチンをこちらへ動かします」と説明しても、初めてリフォームを検討する施主にはなかなか像を結びません。結果、提案内容そのものではなく、金額の大きさだけが印象に残ってしまう場面が増えます。

現況写真に赤線で変更箇所を描き入れる従来型の補助資料は、変更点は伝わっても「完成後の暮らし」までは届きません。立体感、光の入り方、家具との取り合いといった要素が、平面では表現しきれないのです。

ビフォー3D×アフター3Dが生む意思決定スピード

Coohomでビフォー3Dとアフター3Dを同一カメラアングルで並べた瞬間、施主の反応は明らかに変わります。「確かに広くなる」「窓の位置がこうなるなら明るそう」といった具体的な感想が出始め、打合せの主語が金額から暮らしへ移っていきます。

実務では、ビフォーアフター3Dを提案資料に組み込んだリフォーム会社で、初回プレゼンから契約までの打合せ回数が減ったという報告が目立ちます。意思決定スピードが上がれば、営業1人あたりの年間受注件数にも効いてきます。

現況調査:ビフォー3Dを起こすための採寸と記録

新築提案ならゼロから描き始められますが、リフォーム提案はまず「今ある建物」を3D化する工程が前段にあります。ここを省力化できるかが、Coohom リフォーム運用の定着を左右します。

既存図面の取り込み:JPG/PNG/PDF/DWG/DXFをAIで平面図化

2026年4月現在、Coohomの「AI Floor Planner」は、既存の平面図画像(JPG/PNG)やPDF、CAD形式(DWG/DXF)をアップロードするだけで、壁・ドア・窓をAIが自動認識し、編集可能な2D平面図へ変換できます(出典:Free AI Floor Planner – Coohom)。

既存図面が手元にあるリフォーム案件では、この経路を使うと手入力の工数が大幅に減ります。スケール確定の実務としては、300DPIで取り込み、既知の1寸法(たとえば玄関ドアの開口幅など)をアンカーにしてスケールを合わせる方法が安定します。

LiDAR・Matterportスキャンの使い所

既存図面がない、または図面の信頼性が低い場合は、3Dスキャンから起こす経路が選択肢になります。Matterportなどの3Dスキャンデータは、Coohomで2D平面図へ変換する最適化フローが公式に整備されており、スキャン品質が高ければ数mm単位の精度も可能です(出典:Optimize Matterport Scans for Accurate 2D Floor Plans – Coohom3D Scan Floor Plan Overview – Coohom)。

iPhone ProやiPad ProのLiDARスキャンであれば、部屋全体のおおよその寸法と開口位置を数分で取得できます。ただしスマホLiDARの寸法精度は±2〜5cm程度に留まるため、キッチンや浴室など寸法がシビアな箇所はレーザー距離計での実測を併用する運用が現実的です。

スキャンを使うか手採寸で済ませるかの決め手は、住戸面積と案件規模です。50平米超の全面リノベや大規模案件はスキャン経由、部分リフォームは手採寸で足ります。

現地採寸シートの設計

手採寸が中心になるケースでは、最低限押さえる項目が決まっています。各部屋の内法寸法、天井高、開口部(窓・ドア)の幅と高さ・床からの立ち上がり、壁厚、梁の位置と下端高さ、設備機器の位置です。マンションリノベなら加えてパイプスペース(PS)と排水経路、戸建てなら柱位置と筋交いの有無も記録しておきます。

採寸シートはA4一枚で1部屋を収める形式がおすすめです。現地で書き込みやすく、事務所に持ち帰ってからCoohom入力する際にも読み間違いが起きにくくなります。

加えて各部屋で360°写真を1枚ずつ押さえておくと、事務所でCoohom入力する際に「ここの梁はどう回り込んでいたか」といった疑問をその場で解消できます。既存図面・スキャン・手採寸+360°写真の3経路を案件に応じて使い分けるのが、2026年4月現在の現実解です。

築年数別にハマりやすい現況のクセ

昭和築の木造戸建ては、壁芯と見えがかり寸法のずれが大きく、部屋ごとに床レベルが違うケースもあります。平成以降のマンションは比較的寸法が素直ですが、二重床・二重天井で実寸より狭い内法になっている点に注意が必要です。

築古物件ほど「図面通りになっていない」前提で採寸に時間をかけておくと、アフタープラン作成時の手戻りを防げます。

Coohomでビフォー3Dを構築する

採寸データを持ち帰ったら、Coohom上でビフォー3Dを起こします。ここでの完成度が、アフターとの比較インパクトを左右します。

採寸データをCoohomに入力する順序

推奨する入力順序は、外壁ラインを先に確定し、内部の間仕切りを後から引く流れです。外壁の内法が決まれば面積の基準が固まるため、内部の壁位置の誤差が目立ちにくくなります。天井高を部屋ごとに設定し、梁は箱型オブジェクトで位置と下端高さを再現します。

