ComfyUI Desktop vs Portable vs Colab 完全比較|環境の選び方

ComfyUI(AIで画像を生成できるツール)を使ってみたい。でも調べてみると「Desktop版」「Portable版」「Google Colab版」と3つの始め方が出てきて、どれを選べばいいかわからない。そんな方は少なくありません。

この3つは「同じソフトを、違う方法で動かしている」だけです。ただし、導入の手軽さやGPU(グラフィックボード。画像処理を高速にするパーツ)の要件がそれぞれ異なるため、自分の環境に合わない方法を選ぶと、セットアップで何時間もつまずくことがあります。

この記事では、3つの環境を9つのポイントで比較し、あなたに合った始め方を紹介します。

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目次

ComfyUIの3つの導入形態を理解する

まずは3つの違いを整理します。イメージとしては、Desktop版は「PCにインストールする通常のアプリ」、Portable版は「インストール不要でフォルダごと動かせるソフト」、Colab版は「ブラウザ上でクラウドのPCを借りて動かす方法」です。

Desktop版:一番簡単に始められる公式アプリ

Desktop版は、ComfyUIの開発チーム(Comfy Org)が公式に提供しているアプリケーションです。インストーラー(ソフトを導入するためのプログラム)をダブルクリックするだけで、必要なものがすべて自動で準備されます(2026年4月現在)。

なぜDesktop版が一番手軽かというと、通常ComfyUIを動かすにはPython(プログラミング言語)の環境を整えたり、関連ファイルを手動でダウンロードしたりする作業が必要です。Desktop版はそれらをインストーラーが裏側で済ませてくれるので、ユーザーが触るのはダブルクリック1回だけです。

対応しているのはWindowsとmacOSの2つ。Windows版ではNVIDIA製のGPUが必要です。ComfyUIの画像生成はGPUの計算力に頼る仕組みで、NVIDIAの「CUDA」という技術に最適化されているためです。AMD製のGPUでは動作しません。自分のPCにどのGPUが入っているかは、Windowsなら「タスクマネージャー→パフォーマンス→GPU」で確認できます。macOS版はApple Siliconチップ(M1/M2/M3など)に対応しています。

Desktop版にはComfyUI Manager(カスタムノードの追加・管理を助ける拡張機能)が最初から入っています。Managerがあると、新しい機能を追加したいときにワンクリックで導入できます。Portable版やColab版ではManagerを自分でインストールする手間がかかるので、はじめての人にとっては大きな差です。

起動も速く、SSD(高速なストレージ)を搭載したPCなら10秒もかかりません。Portable版の15〜20秒と比べると、毎日使ううえで体感差が出ます(参考: neurocanvas.net、2026年4月現在)。

はじめてComfyUIを使うなら、まずDesktop版を選んでおけば間違いありません。必要なものが自動で揃い、途中でエラーが出て手が止まるリスクが一番低い方法です。

Portable版:フォルダをコピーするだけで動くWindows専用版

Portable版は、zipファイル(圧縮ファイル)を展開するだけで使えるWindows専用の導入形態です。Pythonの環境もセットで入っているので、別途準備する必要はありません。

Portable版の最大のメリットは、最新機能がDesktop版より早く使えることです。Desktop版は安定性のテストを経てからリリースされますが、Portable版はComfyUI本体の更新がそのまま反映されます。新しく出たAIモデルをすぐに試したい人や、最新のカスタムノードを使いたい人には、この差が大きく効いてきます。

もうひとつの特徴は持ち運びのしやすさです。フォルダごとUSBメモリにコピーして別のPCで動かすこともできます。Desktop版はPCごとにインストールが必要なので、複数のPCで使いたい場合にはPortable版のほうが便利です。

ただし、ComfyUI Managerは自分で追加する必要があります。追加の手順自体は難しくありませんが、コマンドプロンプト(Windowsの黒い画面)でコマンドを実行する操作が発生します。こうした操作にある程度慣れている方向けの選択肢です。

Google Colab版:GPUがなくてもブラウザだけで動かせる

GPUを搭載していないPCでもComfyUIを試せるのがColab版です。Google Colab(Googleが提供するクラウド上のプログラム実行環境)を使い、ブラウザだけでComfyUIを動かします。

なぜGPUがなくても動くかというと、画像生成に必要な計算をGoogleのサーバー上のGPUが代わりに処理するからです。無料枠ではT4というGPUが割り当てられ、VRAM(GPU専用のメモリ。画像生成の処理中にデータを一時的に保管する領域)は約15GB。標準的な画像生成には十分な性能です。

ただし注意点が2つあります。

1つ目は、無料枠に週あたり15〜30 GPU時間という上限があることです。たとえば1日3時間使うと、5〜10日で枠を使い切る計算になります。枠がなくなるとGPUが割り当てられなくなり、翌週まで待つか有料プランに切り替える必要があります。

2つ目は、セッション(接続)が切れると環境がリセットされることです(参考: Stable Diffusion Art、2026年4月現在)。Desktop版やPortable版なら一度ダウンロードしたモデル(AIが画像を生成するために使うデータファイル。数GB〜十数GBになる)はPCに残りますが、Colab版はセッション終了で消えてしまいます。毎回起動するたびにモデルのダウンロードからやり直しになり、大きなモデルでは数十分かかることもあります。Google Drive(Googleのクラウドストレージ)にモデルを保存して毎回マウントする方法で軽減はできますが、手間は増えます。

