Google ColabでComfyUIを使う方法|ローカルPCなしで建築AIを試す

「ComfyUI(AIで画像を生成できるツール)を使ってみたいけれど、自宅のPCにはGPU(グラフィックボード。画像生成の計算を高速に処理するパーツ)が載っていない」。建築業界でAI画像生成に興味を持っても、高性能なグラフィックボードがなければ始められないと思っていませんか。

Google Colab(Googleが提供するクラウド上のプログラム実行環境)を使えば、ブラウザだけでComfyUIを動かせます。イメージとしては、自分のPCの代わりにGoogleのサーバーを借りて作業するようなものです。無料枠でもNVIDIA T4 GPU(VRAM約15GB。VRAMはGPU専用のメモリで、画像生成の処理中にデータを一時的に保管する領域)が割り当てられるため、建築パースのAI生成を手軽に体験できます(2026年4月現在)。

この記事では、Google ColabでComfyUIを動かす手順から、料金プランの違い、Google Driveとの連携方法、ComfyUI Manager(カスタムノードの追加・管理を助ける拡張機能)の追加手順まで、ステップごとに解説します。

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目次

Google ColabでComfyUIを動かすメリット

手元のPCにGPUがなくても、Google ColabならComfyUIを利用できます。ここではGPUを持たない環境でも使えるという最大のメリットから、環境構築の手軽さまでを順に見ていきます。

GPUなしPCでも建築AI画像を生成できる

ComfyUIの画像生成にはGPUが必要です。自分のPCにインストールする場合はVRAM 8GB以上のNVIDIA製GPUが推奨されていますが、Google Colabならクラウド上のGPUを借りて処理を実行できます。自分でGPUを買わなくても、Googleが用意した高性能なGPUを使えるのが一番のメリットです。

手元のPCがノートPCや事務用デスクトップでも問題ありません。ChromeなどのWebブラウザとGoogleアカウントさえあれば、すぐにComfyUIを試せます。

環境構築が不要ですぐ始められる

自分のPCにComfyUIをインストールする場合、Python(プログラミング言語)の環境を準備したり、CUDA(GPU計算を高速化する技術)のドライバーを設定したりと、複数のステップが必要です。イメージとしては、アプリを入れる前にPCの下準備が何段階もある状態です。

一方、Google Colabではノートブック(ブラウザ上で動くプログラム実行画面)のコードセル(命令が書かれた枠)を上から順番にクリックして実行するだけで、ComfyUIが起動します。コマンドライン操作に慣れていない方でも、コピー&ペーストで進められます。

Google Colabの料金プランとGPU性能

Google Colabには、無料枠を含む3つのプランがあります(2026年4月現在)。どのプランを選ぶかでGPUの種類や使える時間が変わります。

無料枠(T4 GPU)でできること

無料プランでは、NVIDIA T4 GPUが割り当てられます。VRAMは実質約15GB使用可能です(2026年4月現在)。建築パースのimg2img変換(既存の画像をもとに別の画像を生成する手法)やControlNet(構図やポーズを指定して画像生成をコントロールする仕組み)を使った間取り画像の生成など、基本的なワークフロー(画像生成の一連の処理手順)であれば十分に動作します。

ただし、以下の制限があります(2026年4月現在)。

  • セッション時間: 最大約12時間。操作がない状態が約90分続くと自動切断される。作業途中で切断されると、それまでの環境がリセットされる
  • 週次GPU使用時間: 週15〜30時間程度で無料枠GPUが一時的に使えなくなる場合がある(上限はGoogle非公開)。毎日3時間使うと、5〜10日で枠を使い切る計算
  • RAM: 約12GB
  • ディスク: GPU使用時は最大約68GB

短時間の画像生成やワークフローの検証には十分ですが、1日中使い続けるような作業には向いていません。詳細なクォータ仕様はGoogle Cloud公式のQuotas and limits(Colab Enterprise)で確認できます。

