ComfyUI Portable版を手動インストールする始め方(Windows)

ComfyUI Portable版は、zipファイル(圧縮ファイル)を展開するだけで動くWindows専用のパッケージです。Python(プログラミング言語。ComfyUIの動作基盤だが、ユーザーが直接触ることはない)を別途インストールする必要がなく、初めてComfyUIを触る方でも手軽に導入できます。フォルダごとコピーすれば別のPCでもそのまま動くため、自宅と職場で同じ環境を使いたいときにも便利です。

この記事では、ComfyUI Portable版のダウンロードから起動確認、ComfyUI Manager(カスタムノードの追加・管理を助ける拡張機能)の追加、フォルダ構成の理解まで、一連のインストール手順をまとめています。

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目次

ComfyUI Portable版とは

ComfyUI Portable版は、ComfyUI本体と動作に必要なPython環境を1つのzipにまとめたパッケージです。イメージとしては、「USBメモリに入れて持ち歩けるアプリ」と同じです。Windowsの「プログラムの追加と削除」に登録されず、レジストリ(Windowsの設定情報を保管するデータベース)も変更しません。不要になったらフォルダを丸ごと削除するだけで、PCに何も残りません。

Desktop版との大きな違いは「持ち運びやすさ」と「更新の早さ」です。Portable版はフォルダをUSBメモリや外付けSSDにコピーするだけで、別のWindows PCでもそのまま起動できます。さらに、ComfyUI本体の更新がそのまま反映されるので、新しく出たAIモデルやカスタムノード(追加機能のパーツ)をDesktop版より早く試せます。

一方、Desktop版はインストーラーを実行するだけでセットアップが完了し、ComfyUI Managerも最初から入っています。どちらを選ぶか迷ったときは、ComfyUI Desktop vs Portable vs Colab 完全比較|環境の選び方で各方式のメリットを確認してみてください。

インストール前に確認すること

ComfyUI Portable版は他の導入方法と違い、あらかじめ動作環境が組み込まれているのが大きな特徴です。ここではインストール前に押さえておきたい同梱内容と、追加で確認しておきたい項目を順に整理します。

同梱されている環境

ComfyUI Portable版には、動作に必要なPythonとPyTorch(AIの計算に使うライブラリ)があらかじめ同梱されています。2026年4月現在の配布版は、Python 3.12とPyTorch CUDA 12.6(GPU計算を高速化する技術)の組み合わせが標準です(公式Docs:https://docs.comfy.org/installation/comfyui_portable_windows)。

つまり、Portable版をダウンロードして展開するだけで、画像生成に必要なソフト一式が手に入ります。事前にPythonやライブラリを自分でインストールする手間はありません。

必要なスペック

ComfyUI Portable版を快適に動かすには、NVIDIA製のGPU(グラフィックボード)を搭載したWindows PCが必要です。VRAM(GPUに搭載されている専用メモリ)の目安は、SD1.5系(標準的な画像生成モデル)なら4GB以上、SDXL(高解像度対応モデル)やFlux系(最新世代の高品質モデル)を扱うなら8GB以上です(2026年4月現在)。

ストレージはComfyUI本体だけで約2.5GB(2026年4月現在)を使います。モデルファイル(数GB〜十数GBの大きさがある)を含めると最低でも20GB程度の空きを確保しておくと安心です。

NVIDIA GPUがない場合でも、CPU動作用のバッチファイル(run_cpu.bat)が同梱されています。ただしCPUだけでは画像1枚の生成に数分〜十数分かかるため、操作感の確認用と考えてください。

RTX 50シリーズ(Blackwell世代)を使う場合、標準同梱のCUDA 12.6では起動しないケースが報告されています。CUDA 13.0系または12.8対応のPyTorchへの差し替えが必要になる場合があるため、詳しくは公式Discussion(https://github.com/Comfy-Org/ComfyUI/discussions/6980)を確認してください。

Git(バージョン管理ツール)のインストール

ComfyUI Managerやカスタムノードを導入する際に、Git(ファイルの変更履歴を管理するツール。ここではダウンロード用のコマンドを実行するために使う)が必要です。Portable本体の起動だけが目的なら、この手順は後回しで構いません。

まだインストールしていない場合は、公式サイト(https://git-scm.com/)からWindows版をダウンロードしてセットアップしてください。インストール時の設定はすべてデフォルトのままで問題ありません。

ComfyUI Portable版のダウンロードと展開

Portable版はダウンロードと展開の2ステップで使い始められる手軽さが魅力です。ここでは公式GitHubからのダウンロード手順から、zipの展開、配置場所の決め方までを一つずつ見ていきます。

GitHubリリースページからダウンロード

ComfyUI Portable版は、公式GitHubリポジトリ(ソースコードの公開・配布サイト)のリリースページで配布されています(2026年4月現在)。イメージとしては、アプリの公式ダウンロードページのようなものです。