継続的に使いたい場合は、Colab Pro(月額$9.99、2026年4月現在)の契約も選択肢になります。ProならGPUの割り当て枠が増え、より高性能なGPU(A100、VRAM最大80GB)が使えることもあります。

9つの比較軸で見るDesktop・Portable・Colabの違い

ここからは3つの環境を具体的に比較します。以下の一覧表で全体像をつかんだうえで、特に差が出るポイントを解説します(2026年4月現在)。

比較軸 Desktop版 Portable版 Google Colab版
OS対応 Windows / macOS Windowsのみ ブラウザがあればOSを問わない
GPU要件 NVIDIA必須(Win) / Apple Silicon(Mac) NVIDIA推奨 クラウド側GPU(自前不要)
インストール難易度 とても簡単(ダブルクリックだけ) 簡単(zip展開のみ) やや手間(Notebook操作が必要)
起動速度 約10秒 約15〜20秒 毎回数分のセットアップ
ComfyUI Manager 標準搭載 手動で追加が必要 手動でセットアップが必要
カスタムノード管理 Managerからワンクリック導入 Managerを追加すれば同等 毎セッション再インストール
モデルの保存 PCに保存されるので永続 PCに保存されるので永続 セッション終了でリセット
GPU性能 自分のPCに依存 自分のPCに依存 無料T4:約15GB / Pro:A100最大80GB
コスト 無料(GPU搭載PCが前提) 無料(GPU搭載PCが前提) 無料枠あり / Pro:月額$9.99

どの環境が合うかの判断基準

表を見ると、GPU搭載PCを持っていればDesktop版がほぼすべての面で優位です。Portable版やColab版が選択肢になるのは、以下のようなケースに限られます。

Portable版が合う人: 最新のAIモデルやカスタムノードが出たらすぐ試したい人、複数のPCで同じ環境を使いたい人。Desktop版は安定性のテストを経てからリリースされるため、最先端を追いかけたい場合にはPortable版のほうが向いています。

Colab版が合う人: GPUを搭載したPCを持っていない人、まずは初期投資なしで試してみたい人。ブラウザだけでComfyUIの操作感を体験できます。ただし、毎回のセットアップの手間やセッション時間の制限があるため、長期的にはGPU搭載PCの導入を視野に入れておくのが現実的です。

あなたに合う環境はどれ?選び方フローチャート

迷ったら、以下の順番で判断してみてください。

Q1: NVIDIA GPUを搭載したPCを持っていますか?

YES → Q2へ
NO → macOSでApple Silicon(M1/M2/M3)を搭載していますか?
 YES → Desktop版がおすすめ(Apple SiliconのGPU機能で動作します)
 NO → Google Colab版で始めましょう。操作感を試して、本格的に使いたくなったらGPU搭載PCの購入を検討

Q2: とにかく簡単に始めたいですか?

YES → Desktop版がおすすめ(ダブルクリックで完結、Managerも標準搭載)
NO → 最新機能をいち早く使いたい、環境を細かくカスタマイズしたいですか?
 YES → Portable版がおすすめ(本体更新が即座に反映される)
 NO → Desktop版がおすすめ

実務では、まずDesktop版で始めて、カスタマイズの必要性を感じたらPortable版に移行するパターンが多いです。Desktop版で基本操作を覚えてからPortable版に切り替えても、モデルやカスタムノードはフォルダをコピーするだけで引き継げます。

GPU非搭載のノートPCしかない方は、Colab無料枠でComfyUIの操作感を確かめるところから始めてみてください。「本格的に使い込みたい」と感じたら、ComfyUIに必要なPCスペック|VRAM・メモリの目安を整理を参考にPC購入を検討するのが現実的な流れです。

GPUなしで本格的な運用を視野に入れる場合は、Comfy Cloud(公式ベータ)やRunComfy、RunningHubといったクラウドサービスも選択肢になります(2026年4月現在)。ただし、まずはこの記事で扱った3環境から選べば十分です。

各記事で前提としている環境について

ComfyUI 導入・環境構築ガイドにまとめている個別ガイドは、Desktop版またはPortable版を前提に解説しています。どちらの環境でも操作手順はほぼ同じなので、両方のユーザーがそのまま読み進められます。

Colab版で操作が異なる箇所は、各記事の中で「Colabの場合」として補足を入れています。Colab固有のセットアップ手順はGoogle ColabでComfyUIを使う方法|ローカルPCなしで建築AIを試すにまとめていますので、Colabで始める方はあわせて確認してください。

まとめ

ComfyUIの3つの導入形態には、それぞれ明確な向き不向きがあります。

Desktop版は、ダブルクリックだけで始められる一番手軽な環境です。ComfyUI Managerが標準搭載されていて必要なものが自動で揃うため、はじめての人に最も適しています。途中でエラーが出て手が止まるリスクも一番低い方法です。

Portable版は、Windows限定ですが最新機能への対応が一番早い環境です。ComfyUI本体の更新がそのまま反映されるため、新しいAIモデルやノードをすぐに試したい人に向いています。フォルダごとコピーして複数のPCで使える自由さもあります。

Colab版は、GPUがないPCでもブラウザだけで試せるのが最大の強みです。ただし、セッションが切れるたびに環境がリセットされるため、毎回モデルのダウンロードからやり直しになります。操作感を試す目的で使い、本格的な運用はPC環境を整えてから移行するのがおすすめです。

GPU搭載PCをお持ちならDesktop版を選んでおけば間違いありません。GPUがない場合はColab無料枠で操作感を試して、本格的に使いたくなったタイミングでPC環境を整えましょう。

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この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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