Jw_cadクロックメニュー完全ガイド|12方向×左右クリックで作図速度を上げる

Jw_cadの操作感が他のCADと決定的に違うのが、マウスを長押しドラッグするだけで12方向の機能が呼び出せるクロックメニュー(PERS)です。右クリック・左クリックのどちらを押したままドラッグしたかで別メニューが出るため、うまく使いこなせば片手だけで属性変更や基点取得が完結します。

一方、独学者からは「誤動作で線が消えた」「12方向を覚えられない」「そもそも無効化したい」という声が絶えません。メニューバー操作に慣れた人ほど最初のハードルを感じやすい機能でもあります。

この記事を読むと、Jw_cadクロックメニューの仕組みとAM/PMの違い、12時方向から11時方向までの操作一覧、実務活用シーン、カスタマイズ方法までを通しで確認できます(2026年4月現在、最新版はVersion 10.02.1)。

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目次

Jw_cadのクロックメニューとは|右クリック長押しで出る12方向ジェスチャ

クロックメニューは、マウスボタンを押したまま時計の文字盤方向へドラッグすると、その方向に割り当てられた機能が呼び出される独自ジェスチャです。メニューバーまでカーソルを動かさずに済むため、作図の手が止まりません。

PERSの由来と「時計型メニュー」の発想

クロックメニューは正式には「PERS(Pers-key)」と呼ばれ、Jw_cad独特のマウス操作体系として設計されました。画面上のカーソル位置を中心に時計の文字盤が仮想的に配置されており、12時・3時・6時・9時などの方向に機能が割り当てられています。

Jw_cadは元々MS-DOS時代の操作感を受け継ぐCADで、キーボードに手を伸ばさずマウスだけで作図を完結させる思想が根底にあります。クロックメニューはその思想を体現した中核機能です。

メニューバー操作との速度差(クロック/メニュー/ショートカット)

同じ「線色変更」を3通りの経路で実行すると、所要動作の数に明確な差が出ます。

操作経路動作手順カーソル移動
メニューバー「属性」メニュー→線色選択→クリック3回+長距離
ショートカットキーボードの対応キー押下手の移動あり
クロックメニュー右ドラッグ→方向指定1動作+短距離

メニューバーは目的地まで画面を横断するため、連続作業では時間の無駄が積み重なります。クロックメニューはカーソル位置から数十ピクセル動かすだけで完結するため、1時間単位で見るとかなりの時間短縮につながります。

操作に必要な3つの前提(感度・基点・マウス)

クロックメニューを快適に使うには、感度設定・基点の意識・マウス選択の3点が整っている必要があります。

  • 感度設定:基本設定の「一般(1)」タブでAM/PMの有効化と反応距離を確認する
  • 基点の意識:ドラッグの始点がクロックの中心になるため、要素上か空白かで挙動が変わる
  • マウス選択:ホイール付き3ボタンマウスが前提、タッチパッドではドラッグ判定が取りにくい

実務では、安価な3ボタンマウスへ替えるだけで誤動作がほぼ消えるケースもあります。

AMとPMの使い分け|左クリックと右クリックで別メニューが出る

Jw_cadのクロックメニューは、左ボタンを押したままドラッグすると「AMメニュー」、右ボタンを押したままドラッグすると「PMメニュー」という別々のメニュー体系が出ます。左右で役割が切り分けられている点を押さえれば、記憶の負担がぐっと減ります。

左ドラッグ=AMメニュー/右ドラッグ=PMメニュー

AMとPMは時計の午前・午後になぞらえた呼称で、左右どちらのボタンを押したかで呼び出されるメニューセットが変わります。

ボタン呼称中心的な役割
左ボタン長押しドラッグAMメニュー文字記入・属性変更・線色切替など編集系
右ボタン長押しドラッグPMメニュー読取点指定・中心点取得・属性取得など選択・取得系

ボタンを離したときのカーソル位置にあった機能が実行されるため、方向を見誤ると意図しない動作が走ります。

AM・PMの役割分担(編集系と読取/選択系)

AMは「これから何かを描く/変える」ときの編集系、PMは「既存要素の情報を取る/参照する」ときの読取系に寄せて覚えるのが実務的です。

たとえば寸法を書く流れでは、PMで端点を読取→AMで文字記入、といった交互運用になります。編集と取得を左右の手がかりで分けるこの発想は、AutoCAD系のコマンド入力とは異なる作図リズムを生みます。

「どちらで出したか」を間違えやすい3ケース

実務中につい迷うのは次の3ケースです。

  • 連続作業中の切替:線を引いた直後に属性取得しようとして左ボタンのままドラッグしてしまう
  • ズーム直後:両ボタンドラッグのズームと混同し、PMのつもりが両ボタン反応になる
  • 要素上の微妙な位置:読取点の近くで基点が取れず、クロックが出ずに終わる