ダウンロード手順は以下のとおりです。

  1. ComfyUI公式GitHubリポジトリ(https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI/releases)にアクセスします
  2. 最新リリースの「Assets」セクションを開きます
  3. 「ComfyUI_windows_portable」を含むzipファイルをクリックしてダウンロードします

GPUの世代によって選ぶファイルが異なります。NVIDIA RTX 20シリーズ以降であればCUDA 12.8版、GTX 10シリーズなど古めのGPUを使っている場合はCUDA 12.6版を選んでください。自分のGPUの世代がわからない場合は、「タスクマネージャー→パフォーマンス→GPU」で表示されるGPU名で判断できます。

zipファイルの展開

ダウンロードしたファイルは、7-Zipなどの解凍ソフトで展開します。配布ファイルは7z形式(高圧縮の圧縮形式)のことが多く、Windows標準の解凍機能では展開に失敗するケースが報告されています(2026年4月現在)。7-Zipをまだ持っていない場合は、公式サイト(https://www.7-zip.org/)から無料で導入できます。

フォルダの配置場所

展開すると「ComfyUI_windows_portable」というフォルダが生成されます。このフォルダはCドライブ直下や任意のドライブに配置して構いません。

ただし、配置パスに日本語や全角文字が含まれるとエラーの原因になります。たとえば「C:ユーザーデスクトップComfyUI」のようなパスは避けてください。「C:ComfyUI_windows_portable」のように、半角英数字だけのパスに置くのがおすすめです。

ComfyUI Portable版の起動と動作確認

展開が完了したら、あとは起動してブラウザで動作を確認するだけです。ここでは用意されたバッチファイルでの起動方法から、ブラウザでのアクセス、つまずいたときの対処法までを順に紹介します。

バッチファイルで起動する

展開したフォルダの直下には「run_nvidia_gpu.bat」と「run_cpu.bat」の2つの起動用ファイルがあります。イメージとしては、ソフトのショートカットアイコンのようなものです。

NVIDIA GPUを搭載しているPCでは、必ず「run_nvidia_gpu.bat」を使います。run_cpu.batはGPUがない環境での動作確認用で、GPU版と比べて生成速度が数十倍遅くなるため常用には向きません。

run_nvidia_gpu.batをダブルクリックすると、コマンドプロンプト(Windowsの黒い画面)が開いてComfyUIが起動します。初回起動時はPyTorchの初期化に少し時間がかかる場合があります。

コマンドプロンプトに「To see the GUI go to: http://127.0.0.1:8188」と表示されたら、準備完了のサインです。

ブラウザでアクセスする

Webブラウザのアドレスバーに「http://127.0.0.1:8188」と入力してアクセスします。ComfyUIのノードエディタ(処理のパーツをつなぎ合わせて画像生成の手順を組む画面)が表示されれば、インストールは成功です。最近のバージョンではブラウザが自動で開く場合もあります。

起動しないときの対処

ComfyUIが起動しない場合、まずNVIDIAのGPUドライバー(GPUを動かすためのソフト)を最新版に更新してみてください。ドライバーはNVIDIA公式サイト(https://www.nvidia.co.jp/Download/index.aspx)からダウンロードできます。ドライバーの更新だけで解消する場合がほとんどです。

RTX 50シリーズ(Blackwell世代)で起動しない、または生成時にCUDA関連のエラーが出る場合は、Portable同梱のPyTorch(CUDA 12.6)がGPUに対応していない可能性があります。2026年4月現在、Blackwell世代はCUDA 13.0系または12.8対応のPyTorchが必要で、差し替え手順がComfy-Org公式Discussion(https://github.com/Comfy-Org/ComfyUI/discussions/6980)で共有されています。

それ以外で解決しない場合は、コマンドプロンプトに表示されるエラーメッセージを確認してください。エラーメッセージをそのままGoogle検索すると、同じ問題に遭遇した人の解決策が見つかることが多いです。

ComfyUI Managerの手動インストール

ComfyUI Managerは、カスタムノードの検索やインストールをボタン操作で行える拡張機能です。イメージとしては、スマートフォンのアプリストアのようなものです。Portable版には初期状態で含まれていないため、手動で追加します。

Managerがあると、「顔を細かく補正したい」「画像の解像度を上げたい」といったときに、必要な機能をワンクリックで導入できます。Portable版を使うなら、最初にManagerを入れておくのがおすすめです。

custom_nodesフォルダへ移動する

エクスプローラーで「ComfyUI_windows_portable > ComfyUI > custom_nodes」フォルダを開きます。アドレスバーに「cmd」と入力してEnterキーを押すと、そのフォルダを起点にコマンドプロンプトが開きます。

git cloneコマンドを実行する

開いたコマンドプロンプトで、以下のコマンドを入力します。

git clone https://github.com/Comfy-Org/ComfyUI-Manager

数十秒でダウンロードが完了します。custom_nodesフォルダの中に「ComfyUI-Manager」というフォルダが作成されていれば成功です。

ComfyUIを再起動して確認する

コマンドプロンプトでComfyUIを一度終了(Ctrl+Cを押す)してから、再度run_nvidia_gpu.batで起動します。画面右下のフローティングパネルに「Manager」ボタンが表示されていれば、導入完了です。