Pro・Pro+プランの違い

より安定した環境を求める場合は、有料プランが選択肢に入ります(2026年4月現在)。

プラン 月額料金 コンピューティングユニット 選択可能GPU 特徴
無料 0円 なし T4 基本機能のみ
Pro 約1,179円(約$10) 100ユニット/月 T4 / L4 / V100 優先GPU割当
Pro+ 約7,500円(約$50) 500ユニット/月 A100 / L4 / V100 バックグラウンド実行可

※GPU種類・価格は時期により変動します。最新情報はGoogle公式のColab Paid Servicesで確認してください。

Proプランでは、無料枠より長時間のセッションとGPUの優先割り当てが得られます。「無料枠でGPUがなかなか割り当てられない」という場合に効果があります。Pro+ではノートブックを閉じた状態でも処理が続くバックグラウンド実行に対応しており、大量の画像を一括生成したい場合に向いています。ユニットを使い切ったあとも、従量課金(Pay As You Go)で追加購入できます。

ComfyUIをGoogle Colabで起動する手順

ここからは、実際にComfyUIをColab上で動かす手順を説明します。イメージとしては、「ブラウザ上で命令を順番にクリックしていくだけで、ComfyUIが立ち上がる」流れです。

Colabで使うノートブックは大きく2種類あります(2026年4月現在)。

この記事では公式シンプル版をベースに手順を解説し、あとの「ComfyUI Managerを手動で追加する方法」でManager手動追加の方法を示します。Manager同梱版を選べば、その手順はスキップできます。

ノートブックを開いてGPUランタイムを設定する

ComfyUI用のColabノートブックにアクセスしたら、最初にGPUの設定を行います。この設定を忘れるとCPU(GPUに比べて画像生成が極端に遅い)だけで動作してしまい、画像1枚の生成に何十分もかかってしまいます。

  1. ノートブックをGoogle Colabで開く
  2. 上部メニューの「ランタイム」から「ランタイムのタイプを変更」を選択
  3. ハードウェアアクセラレータで「GPU」を選ぶ(無料枠ではT4が割り当てられます)
  4. 「保存」をクリック

ComfyUIのインストールと起動

GPUランタイムの設定が完了したら、ノートブックのコードセルを上から順に実行します。各セルの左にある再生ボタン(▶)をクリックするだけです。一般的なノートブックでは、以下の処理が自動で行われます。

  1. ComfyUIのプログラムをダウンロード
  2. 必要なPythonパッケージ(ライブラリ)のインストール
  3. 基本モデル(チェックポイント。画像生成の中核となるデータファイル)のダウンロード
  4. ComfyUIサーバーの起動

コミュニティ製のComfyUI-On-Colab(nazdridoy版)も広く使われています。Google Drive連携やトンネル接続の切替があらかじめ組み込まれているため、公式版より設定の手間が少なくなっています。

Cloudflare TunnelでComfyUIにアクセスする

Google Colab上で起動したComfyUIは、通常のブラウザからは直接アクセスできません。そこで、Cloudflare Tunnel(Colabの中のソフトに外部から安全に接続するための仕組み)を使います。イメージとしては、「Googleのサーバーの中にある画面を、自分のブラウザに映し出す窓」を作るようなものです。

Cloudflare Tunnelを使う場合の流れは次のとおりです。

  1. ノートブック内でcloudflaredをインストールするセルを実行
  2. トンネルが確立されると、trycloudflare.com のURLが表示される
  3. そのURLをブラウザで開くと、ComfyUIの操作画面が表示される

接続が不安定になることがあります。画面が表示されない場合は、セルを再実行してURLを取得し直してみてください。

接続が何度も切れる場合の代替手段として、LocaltunnelPinggyも使えます。nazdridoy版ノートブックはLocaltunnelへの切替が組み込まれているため、Cloudflareが不安定なときの予備として覚えておくと安心です。

