ComfyUI ノード基礎・基本ワークフローガイド
ComfyUI(ノードをつないで画像生成AIを動かすツール)を使いこなすには、「ノード」と「ワークフロー」の考え方を最初に押さえることが欠かせません。ノードの仕組みを理解すれば、テキストからの画像生成、既存画像の加工、部分修正、高解像度化まで、あらゆる処理を自分で組み立てられるようになります。AUTOMATIC1111などのUI主体のツールと違って、処理の一つひとつに手が届くぶん、自分の用途に合わせて調整する自由度が段違いに高くなります。
この記事では、ComfyUIのノード基礎と基本ワークフロー7パターンの全体像を整理します。各パターンの「何ができるか」と「なぜ必要か」をつかんだうえで、目的に合った詳細記事へ進んでください。
ComfyUIのノードとワークフローの基本
ComfyUIのノードを理解するには、まず建築パースの制作工程を思い浮かべるとわかりやすくなります。3Dモデルを用意し、マテリアルを貼り、ライティングを設定し、レンダリングして、最後に画像を書き出す。それぞれの工程を独立した小さな箱として並べ、線でつなぎ合わせたもの、それがComfyUIのワークフローです。
ノード=入力・処理・出力を持つ1つの箱
ComfyUIにおけるノードとは、特定の処理を担当する1つの箱のことです。箱の左側に「入力」、中央に「設定パラメータ」、右側に「出力」があり、入力を受け取って処理し、結果を次のノードへ渡します。
建築パース制作に例えると、3Dモデルを読み込む工程がモデル読み込みノード、レンダリング計算がサンプラーノード、画像の書き出しが画像保存ノードに当たります。1つのノードが1つの工程を担い、順番につなげることでパイプライン全体が完成する流れです。プログラミングの知識は一切いりません。
最初に押さえるべき基本ノードは、Load Checkpoint(モデル読み込み)、CLIP Text Encode(プロンプト入力)、KSampler(画像生成の心臓部)、VAE Decode(潜在空間から画像への変換)の4種類。この4つの役割と接続の考え方はComfyUIのノードとは?初心者が最初に知る考え方で詳しく解説しています。
ワークフロー=ノードをつないだ処理フロー
ComfyUIでは、ノードを線でつないだ全体の構成を「ワークフロー」と呼びます。データは左から右へ流れるグラフ構造になっており、最もシンプルなワークフローはわずか7つのノードで完成します。
ワークフローはJSON形式で保存・共有できるため、他の人が作った構成を読み込んでそのまま再現することも可能です。さらに、生成した画像のPNGファイルにはワークフローJSONが自動で埋め込まれます。画像をドラッグ&ドロップするだけで、生成時のノード構成がそのまま復元される仕組みです(2026年4月現在)。建築パースのプロジェクトファイルを渡し合うのと似た感覚で、生成レシピを共有できます。
ノード数が増えてきたら、Subgraph機能(v0.3.51で追加)を使って複数のノードを1つにまとめることもできます。まずは基本ワークフローに慣れるところから始めれば十分です。
ソケットの色ルールで接続を理解する
ノードの接続口は「ソケット」と呼ばれ、データの種類ごとに色が割り当てられています(2026年4月現在、ComfyUIデフォルトのDark themeに基づく)。
| データ型 | 色 | 役割 |
|---|---|---|
| MODEL | 紫 | 画像生成モデル本体 |
| CLIP | 黄 | テキスト理解モデル |
| VAE | 赤 | 潜在空間と画像の変換器 |
| LATENT | ピンク | 潜在空間の画像データ |
| IMAGE | 青 | ピクセル画像データ |
| CONDITIONING | オレンジ | プロンプトの処理結果 |
同じ型のソケット同士しか接続できない制約があり、型が不一致の線はそもそもつながりません。「色を合わせてつなぐ」とだけ覚えておけば、間違った接続をUI側が未然に防いでくれるので、初心者でもミスしにくい設計になっています。
基本ワークフロー7パターンの全体像
ComfyUIの基本ワークフローは、大きく7つのパターンに整理できます。すべてのパターンはtxt2imgの7ノード構成を土台にしており、そこにノードを追加・差し替えることで機能を拡張していく設計です。CADの基本コマンドを覚えてから応用操作に進むのと同じように、まず土台を押さえると応用が一気に楽になります。
| # | パターン | 概要 |
|---|---|---|
