Jw_cadレイヤ・線種・線色の使い方完全解説

Jw_cadのレイヤは「レイヤグループ16 × レイヤ16 = 256」という独特の二層構造で管理されます。線種は8種、線色は9色に区分され、さらに画面表示用と印刷出力用が別設定になっているのが特徴です。このレイヤ・線種・線色の関係を最初に押さえておかないと、図面が整理できないまま実務に入ることになり、修正に弱い図面を量産してしまいます。Version 10.02.1(2026年1月リリース)(2026年4月現在)でもレイヤ・線種・線色の基本構造は従来と同じであり、一度押さえれば長く使える知識になります。

この記事を読むと、Jw_cadの256レイヤ体系、線種8種と線色9色の使い分け、画面表示と印刷線幅との関係、CAD製図基準との接続までを順番に確認できます。

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目次

Jw_cadのレイヤ・線種・線色の全体像

Jw_cadのレイヤは「グループ16 × レイヤ16 = 256」の二層構造で、線種8種・線色9色は画面表示と印刷出力で別々に管理されます。この3つの枠組みを最初に理解しておくと、以降の操作が一気に整理できます。

レイヤグループとレイヤの二層構造

Jw_cadは「レイヤグループ」と「レイヤ」の二層でオブジェクトを分類します。レイヤグループは0〜Fの16個、各レイヤグループにはさらに0〜Fの16個のレイヤが含まれます。掛け算で合計256レイヤという計算です。

16進数(0〜9、A〜F)で番号を表記するのはJw_cadの独特な仕様で、他のCADソフトから移行してきた方は最初に戸惑うポイントでしょう。画面下のステータスバーには、書込レイヤグループと書込レイヤがそれぞれ表示されています。

レイヤグループは図面全体の大枠(例: 平面図・立面図・設備図)、レイヤはその中の要素分類(例: 通り芯・躯体・建具)に使うのが基本形です。1つのJWWファイルに複数の図面を配置できるのは、この二層構造の恩恵といえます。

線種8種と線色9色の基本一覧

Jw_cadで標準搭載されている線種は、以下の8種類です。

線種用途の目安
実線躯体・建具・寸法線の本体
点線1隠れ線(見え隠れ)
点線2ピッチの短い破線
点線3さらに細かい破線
一点鎖線1通り芯・中心線
一点鎖線2ピッチの細かい中心線
二点鎖線1想像線・隣地境界線
二点鎖線2ピッチの細かい想像線

線色は線色1〜8の8色に補助線色を加えた計9色です。補助線色は印刷されない作図補助用の色で、下書きや基準線として使います。

画面表示と印刷出力が別設定である仕組み

Jw_cadで最も混乱を招くのが、画面表示の色と印刷出力の線幅・線色が別設定になっている点です。画面上は「線色1は赤、線色2は緑」と色で区別しますが、印刷時には「線色1は0.18mm、線色2は0.25mm」といった線幅に変換されます。

画面で太く見えるからといって印刷も太くなるわけではありません。この切り分けを理解していないと、きれいに描いたつもりの図面が印刷すると線の太さが一律になっていて判読できない、というトラブルが起こります。

レイヤとレイヤグループの使い方

レイヤバーとレイヤグループバーは画面右端に並んでおり、左クリックで書込対象の指定、右クリックで表示/非表示の切替という役割分担になっています。この使い分けを最初に覚えるのが上達の早道です。

レイヤバー・レイヤグループバーの操作

画面右側のツールバー上部にレイヤグループバー、その下にレイヤバーがあります。各バーには0〜Fの16個のボタンが並んでおり、それぞれがレイヤグループ・レイヤに対応しています。

操作の基本は次のとおりです。

  • 左クリック: そのレイヤ(またはレイヤグループ)を書込対象に指定
  • 右クリック: 表示/非表示・編集可能/不可の状態を切替
  • 右クリック長押し: レイヤ一覧ダイアログを開く

書込対象のレイヤは赤い枠で囲まれて表示されます。非表示のレイヤはボタンが暗く、編集不可(表示のみ)のレイヤは薄く表示されるなど、状態が視覚的に区別できる設計です。

書込レイヤの指定と一覧表示・レイヤ名の命名

レイヤバーを右クリック長押しすると「レイヤ一覧」ダイアログが開き、各レイヤに登録されているオブジェクトがサムネイル表示されます。ここでレイヤ名の変更や、レイヤ間でのオブジェクト移動ができます。