Google Driveと連携してモデルを永続化する

Colab版には「セッションが切れるとデータが消える」という制約があり、これを解決するのがDrive連携です。ここでは連携の必要性から、具体的なマウント手順、ストレージ容量の管理まで順に見ていきます。

なぜDrive連携が必要なのか

Google Colabのセッション(接続)が終了すると、ダウンロードしたモデルファイルやカスタムノード(追加機能のパーツ)がすべて消えてしまいます。Desktop版やPortable版なら一度ダウンロードしたモデルはPCに残りますが、Colab版は毎回やり直しになります。大型モデルは1つで数GB〜十数GBあるため、毎回ダウンロードし直すと数十分かかることも。

この問題を解決するのが、Google Drive(Googleのクラウドストレージ)との連携です。モデルファイルをDriveに保存しておけば、次回のセッションでも再ダウンロードせずにすぐ利用できます。

Driveマウントの設定方法

ノートブック内で以下のように設定します。

  1. Driveマウント用のセルで MODEMOUNT に設定して実行
  2. Googleアカウントの認証画面が表示されるので許可する
  3. マウント完了後、ComfyUIのワークスペースがDrive内に作成される

ストレージ容量の管理

Google Driveの無料容量は15GBです(2026年4月現在)。Stable Diffusion(画像生成AIの代表的なモデル群)のチェックポイントモデルは1ファイルあたり2〜7GB程度のため、複数モデルを保存するとすぐに容量が不足します。

対処法として、以下の方法があります。

  • 使用頻度の高いモデルだけをDriveに保存する
  • Google One(有料ストレージ)で容量を拡張する
  • LoRA(特定の画風やスタイルを追加学習させた軽量モデル)やVAE(色味・ディテール調整用のモデル)など軽量ファイルを優先的にDriveへ配置する

注意点として、大容量のチェックポイントモデルをDrive上から直接読み込むと、データ転送に時間がかかりモデルの読み込みが遅くなります(ComfyUI Discussion #4909)。セッション開始時にDriveからColab側のストレージにコピーしてから使うと、読み込みが速くなります。

建築パース用途であればチェックポイント1〜2個とLoRA数個で運用するケースが多く、15GBの無料枠でもやりくりは可能です。

ComfyUI Managerを手動で追加する方法

Manager同梱版ノートブック(comfyui_colab_with_manager.ipynb)を使った場合はこの手順は不要です。ここでは、公式シンプル版ノートブックから始めた方向けに、あとからManagerを追加する手順を説明します。

custom_nodesへのクローン手順

ComfyUI Managerは、カスタムノードの検索やインストールをボタン操作で行える拡張機能です。イメージとしては、スマートフォンのアプリストアのようなものです。

ノートブック内に新しいコードセルを追加し、以下のコマンドを実行します。

%cd /content/ComfyUI/custom_nodes
!git clone https://github.com/Comfy-Org/ComfyUI-Manager.git

クローン(ダウンロード)が完了したら、ComfyUIを再起動してください。画面右側のメニューに「Manager」ボタンが表示されれば導入成功です。

Manager導入後にできること

ComfyUI Managerを追加すると、以下の操作がボタン操作で行えるようになります。

  • カスタムノードの検索・インストール・更新
  • 不足ノードの自動検出と一括インストール
  • モデルファイルのダウンロード管理

特に便利なのが「不足ノードの自動検出」です。他の方が作ったワークフローを読み込んだとき、そのワークフローに必要なノードが足りない場合に自動で検出して一括インストールできます。手動でひとつずつ探す手間が省けます。

Colab版ComfyUIの制限と注意点

Colab版は手軽な反面、ローカル版にはない制約もあります。ここでは時間制限・VRAM・ローカル版との違いといった運用上の注意点を整理し、対処法や代替選択肢までを順に紹介します。