開口部は窓とドアを標準寸法から近いサイズを選び、位置と高さを調整する手順が速く収まります。完全一致にこだわらず、施主の「確かにうちの家だ」という認識が取れる精度を目標にすれば十分です。

既存建具・既存キッチン・既存浴室の再現度

ビフォー3Dの目的は、アフターとの対比で変化を伝えることです。既存設備を完璧に再現する必要はなく、むしろ「少し古びた印象」「以前からの生活感」を匂わせる程度に留めた方が、アフターの刷新感が引き立ちます。

既存キッチンは形状とおおよそのサイズが合っていれば十分、既存浴室はユニットバスか在来かが分かる程度の再現で構いません。Coohomのライブラリにあるシンプルな既存設備モデルを流用する運用が、作業時間と伝達効率のバランスを取りやすい落としどころです。

「リアルすぎず、伝わる程度」を狙う仕上げ基準

ビフォー3Dの作り込みに時間を使いすぎると、提案全体の工数が膨らみます。おおむね1住戸あたり半日〜1日で仕上げる水準を基準にすると、受注前の営業工数としてバランスが取れます。

アフター3Dと間取り変更プランの作成

ビフォー3Dが固まったら、プロジェクトを複製してアフターの編集に移ります。ビフォーとアフターで別プロジェクトにしておくと、比較画像書き出しの際にカメラ位置を揃えやすくなります。

間取り変更:壁抜き・水回り移動の見せ方

LDKの壁を抜いて一体化する、和室を洋室へ変えるといった間取り変更は、アフター3Dのいちばんの見せ場です。壁を抜いた先の抜け感、窓から入る光の届き方、家具を置いたときの動線といった要素を、家具配置まで含めて描き込みます。

水回りの移動は配管経路の制約が大きいため、Coohom上で壁や床を抜いた位置と、実際の工事範囲が一致しているかを必ず確認してください。提案時の3Dと着工後の実工事がずれると、施主の信頼を損ねます。

水回り一新:キッチン・浴室・洗面の新規ライブラリ活用

キッチン・浴室・洗面の一新提案では、Coohomの水回りライブラリから採用候補の商品を選んで配置します。主要メーカーの汎用モデルはCoohom標準で揃っていますが、自社標準採用品を登録しておくと提案速度が上がります。カスタムモデルの取り込み手順はCoohomカスタム3Dモデル取込7手順|OBJ/FBX実務ガイドで詳しく整理しています。

グレード違いで複数パターン用意しておけば、打合せ中に「ひとつ上のグレードならこう見えます」とその場で切り替えて見せられます。

内装刷新:クロス・フローリング・建具の差し替え

内装刷新は、床・壁・天井のテクスチャ変更が中心です。Coohomはマテリアルの差し替えが即座に反映されるため、クロスのカラーバリエーションやフローリングの樹種違いを打合せ中に切り替えて提示できます。

施主が迷いやすい「明るめの床か落ち着いた床か」といった選択も、3Dで並べて見せれば即断につながります。

AIで複数スタイルを一括生成して打合せで即比較する使い方

2026年4月現在、CoohomのAI Home Designerは、同じ間取りに対して複数のインテリアスタイル(モダン・北欧・和モダン等)を短時間で一括生成できます(出典:Home Remodeling Software – Coohom)。中国版の酷家乐では、毛坯房写真・手描きスケッチ・既存户型图の3入力から短時間で複数スタイル案を提示する運用が定着しており、打合せの場で顧客と即比較する流れが主流です。

国内でも、打合せの前に1スタイルだけ作り込んで提示するのではなく、3〜4スタイルを同時に見せて「どの方向性が好みか」を先に合意形成する使い方が、意思決定の高速化に効きます。

ビフォーアフター比較資料の作り方

Coohom リフォーム提案のいちばんの武器が、ビフォーアフター比較資料です。作り方には型があり、型を守ると説得力が安定します。

同一カメラアングルでの並置が基本

比較資料の鉄則は、ビフォーとアフターを同じカメラ位置・同じ画角で書き出し、左右または上下に並べることです。視点がずれると「何が変わったのか」を施主が自分で見比べる作業が発生し、インパクトが弱まります。

Coohomではカメラアングルを保存できるため、ビフォープロジェクトで設定したカメラと同一座標をアフタープロジェクトに移植する運用が有効です。リビング、キッチン、水回り、玄関の主要4〜6アングルを標準セットにすると、案件ごとの作業が定型化します。

見積金額との整合性を取る資料構成

比較画像1枚ごとに、その変更に対応する見積項目と金額を添えるレイアウトが効果的です。「この抜け感を出すための壁撤去:◯◯万円」「このキッチンへの変更:◯◯万円」と対応づけると、施主の「なぜこの金額なのか」が視覚的に解消されます。