レイヤ名は「0: 通り芯」「1: 躯体」のように番号とコロン、名称で命名するのが実務での慣例です。命名規則をファイル内で統一しておくと、レイヤ一覧ダイアログで全体を見渡したときに整理できます。

書込レイヤを切り替える頻度は高いので、レイヤバーをショートカットから直接操作できるようになると作図速度が上がります。

レイヤ分けの基本パターン

建築の意匠図では、以下のようなレイヤ分けが一般的です。

レイヤ番号用途
0通り芯・中心線
1躯体(柱・壁)
2建具(サッシ・ドア)
3家具・設備
4寸法線
5文字・注記
6ハッチング・塗り
7図面枠・タイトル

この型はあくまで一例です。事務所ごとに標準レイヤルールが定められていることが多く、案件を受けたら最初に確認する必要があります。在宅副業や派遣案件では、発注元のレイヤルールに合わせてデータを整備するのが基本マナーになります。

レイヤ分けを丁寧にすると、修正時にレイヤ単位で一括変更できる図面になります。これが「修正に強い図面」の土台で、事務所内での戦力化や在宅案件の継続受注につながります。

線種・線色を使い分けるコツ

線種と線色は、図面種別と対象物ごとに使い分けの型が決まっています。一度型を覚えてしまえば、どの線種・線色を選ぶかで迷う時間が激減します。

線種8種の用途

線種は対象物の「種別」を表現するために使います。建築図面での典型的な使い分けは次のとおりです。

  • 実線: 目に見える躯体・建具・寸法線など、図面上の主役
  • 点線1〜3: 見え隠れ線(隠れ線)。断面より奥にある要素を表現
  • 一点鎖線1〜2: 通り芯・中心線・基準線
  • 二点鎖線1〜2: 想像線・隣地境界線・切断線

住宅の平面図では、通り芯を一点鎖線1、壁芯より奥の隠れ線を点線1で描くのが標準的です。線種の種別を図面内で混在させると情報が読み取りにくくなるため、1つの線種につき1つの用途に割り当てるのが原則です。

線色9色と画面表示上の意味

線色1〜8は画面上で以下のように色分けされます(標準設定)。

線色画面色(標準)
線色1水色
線色2
線色3
線色4
線色5
線色6
線色7
線色8白(濃灰)
補助線色水色系(印刷されない)

補助線色は「印刷対象外」という重要な性質を持っています。作図中の補助線や基準線を補助線色で描いておけば、印刷時に自動的に除外され、余計な線が紙面に出ることを防げます。

画面色はユーザーが自由に変更できます。暗い背景で白い線色8を見やすくしたい、特定の線色だけ目立たせたいといった場面では、「基本設定」→「色・画面」タブで個別にカスタマイズできます。

ユーザー線種・ランダム線の扱い

標準8線種で足りない場合、Jw_cadでは独自の線種パターンをユーザー線種として登録できます。たとえば電気設備記号の専用線や、特殊な破線パターンを定義するのに使います。

また、自然な手描き風の線を表現する「ランダム線」も用意されています。仕上げ表やプレゼン図面で線にゆらぎを持たせたいときに選択できる機能ですが、実務では標準線種だけで足りるケースが多くなります。

印刷線幅と線色の関係

画面上の線色は、印刷時に線幅へ変換されます。ここがJw_cad最大のハマりどころであり、最初に理解しておけば印刷トラブルの大半を回避できる要所です。

「基本設定」→「色・画面」で印刷線幅を指定する

線幅の設定は「設定」→「基本設定」→「色・画面」タブで行います。ダイアログの右側に「プリンタ出力要素」という欄があり、線色1〜8それぞれに対して印刷時の線幅を1/100mm単位で指定します。

たとえばプリンタ出力要素の線色1を「18」に設定すると、印刷時に0.18mm幅の線として出力されます。値を「50」にすれば0.5mm、「100」にすれば1mmです。画面表示の線色(色)と、印刷時の線幅は完全に独立して管理されます。

設定を反映させるには、ダイアログ下部の「OK」をクリックしてから印刷を実行します。この設定は図面ファイルごとに保存されるため、事務所標準の線幅ルールを決めたら、テンプレートファイルに反映させておくと毎回の設定作業が省けます。

線色ごとに推奨線幅を設定する考え方

建築図面で標準的に使われる線幅の組み合わせは、以下のとおりです。

線色推奨線幅用途の目安
線色10.13mm補助線・ハッチング
線色20.18mm寸法線・引出線
線色30.25mm建具・家具
線色40.35mm壁・開口
線色50.5mm躯体(柱・主要壁)
線色60.7mm図面枠・輪郭
線色70.25mm文字用
線色80.18mm予備