カスタムノードの探し方や管理のコツについては、ComfyUI カスタムノード・拡張ガイドで詳しく解説しています。

フォルダ構成の解説

ComfyUI Portable版のフォルダ構成を理解しておくと、モデルの追加やトラブル対応がしやすくなります。イメージとしては、「どの引き出しに何を入れるか」を知っておくようなものです。主要なフォルダは以下のとおりです(2026年4月現在)。

フォルダ 役割
ComfyUI/models/checkpoints/ チェックポイントモデル(画像生成の中核となるデータファイル)を配置
ComfyUI/models/loras/ LoRA(特定の画風やスタイルを追加学習させた軽量モデル)を配置
ComfyUI/models/controlnet/ ControlNet(構図やポーズを指定して画像生成を制御するモデル)を配置
ComfyUI/models/clip/ または text_encoders/ CLIP(テキストと画像の意味を結びつけるモデル)を配置
ComfyUI/models/vae/ VAE(画像の色味やディテールを調整するモデル)を配置
ComfyUI/models/diffusion_models/ Flux等の新世代モデル本体を配置
ComfyUI/custom_nodes/ カスタムノード(追加機能のパーツ)のインストール先
ComfyUI/input/ img2img(既存画像をもとに別の画像を生成する手法)で使う入力画像の置き場
ComfyUI/output/ 生成した画像の保存先
python_embeded/ ComfyUI同梱のPython環境(直接編集しない)
update/ 本体・依存関係の更新用ファイルを格納

モデルファイルはHugging Face(AIモデルの共有サイト)やCivitai(コミュニティ主導のモデル共有サイト)からダウンロードし、対応するフォルダに配置します。models/checkpoints/にチェックポイントモデル、models/loras/にLoRAモデル、という形で分けておくと管理しやすくなります。

updateフォルダで本体を更新する

Portable版の更新は、update/フォルダ内のバッチファイル(.bat)から行います。本体のみを更新したい場合は update_comfyui.bat、Pythonの依存パッケージも含めてまとめて更新したい場合は update_comfyui_and_python_dependencies.bat を実行します(ComfyUI Wiki:https://comfyui-wiki.com/en/interface/files)。

カスタムノードを多く入れている環境では、依存パッケージ込みの更新でライブラリ同士が衝突するケースがあります。まず本体のみの更新から試して、問題がなければ依存パッケージの更新に進むのが安全です。

カスタムノードの手動インストール方法

ComfyUI Managerを使わずにカスタムノードを追加したい場合や、Managerに登録されていないノードを導入したい場合は、git cloneコマンドで直接インストールできます。

手順は以下のとおりです。

  1. custom_nodesフォルダでコマンドプロンプトを開きます
  2. 追加したいカスタムノードのGitHubページでURLを確認します
  3. git clone [リポジトリURL] を実行します

一部のカスタムノードは追加のPythonパッケージ(ライブラリ)を必要とします。その場合は、ComfyUI同梱のPython環境を使ってインストールします。ComfyUI_windows_portableフォルダの直下でコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行します(公式Docs:https://docs.comfy.org/development/core-concepts/custom-nodes)。

python_embededpython.exe -m pip install -r ComfyUIcustom_nodes<ノード名>requirements.txt

<ノード名> は、導入したカスタムノードのフォルダ名に置き換えてください。ここで重要なのは、PC本体にインストールされているPythonではなく、Portable版に同梱されている python_embededpython.exe を使うことです。別のPythonを使うと、Portable版の環境とずれてしまい、エラーの原因になります。インストール後、ComfyUIを再起動するとノードが使えるようになります。

まとめ

ComfyUI Portable版のインストールは、zipファイルの展開とバッチファイルの実行だけで完了します。Python環境が同梱されているため、プログラミングの知識がなくても始められます。

フォルダをコピーするだけで別のPCに環境を移せる点と、最新機能がDesktop版より早く使える点が、Portable版ならではの強みです。一方で、ComfyUI Managerの自動搭載やワンクリックアップデートの便利さを重視するなら、ComfyUI Desktop版インストール完全ガイドのDesktop版も選択肢になります。

ComfyUIの全体像や他のセットアップ方法については、ComfyUI 導入・環境構築ガイドComfyUIとは?できること・始め方・学習ロードマップ完全ガイドで体系的にまとめています。

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CONTENTS

3 LESSONS


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基礎編② 画面構成と基本的な操作方法

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実践編① 太陽光の入る白い部屋

建築パースを1作品完成させるまでを体験


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この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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