レンダリング解像度は、印刷配布ならHD〜2K、画面上でのプレゼンなら4Kまでが実務の目安です。解像度とクレジット消費の関係はCoohom レンダリング設定完全ガイド|HD〜16K解像度とクレジット最適化で整理しています。

施主が迷う「ここまでやる/やらない」の境界線を視覚化

リフォームでは「ここまで手を入れる/入れない」の線引きが常に論点になります。フル施工版と部分施工版のアフター3Dを2パターン用意して並べると、施主が予算配分を自分で判断しやすくなります。

スライダー比較・VRウォークスルーで体験型の提示に切り替える

静止画の並置は印刷配布には向きますが、対面打合せやオンライン提案では、スプリットビュー/スライダーで境界線を左右に動かせるUIのほうが刺さります。Coohomは2026年4月現在、VRウォークスルー機能でビフォーとアフターを同一視点で歩き回れる提示が可能で、施主が「この位置から見るとこう変わる」を自分の視点で体験できます(出典:Home Remodeling Software – Coohom)。

編集部では、静止画での並置を基本形としつつ、高単価案件や意思決定が慎重な施主にはVRウォークスルーを追加提示する二段構えが、提案の説得力とコストのバランスを取りやすいと見ています。

リフォーム案件別の運用パターン

Coohom リフォームは、案件規模によって作り込みの深さを変えるのが定着のコツです。

部分リフォーム(水回りのみ・内装のみ)

水回り交換のみ、内装の貼り替えのみといった部分リフォームでは、ビフォー3Dを簡略化し、当該エリアのみ3D化する運用で十分です。全住戸の3D化にこだわると費用対効果が崩れます。対象エリアをトリミングして3Dで見せ、周辺は既存写真で代替する構成が現実解です。

スケルトンリフォーム・大規模リノベ

スケルトンリフォームは、既存躯体のみ残して間取りを一から引き直す案件です。ビフォーは現況の3D、アフターは新規プランの3Dを完全に作り込みます。提案金額も大きく、打合せ回数も多いため、Coohomでの作り込み工数が見合う領域です。

マンションリノベ特有の制約

マンションリノベでは、PS位置、梁下端高さ、共用部境界(サッシ・玄関ドア)を動かせません。ビフォー3Dの段階でこれらを赤色オブジェクトで明示しておくと、アフタープランの検討時に触れない箇所がひと目で分かります。

実務では、赤オブジェクトをビフォー3Dに仕込む運用を社内標準化したマンション専門リノベ会社で、設計やり直しの工数が減ったという報告が目立ちます。

見積・契約への接続

比較資料ができたら、見積・契約へなめらかに接続します。

比較資料と見積書の紐付け方

比較画像ごとに見積項目番号を振り、見積書側にも同じ番号を記載します。施主が「この画像に対応する金額はどれか」を自分で追えるようにしておくと、検討段階での質問が減り、契約までの時間が短縮されます。

追加変更工事の「その場で見せる」対応

契約後、工事中に「やっぱりここも」という追加要望が出るのはリフォームの宿命です。Coohom上で変更箇所を反映し、追加工事の見積と一緒に3Dを提示する運用にしておくと、施主が「本当に必要か」をその場で判断できます。言った言わないのトラブルも減ります。

工事中の変更要望への対応フロー

現場監督・営業・設計が同じCoohomプロジェクトを共有していれば、現場から変更要望の連絡が入ったときに、その場で3Dを更新して全員が同じ画面を見られます。クラウド型の強みが最も効いてくる場面です。

リスト出力・書き出しの利用可否はプラン依存

Coohomの見積項目リスト出力や図面書き出しといった連動機能は、プランやバージョンによって利用可能範囲が変わります(2026年4月現在)。契約中のプランで何が書き出せるかを事前に確認しておき、書き出せない項目は手作業でExcel等に転記する前提を社内手順に織り込んでおくと、提案直前に慌てずに済みます。

まとめ|リフォーム提案を「比較で売る」体制へ

Coohom リフォーム活用のポイントは、「ビフォーとアフターを同じ目線で並べて見せる」体制づくりに尽きます。2026年4月現在の要点を3行で再確認します。

  • 現況調査は既存図面のAI取り込み・3Dスキャン・手採寸の3経路を案件規模で使い分ける
  • ビフォー3Dは作り込みすぎず、アフターとの対比が引き立つ粒度に留める
  • 比較資料は同一カメラアングルでの並置に加え、スライダーやVRウォークスルーで体験型の提示も用意する

リフォーム提案は、新築提案と違い「今ある家」からスタートする分、施主の想像負荷が大きい領域です。その負荷をCoohomで肩代わりできれば、打合せ回数の圧縮と契約単価の向上が同時に狙えます。

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CONTENTS

3 LESSONS


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基礎編② 画面構成と基本的な操作方法

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実践編① 太陽光の入る白い部屋

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この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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