どれも「いま自分は編集したいのか、取得したいのか」を言語化しながら使うと、ミスが減ります。

12時方向〜11時方向の操作一覧|AM/PM別の完全マップ

AMとPMにそれぞれ12方向が割り当てられており、合計24通りの操作がマウスドラッグだけで呼び出せます。すべてを一度に覚える必要はなく、使用頻度が高い方向から順に定着させるのが現実的です。

AMメニュー(左ドラッグ)12項目の一覧表

AMメニューは編集・文字・属性変更などの作図操作が中心です。代表的な割り当てを以下にまとめます(2026年4月現在、Version 10.02.1のデフォルト設定)。

方向AMメニュー主な用途
12時文字文字記入モードへ切替
1時線色変更選択色へ切替
2時線種変更実線/破線などの切替
3時【 】寸法寸法記入モード
4時中心線中心線作図
5時2線2線平行作図
6時矩形矩形作図
7時複線複線作図
8時コーナーコーナー処理
9時伸縮線の伸縮
10時包絡包絡処理
11時範囲範囲選択

設定ファイルやバージョンで微差が出るため、自分の環境の「基本設定」でメニュー割り当てを確認しておくのが安全です。

PMメニュー(右ドラッグ)12項目の一覧表

PMメニューは読取・取得・補助操作が中心です。

方向PMメニュー主な用途
12時文字位置・集計文字関連操作
1時数値入力数値指定
2時線上点・交点交点取得
3時鉛直・円周点鉛直点・円周点取得
4時式計算電卓的な計算
5時中心点・A点中心点取得
6時戻る直前操作の取消
7時進む取消の再実行
8時属性取得既存要素の属性を取る
9時オフセット基準からのオフセット
10時複写・コピー複写モード
11時線・矩形線モード

PMの6時「戻る」と7時「進む」は頻用する割当で、Undo/Redoがマウスだけで完結するため作業の停止が起きにくくなります。

実務で使用頻度が高い5つの方向

24項目すべてを覚えるより、頻出5方向を体に染み込ませるほうが効率的です。

  1. PM 8時(属性取得):既存線の線色・線種を一発で持ってこられる
  2. AM 1時(線色変更):描きながら色を切り替える場面で多用
  3. PM 6時(戻る):キーボードのCtrl+Zに頼らず左手を自由にできる
  4. AM 12時(文字):寸法・注記作業で最頻出
  5. PM 5時(中心点):円・矩形の中心取得で作図精度が上がる

この5つが自動化されるだけで、作図速度が目に見えて変わります。

実務での活用シーン|作図スピードが上がる典型3ケース

クロックメニューの真価は、単発操作ではなく「連続作業での無意識化」にあります。実務で差が出やすい3シーンを紹介します。

寸法記入時の「文字・線色・線種」を片手で切替

寸法線を描く作業は、線を引く→文字を入れる→線色を調整する、の反復です。この反復をクロックメニューだけで回すと、キーボードに手を置いたままマウス側で完結します。

具体的には、寸法線を引いた直後にAM 1時で線色を切替、AM 12時で文字モードへ移り、そのまま寸法値を入力する流れになります。右手をマウスに置いたままリズムが崩れないため、長時間作業でも疲労が溜まりにくい構造です。

連続線を描きながら「属性取得」で既存要素に合わせる

既存図面に追加で線を描くとき、相手の線色・線種に合わせないと納品時に差し戻されます。PM 8時の「属性取得」をクロックで呼び出し、一瞬で既存線に揃えるのが定石です。

実務では、他人が描いた図面を引き継ぐ案件で属性取得の頻度が跳ね上がります。メニューバー経由では5秒かかる操作がPMドラッグなら1秒で済むため、1日数十回の取得作業で累計の時間差が大きく開きます。

コピー・移動時の基準点取得を1ドラッグで済ませる

複写や移動では「基準点をどこに置くか」で精度が決まります。PM 2時の交点取得やPM 5時の中心点取得をクロックで呼び出せば、基準点選択が1動作で終わります。

この操作をメニュー経由で行うと、基点指定モードに入るまで2〜3クリックかかるため、連続複写の案件では累計時間に大きな差が生じます。

カスタマイズと誤動作対策|基本設定(1)タブで自分仕様に整える

クロックメニューは「合わない人は切る」「感度を自分に合わせる」の両方がコントロール可能です。基本設定を調整するだけで、誤動作の大半は抑え込めます。

クロックメニュー有効/無効とAM/PMの切替

「設定」メニュー→「基本設定」→「一般(1)」タブで、クロックメニューの有効/無効とAM/PM個別切替が行えます。

チェック項目効果
クロックメニューを使用する全体オン/オフ
AM左ドラッグ側のみオン/オフ
PM右ドラッグ側のみオン/オフ

誤動作が気になる段階では、片方だけ有効にして段階的に慣らす運用も実務的です。たとえばPMだけ有効化し、読取系の操作だけクロック化する方法はよく使われます。

反応距離・待機時間の調整で誤爆を減らす

同タブで「クロックメニュー開始の待ち時間」と「感度(ドラッグ距離)」が変更できます。

  • 待ち時間:数値を大きくすると、短いクリックがクロック扱いにならない
  • 感度(ドラッグ距離):数値を大きくすると、意図しない微小ドラッグでメニューが出ない