| 1 | txt2img | テキストから画像を生成する最も基本の形 |
| 2 | img2img | 既存画像をベースに加工・変換する |
| 3 | インペインティング | 画像の一部だけを修正・差し替える |
| 4 | アウトペインティング | 画像の外側を拡張する |
| 5 | アップスケーリング | 解像度を高めて高品質化する |
| 6 | プロンプト制御 | 重み付け・領域指定・スケジュールで指示精度を高める |
| 7 | LoRA適用 | 追加学習モデルでスタイルを強化する |
学習の順序としては、まずtxt2imgで基本構造を理解し、img2img、インペインティング、アウトペインティングと応用範囲を広げていくのが効率的です。アップスケーリングとプロンプト制御はどのパターンにも組み合わせられるため、必要に応じて並行して学べます。LoRAの導入・適用についてはComfyUI LoRAの使い方|導入から建築向けおすすめの選び方で別途まとめています。
以下では、各パターンの要点を見ていきます。
txt2img:テキストから画像を生成する
txt2img(テキストから画像生成)は、ComfyUIのすべてのワークフローの出発点です。テキストプロンプトを入力するだけで画像を生成でき、わずか7つのノード(Load Checkpoint、CLIP Text Encode×2、Empty Latent Image、KSampler、VAE Decode、Save Image)で構成されます。CADでいえば線を1本引くコマンドに相当する、もっとも基本の操作です。
ワークフローの中核を担うのがKSamplerノードです。seed(再現性)、steps(生成精度)、cfg(プロンプト忠実度)、sampler_name(アルゴリズム)、denoise(ノイズ除去強度)の5つのパラメータを理解すれば、生成結果を意図どおりに調整できるようになります。
モデルがSDXLなのかFLUXなのかで推奨パラメータが違う点も押さえておきたいところ。FLUX系モデルではKSamplerのcfgを1.0に固定し、別途FluxGuidanceノードで誘導強度を調整する仕様になっています(2026年4月現在)。同じパラメータでもモデルによって最適値が違うので、使うモデルに合わせた設定が必要です。
7ノードの配置手順からパラメータの調整方法まで、詳しくはComfyUI txt2imgワークフローの始め方|7ノードで画像生成で解説しています。
img2img:既存画像をベースに変換する
img2imgは、既存の画像を出発点にして新しい画像を生み出す手法です。「この画像をベースに雰囲気だけ変えたい」「色味を調整したい」といった場面で活躍します。建築パースなら、同じ構図のまま「昼・夕方・夜」の3バリエーションをそれぞれ短時間で作れるようなイメージです。
txt2imgとの違いは、ノード構成でわずか2点だけ。Empty Latent Imageノードが不要になり、代わりにLoad ImageとVAE Encodeの2ノードが追加されます。KSamplerの接続先が変わるだけなので、txt2imgワークフローを少し改造するだけで対応できます。
仕上がりを最も大きく左右するのが「デノイズ強度(denoise)」です。0.0なら元画像がそのまま、1.0なら完全に新規生成と同等になります。用途に応じた推奨値は、微調整が0.2〜0.4、スタイル変更が0.5〜0.7、大幅変更が0.8〜1.0。建築パースの色味変更や素材変更にも使えるので、1枚のベース画像から複数バリエーションを短時間で作成できます。
デノイズ強度の詳しい考え方と建築パースでの活用例はimg2img変換ワークフロー|デノイズ強度の考え方にまとめています。
インペインティング:画像の一部だけを修正する
「全体は気に入っているのに、一か所だけ直したい」。そんなときに使うのがインペインティング(部分修正)です。変更したい領域をマスクで指定し、その範囲内だけをAIに再生成させます。マスクの外側はそのまま残るため、全体の構図やスタイルを壊しません。Photoshopのスポット修復ブラシのAI版のようなもの、とイメージするとわかりやすいはずです。
ComfyUIのインペインティングには2系統のワークフローがあります。1つ目は「VAE Encode for Inpainting+インペイント専用モデル」で、高デノイズでの物体差し替えに向く構成。2つ目は「VAE Encode+Set Latent Noise Mask+通常モデル」で、低デノイズでの色味・質感の微調整に向く構成です。用途に応じて使い分けることで、求める仕上がりに近づけやすくなります。
