Jw_cadにPDF・画像を貼り付ける方法|実務で使える6つの手順

2026年1月にJw_cad Version 10.02.1がリリースされましたが、PDFの直接読み込みには依然として対応していません。改修案件で受け取った既存図面PDF、敷地調査の現場写真、メーカーカタログの製品図など、外部のPDFや画像を図面に取り込みたい場面は日常的に発生します。画像形式も標準ではBMPのみという制約がありますが、適切なツールとプラグインを組み合わせれば、実務で困ることはありません。

この記事を読むと、PDFの種類(ベクタ/ラスタ)や目的に応じた6つの貼り付け方法と、ファイル受け渡し時に見落としがちな注意点を一通り確認できます。

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目次

Jw_cadはPDFを直接取り込めない(変換が必要な理由)

取り込みたいPDFが「ベクタ」か「ラスタ」かで、選ぶべき方法がまったく変わります。この判別が最初の分岐点です。

Jw_cadが読み込める形式の整理

Jw_cadで開けるCADデータ形式はJWW、JWC、DXF、SFC(SXF)、P21の5種類です。PDFは入力対象に含まれていません。

画像については、標準対応はBMP(ビットマップ)形式のみです。実務で多用されるJPEGやPNGは、後述するSusieプラグインを導入しなければ読み込めません。つまりPDFをJw_cadに取り込むには、「CADデータ(JWW/DXF)に変換して開く」か「画像(BMP/JPEG)に変換して貼り付ける」かの二択になります。

ベクタPDFとラスタPDFの見分け方

お手元のPDFはどちらのタイプでしょうか。PDFには大きく分けて2つの種類があり、取り込み方法が異なります。

ベクタPDFは、CADソフトやIllustratorから直接出力されたPDFです。内部に線・円・文字などの座標データを持っているため、拡大しても線がくっきり表示されます。JWW形式やDXF形式に変換でき、Jw_cad上で線の編集が可能です。

ラスタPDFは、紙図面をスキャナで取り込んで生成されたPDFです。内部はピクセル(画像データ)で構成されており、拡大するとドットが目立ちます。CADデータへの自動変換は精度が低く、画像として貼り付ける方法が現実的です。

判別はシンプルです。PDFを200%以上に拡大表示してみてください。線がくっきり保たれていればベクタ、ギザギザになればラスタです。

PDFをJw_cadに取り込む3つの方法

ベクタPDFなら編集可能なCADデータに変換でき、ラスタPDFなら画像として貼り付けるのが現実解です。以下の表で自分の状況に合った方法を確認してください。

方法対応するPDF編集可否コスト向いている場面
PDF to JWW(フリーソフト)ベクタのみ○(線・文字を編集可能)無料既存図面PDFの修正・流用
DARE(オンライン変換)ベクタのみ無料(1日1回)/月1,980円〜出先PCでの急ぎの変換
画像化してBMP/JPEGで貼付ベクタ・ラスタ両方x(画像として固定)無料トレース下図・参考資料の配置

PDF to JWWでJWW変換する(編集可能な取り込み)

ベクタPDFの線データをそのままJWW形式に変換するなら、フリーソフト「PDF to JWW」(ver.1.50)が定番です。

手順は4ステップで完了します。

  1. PDF2JWW.exeを起動する
  2. 左上の「フォルダ」ボタンで対象PDFを選択する
  3. 「変換」ボタンで変換を実行する
  4. 同じフォルダに生成されたJWWファイルをJw_cadで開く

変換エラーが出る場合は、GhostScriptをインストールした上で「GS経由変換」を選択すると解決するケースが多いです。2026年2月にはPDF to JWW Converter(v1.3.0)もリリースされ、DXF変換にも対応しています。

注意点として、ハッチパターンや特殊フォントは変換時に崩れやすいため、変換直後に目視で確認してください。改修案件でオーナーから受領したCAD出力PDFをJWWに変換し、そのまま改修図面のベースとして使う場面で活用できます。ラスタPDFはこの方法では変換できません。