誤爆に悩む段階では、待ち時間と距離の両方を標準より大きめに設定するのが安全です。慣れるに従い、徐々に値を戻して反応の速さを取り戻していきます。

覚え方のコツと段階的に使える方向を増やすロードマップ

24方向を一気に覚える必要はなく、Jw_cad関連のフォーラムや実務者の解説でも段階的な習得が共通して薦められています。

  1. 第1段階(1週間):PM 6時(戻る)/PM 8時(属性取得)の2方向だけ体に入れる
  2. 第2段階(2〜3週間):AM 12時(文字)/AM 1時(線色)を追加し、4方向で運用
  3. 第3段階(1〜2カ月):実務で使用頻度が高い5方向を無意識に出せる状態へ
  4. 第4段階:残りの方向をその都度必要に応じて覚える

最初から全部を暗記しようとすると挫折しやすい機能なので、頻度順に積む戦略が現実的です。

クロックメニューとショートカットキー・メニューバーの使い分け

Jw_cadの操作手段は、クロックメニュー・ショートカットキー・メニューバーの3系統があります。目的と局面に応じて使い分けるのがプロの運用です。

3系統の操作手段とそれぞれの得意領域

手段得意領域苦手領域
クロックメニュー連続作図中の属性切替・基点取得まれにしか使わない機能の暗記
ショートカットキー頻出コマンドの一発起動キーボードから手を離したい場面
メニューバー設定変更・稀用機能連続作業での速度

3系統は競合ではなく補完関係にあり、熟練者ほど局面ごとに切り替えています。ショートカットキーの詳細はJw_cadショートカットキー一覧【保存版】にまとめています。

初学者の習得順序(メニューバー→ショートカット→クロック)

初学者がいきなりクロックから入ると、誤動作で挫折しやすい傾向があります。推奨する習得順は次の3段階です。

  1. メニューバー:まず機能の全体像を目で把握する(最初の1〜2週間)
  2. ショートカットキー:頻用コマンドをキーボードに覚えさせる(次の数週間)
  3. クロックメニュー:作業の「手」を速くする仕上げ段階(1カ月以降)

この順で進めると、各手段の強みを腹落ちさせた上でクロックに着地できるため、習得後の定着率が高くなります。

実務者のハイブリッド運用例

中小設計事務所の実務者が実際に使う運用例を挙げると、次のような組み合わせが典型です。

  • ファイル操作(保存・印刷)はショートカット(Ctrl+S、Ctrl+Pなど)
  • 頻用の描画コマンド(線・矩形・複線)はショートカット
  • 属性取得・基点取得・Undo/Redoはクロックメニュー(PM側)
  • 設定変更や基本設定へのアクセスはメニューバー

3系統の分担を自分の作業パターンに当てはめると、無駄な動作が削られていきます。

まとめ:クロックメニューはJw_cadの速さを決める入口

Jw_cadクロックメニューは、独特な操作体系であると同時に、使いこなせば作図速度を大きく速くする中核機能です。要点を確認します。

  • クロックメニューは右クリック・左クリック長押しドラッグで12方向の機能を呼び出すJw_cad独自のジェスチャで、PERSとも呼ばれます
  • 左ボタン=AM(編集系)、右ボタン=PM(読取・取得系)という役割分担を押さえれば記憶の負担が減ります
  • 24方向すべてを覚える必要はなく、PM 8時・AM 1時・PM 6時・AM 12時・PM 5時の5方向を優先的に体に入れるのが近道です
  • 誤動作は基本設定(1)タブの待ち時間と感度で抑え込めます。無効化したい場合はAM/PM個別にオフも可能です
  • クロックメニュー・ショートカット・メニューバーの3系統を補完関係として使い分けるのが実務者のハイブリッド運用です

クロックメニュー攻略はJw_cad習得のボトルネックになりやすい箇所です。基本操作の全体像から押さえたい場合はJW_cad基本操作ガイド、ショートカットキーとの併用で速度を上げたい場合はJw_cadショートカットキー一覧【保存版】で続きの学習に進めます。

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