この組み合わせはあくまで一例で、事務所ごとに異なります。躯体線を太く、補助線を細くするという基本方針は共通しますが、線色の割当てはチーム内でルール化しておく必要があります。

カラー印刷と白黒印刷の切り替え

印刷コマンドを実行するとコントロールバーに「カラー印刷」チェックボックスが表示されます。チェックを入れるとカラー、外すと白黒(グレースケール)で出力されます。

カラー印刷の場合、線色ごとに印刷色を個別指定できます。「基本設定」→「色・画面」タブのプリンタ出力要素にある「線色1〜8」ボタンを左クリックすると、色選択ダイアログが開き、印刷時の色を自由に設定できる仕組みです。

意匠図を白黒で、設備図や色分けが必要な図面だけカラーで、といった使い分けが一般的です。印刷の全般的な手順はJw_cad印刷・PDF出力の完全手順で解説しています。

CAD製図基準・電子納品とレイヤ運用

公共工事の電子納品ではCAD製図基準のレイヤ命名規則に従う必要があり、Jw_cadの256レイヤ体系をこの規則にマッピングする実務ノウハウが求められます。

CAD製図基準のレイヤ名体系

国土交通省のCAD製図基準(2026年4月現在の最新版は平成29年3月版)では、レイヤ名を「責任主体-図面オブジェクト-属性」の3階層で命名するルールが定められています。例: S-STR-WALL(構造/躯体/壁)のような形です(出典: 国土交通省 電子納品に関する要領・基準、2026年4月確認)。

Jw_cadでSXF(p21)形式に出力する際は、このレイヤ命名規則に沿ってレイヤ名を調整する必要があります。Jw_cadのデフォルトの「0: 通り芯」「1: 躯体」といった命名のままでは、電子納品の検査でエラーになります。

Jw_cadのレイヤ運用をCAD製図基準に合わせる

電子納品案件を受注した時点でCAD製図基準対応のレイヤテンプレートを用意しておき、そこにJw_cadのレイヤを割り当てていくのが定石です。Jw_cad関連のフォーラムや実務者の解説では、公共工事の電子納品対応で「作業用レイヤ」と「納品用レイヤ」を分けて運用している事務所が多いと指摘されています。

詳細な手順と崩れ対策はJw_cadのSXF/p21形式(電子納品)対応で解説しています。Jw_cadのデータ連携全般を俯瞰したい場合はJW_cadデータ連携ガイドを参照してください。

レイヤ・線種・線色でつまずかないためのチェックリスト

日々の作図で起きやすいレイヤ・線種・線色関連のトラブルは、以下の5項目を確認することで大半を防げます。

#チェック項目確認方法
1書込レイヤが意図したレイヤになっているか画面右上のレイヤバーの赤枠位置
2線種・線色が図面内で統一されているかレイヤ一覧ダイアログで視覚確認
3プリンタ出力要素の線幅が設定されているか「設定」→「基本設定」→「色・画面」
4補助線色が印刷対象外になっているか印刷プレビューで補助線が表示されない
5電子納品案件ならレイヤ名がCAD製図基準に準拠しているかSXFブラウザで出力後にチェック

実務では書込レイヤを間違えて別レイヤにオブジェクトが混入するトラブルが最も多く起きます。作図の節目でレイヤバーをざっと確認する習慣が、修正コストを大きく減らす近道になります。

まとめ

Jw_cadのレイヤ・線種・線色は、256レイヤ体系・線種8種・線色9色・印刷線幅の4要素を押さえれば実務で困ることはありません。Version 10.02.1(2026年4月現在)でも基本構造は従来と同じで、一度習得すれば長く使える知識です。

画面上の線色と印刷時の線幅が別管理である点を最初に理解しておくと、印刷トラブルの大半を未然に防げます。事務所内やチーム内でのレイヤルール統一も、修正に強い図面を継続的に作るための前提条件になります。

レイヤ・線種・線色の基本を押さえたら、次は実際の印刷手順や電子納品対応に目を向けてみてください。印刷の流れはJw_cad印刷・PDF出力の完全手順、電子納品の対応はJw_cadのSXF/p21形式(電子納品)対応で続きの学習に進めます。

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基礎編② 画面構成と基本的な操作方法

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