セッション時間制限への対処法

無料枠のセッションは最大約12時間ですが、GPUの使用状況により数時間で切断されることもあります。イメージとしては、「借りているPCの電源が突然切れる」ようなものです。対処法をいくつか紹介します。

  • こまめにワークフローを保存する: セッションが切れる前にJSON形式(設定データの保存形式)でワークフローをエクスポート(書き出し)しておく
  • 生成画像はすぐダウンロードする: Colab内の画像はセッション終了で消えるため、Google DriveかローカルPCへ保存する
  • Proプランを検討する: 安定して長時間使いたい場合はProプラン(月額約1,179円、2026年4月現在)への移行が現実的

ローカル版との違い

Colab版とローカル版(自分のPCにインストールした版)のComfyUIは、基本的な機能は同じです。ただし、以下の違いがあります。

  • セッション切れでカスタムノードが消える: Google Driveに保存していない場合、再セッション時にカスタムノードを再インストールする必要がある
  • ファイルアクセスの速度: Google Drive経由のファイル読み書きは、PC内蔵のSSD(高速なストレージ)より遅い
  • 常時起動ができない: Colabはセッション制のため、ComfyUIを24時間動かし続ける用途には不向き

本格的に建築パースのAI生成を業務に取り入れるなら、Colabで操作を覚えてからローカル環境へ移行するのがおすすめです。PCスペックの目安はComfyUIに必要なPCスペック|VRAM・メモリの目安を整理をご覧ください。

VRAM不足時の対処:GGUF量子化モデルの活用

無料枠T4のVRAM約15GBでは、Flux(最新世代の高品質モデル)やSDXL(高解像度対応モデル)といった大型モデルをそのまま動かすのが難しい場合があります。

そこで役立つのがGGUF量子化モデル(データを圧縮して軽量化したモデル形式)です。画質は若干落ちますが、T4の無料枠でもFlux系モデルが動作するようになります。ComfyUI ManagerからGGUF対応のカスタムノードを導入すれば、量子化済みモデルを通常と同じように使えます。

Colabが合わない場合の選択肢

Colabの時間制限やGPU性能が業務要件に合わない場合、他のクラウドサービスも選択肢になります。2026年3月に正式サービスとなったComfy Cloud(Comfy Org公式)は、NVIDIA Blackwell RTX 6000 Pro(96GB VRAM)を搭載しています。そのほかRunComfy、RunPod、RunningHubといった専用クラウドもあり、用途に応じて使い分けられます。

詳しくはComfyUI Docker/クラウドGPU運用ガイド|料金比較と選び方で解説しています。

まとめ

Google Colabを使えば、GPUを搭載していないPCでもComfyUIを体験できます。無料枠のT4 GPUでも、建築パースのimg2img変換やControlNetを使った間取り画像の生成など、基本的な画像生成は十分に動作します。

セッション時間やストレージの制限はありますが、Google Driveとの連携やワークフローのこまめな保存で対処できます。まずはColab上でComfyUIの操作感をつかみ、本格的に使い込みたくなったタイミングでローカル環境への移行を検討してみてください。

ComfyUIの導入方法や環境の選び方については、ComfyUI 導入・環境構築ガイドで全体像を確認できます。

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基礎編② 画面構成と基本的な操作方法

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実践編① 太陽光の入る白い部屋

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ショートカット・チートシート

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この記事を書いた人

橘 美咲のアバター 橘 美咲 PERSC 専任講師

「CADは裏切らない。昨日引けなかった線が、今日は引ける。それが楽しいの」

元・完全未経験の文系女子。新卒で入った建築現場で「図面が読めない」と絶望し、悔し涙を流しながらCADを独学で習得した過去を持つ。 その後、設計事務所、ゼネコンを経てフリーランスへ転身。現在はPERSCにて「現場で本当に使える技術」を伝授する鬼(?)コーチとして活動中。 「線一本にも意味がある」が口癖。趣味は、完成した建物を見上げながらのビールと、深夜の猫動画巡回。

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