出典: PDF to JWW(farchi.jp)PDF to JWW Converter(junkbulk.com)

オンライン変換サービスDAREを使う

ソフトをインストールできない出先のPCや、急ぎで1ファイルだけ変換したいときに役立つのがDAREです。ブラウザ上でPDFをアップロードするだけでJWW形式に変換でき、インストール作業が要りません。

無料版は1日1回、1ファイル1MBまでの制限があります。変換頻度が高い場合は、DARE Plus(月1,980円)またはDARE Unlimited(月2,530円)の有料プランが用意されています(2026年4月時点の料金)。

ベクタPDFの変換に対応しており、ラスタPDFの精度は期待できません。ただし関連サービスの「DARE Scanner」ではラスタ図面をベクタ化する機能も提供されています。

出典: DARE公式サイト

PDFを画像化してBMP/JPEGで貼り付ける(ラスタPDF対応)

ラスタPDFや、トレースの下図として敷きたいだけの場合は、画像変換が確実です。

WindowsのSnipping ToolでPDFの必要な範囲をキャプチャし、ペイント等でBMPまたはJPEGとして保存します。Adobe Acrobat ReaderやCubePDF Utilityなど、PDF閲覧ソフトの「画像として保存」機能を使えば、ページ全体を指定の解像度で書き出すことも可能です。

印刷前提の図面に配置するなら、解像度は300dpi以上を指定してください。スクリーンキャプチャ(72〜96dpi)で取得した画像をA3図面に配置すると、印刷時にピクセルが目立ちます。PDF閲覧ソフトの画像出力機能なら解像度を数値で指定できます。

この方法はベクタ/ラスタどちらのPDFにも使えますが、取り込んだ画像はJw_cad上で線の編集ができない点は理解しておきましょう。

Jw_cadに画像を貼り付ける手順

画像を図面に配置するには「画像編集コマンド」を使います。Susieプラグインを追加すれば、BMPだけでなくJPEGやPNGも直接読み込めます。

画像編集コマンドで画像を挿入する

メニューバーの「編集」から「画像編集」を選択すると、コントロールバーに画像編集用のボタンが表示されます。左端の「画像挿入」ボタンをクリックし、ファイル選択ダイアログで貼り付けたい画像を選んでください。作図画面上の配置したい位置で左クリックすれば完了です。

別の方法として、「作図」メニューの「文字」コマンドから「文読」ボタンをクリックする手順もあります。ファイルの種類を「Bitmap」に変更して画像ファイルを選択すると、同様に挿入できます。

画像のサイズはコントロールバーで倍率を数値指定するか、「画像フィット」機能で調整します。画像フィットでは、画像内の指定範囲を別の長方形範囲にサイズ合わせできます。縦横比は維持されるため歪みの心配はありません。

敷地調査で撮った現場写真をA3図面の余白に配置して施工会社に共有したり、メーカーカタログPDFから切り出した製品図を配置図に重ねたりする場面でこの操作を使います。

Susieプラグインを導入してJPEG・PNGに対応する

実務で現場写真(JPEG)を扱うなら、Susieプラグインの導入はほぼ必須です。標準のBMPのみの制約が解消され、JPEG、PNG、GIF、TIFFを直接貼り付けられるようになります。

導入は3ステップで完了します。

  1. TORO氏の「WIC Susie Plug-in」をダウンロードする(Vector配布ページ
  2. ZIPを解凍し、「iftwic.spi」ファイルをJw_cadのインストールフォルダ(通常はC:JWW)にコピーする
  3. Jw_cadを再起動する

再起動後、画像挿入ダイアログの「ファイルの種類」にJPEGやPNGが追加されていれば成功です。

iftwic.spiの配置先はJw_cadの実行ファイル(JWW.exe)と同じフォルダである必要があります。デスクトップや別のフォルダに置いても認識されないため注意してください。

出典: WIC Susie Plug-in(Vector)

貼り付けた画像の編集と同梱

画像を配置したら、同梱まで完了させて初めて「渡せるファイル」になります。トリミング・移動・同梱の3操作を押さえておきましょう。

トリミングと移動で位置を調整する

不要な余白を取り除くにはトリミング機能を使います。コントロールバーの「トリミング」にチェックを入れ、対象画像をクリックしてください。残したい範囲の始点と終点をそれぞれクリックすると、範囲外が除去されます。

位置の微調整は「移動」で行います。コントロールバーの「移動」にチェックを入れ、対象画像をクリック後、移動先をクリックするだけです。左クリックで任意点、右クリックで読取点にスナップします。

「画像フィット」は、現場写真の建物部分だけを切り出して図面上の所定枠にぴったり収めたい場面で便利です。画像内の指定範囲を次に指定する長方形範囲にフィットさせ、縦横比を維持したままサイズを変更します。

画像同梱を忘れると相手に画像が表示されない

Jw_cadに貼り付けた画像は、標準では「画像ファイルの参照パス」だけがJWWに保存されます。JWWファイルを施工会社や検査機関に渡したとき、相手のPCに元画像がなければ画像は表示されません。

フォーラムや実務解説でも「送った図面の画像が消えていると指摘された」という報告は少なくありません。これを防ぐのが画像同梱です。

手順は「編集」>「画像編集」>コントロールバーの「画像同梱」ボタンをクリック>確認ダイアログで「OK」を押すだけです。同梱後は画像データがJWWファイルに内包され、どのPCで開いても表示されます。

ただし同梱するとファイルサイズが増加します。解像度の高い画像を多数貼り付けた図面では、JWWファイルが数十MBに膨れることもあるため、メール添付時にはサイズ確認が必要です。ファイルを外部に渡す際は、保存前の画像同梱をルーティンにしてください。

実務でよくある活用場面と画像品質の注意点

PDF・画像の貼り付けは「どの場面でどう使うか」を把握しておくと作業効率が変わります。

建築実務での4つの活用シーン

最も多いのは既存図面PDFのトレース下図としての利用です。改修案件でオーナーから受け取った竣工図面のPDFを画像化し、Jw_cadの背景に敷いてトレースします。ベクタPDFならPDF to JWWでJWW変換すればトレース作業そのものが不要になる場合もあり、まずPDFの種類を確認する価値があります。

現場写真の配置も日常的です。敷地調査や工事記録の写真をJPEGのまま図面に貼り付けて施工会社と共有する手順は、Susieプラグインがあればスムーズに進みます。

そのほか、確認申請の添付資料として既存図面PDFを配置する場面や、メーカーカタログPDFから製品図を切り出して詳細図に重ねる場面でも、この記事の手順が活きてきます。

画像解像度と印刷品質のバランス

画面上では問題なく見えても、印刷すると粗くなることはないでしょうか。原因は画像の解像度不足です。

スクリーンキャプチャで取得した画像は通常72〜96dpiです。A3サイズに拡大印刷するとピクセルが目立ちます。印刷前提なら、PDF閲覧ソフトの画像出力機能で300dpi以上を指定して書き出してください。

ファイルサイズとのバランスも考慮しましょう。300dpiのBMP画像はサイズが大きくなりがちですが、Susieプラグイン導入後はJPEG形式で保存すればファイルサイズを10分の1程度に圧縮できます。印刷品質と軽量化の両立にはJPEGが実用的です。

まとめ

Jw_cadにPDFや画像を貼り付ける方法は、PDFの種類と目的に応じて使い分けることがポイントです。

ベクタPDFを編集可能な状態で取り込みたい場合は、PDF to JWW(フリーソフト)またはDAREでJWW形式に変換してください。ラスタPDFやトレース下図として敷きたい場合は、PDFを300dpi以上の画像に変換してから画像編集コマンドで貼り付ける方法が確実です。

JPEG・PNGの画像を直接貼り付けるには、Susieプラグイン(iftwic.spi)をJw_cadのインストールフォルダに配置してください。現場写真を扱う実務者には導入を強く推奨します。

ファイルを外部に渡す際は、保存前に画像同梱を実行して「画像が表示されない」トラブルを防いでください。

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