用途別の使い分けの目安や、マスク境界のFeathering、Flux.1 Fill Devモデルの活用方法についてはComfyUIインペインティング完全ガイド|部分修正の実務6手順で詳しく解説しています。
アウトペインティング:画像の外側を拡張する
アウトペインティングは、既存の画像の境界を超えて外側に新しい領域を生成する技術です。「レンダリングした建築パースの画角がもう少し広ければ」と感じたとき、3Dソフトに戻らずにAIで画角を拡張できます。カメラを引き直して再レンダリングする手間が省けるので、納期が迫った案件の微調整に大きく効きます。
中核となるのがPad Image for Outpaintingノード。left・right・top・bottomで拡張方向を指定し、featheringで境界のなじみ具合を調整します。512×512の画像を左右に256ピクセルずつ広げて横長パノラマにする、といった用途に対応できます。
インペインティングが画像の内側を修正するのに対し、アウトペインティングは外側を広げる技術という位置づけ。モデル選択ではSDXL inpaint系とFlux.1 Fill Devの2系統が主流です(2026年4月現在)。
ワークフローの詳しい構成とパラメータ設定はComfyUIアウトペインティングの始め方|画像拡張の設定4手順ガイドを参照してください。
アップスケーリング:解像度を高める
ComfyUIで生成した画像をそのまま提案資料に使おうとすると、解像度が足りないことがあります。A4印刷やプレゼンモニターでの表示に耐える品質にするには、アップスケーリングが必要です。方式には大きく2つあり、目的に応じて選びます。
1つ目は「単純拡大(Upscale Image)」。RealESRGANや4x-UltraSharpといったモデルでピクセル画像を直接拡大する方式で、処理が速い反面、新たなディテールの描き足しは限定的です。2つ目は「Hires Fix」。潜在空間で画像を拡大したあとKSamplerで再描画する方式で、建築パースのようにディテール品質が問われる用途に向いています。
VRAMが限られた環境でも4K以上の出力を実現するタイル分割という手法もあります。Ultimate SD Upscaleなどのカスタムノードを使い、画像を小さなタイルに分けて処理することでメモリ不足を回避できます。
方式の選び方、デノイズ値の定量レンジ、モデル別の推奨設定はアップスケーリング完全ガイド|Hires Fix・タイル分割で整理しています。
プロンプトエンジニアリング:指示の精度を高める
ComfyUIのプロンプト制御は、テキスト入力にとどまらずノードレベルで細かく操作できます。AUTOMATIC1111にはない柔軟さが大きな魅力です。
代表的なテクニックは3つあります。1つ目は重み付け構文 (keyword:1.3) で特定の要素を強調・抑制する方法。2つ目はConditioningSetAreaノードで画像の領域ごとに異なるプロンプトを指定する方法。3つ目はCLIPスケジュールで生成ステップの途中でプロンプトを切り替える方法です。
ただしCLIPモデルには1チャンクあたり77トークンの制限があり、超過分は自動でチャンク分割されますが、チャンクをまたいだ語句の関連性は弱まります。重要な要素はプロンプトの前方に配置するのが実務的なコツです。
建築パース向けのプロンプト実例集や、重み付けの実用範囲(0.5〜1.5)の詳細はプロンプトエンジニアリング実践|CLIPスケジュール・条件分岐にまとめています。
まとめ
ComfyUIのノードは「入力・処理・出力を持つ1つの箱」であり、箱同士を線でつなぐだけで画像生成パイプラインを構築できます。ソケットの色を合わせてつなげば間違った接続は起きません。
基本ワークフローはtxt2img・img2img・インペインティング・アウトペインティング・アップスケーリング・プロンプト制御・LoRA適用の7パターンに整理でき、すべてtxt2imgの7ノード構成が土台になります。まずはtxt2imgで1枚生成し、目的に応じて各ガイドへ進んでみてください。
ComfyUIの全体像から学習ロードマップまで通して把握したい方は、ComfyUIとは?できること・始め方・学習ロードマップ完全ガイドもあわせてご覧ください。
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- img2img変換ワークフロー|デノイズ強度の考え方 — 既存画像をベースに加工するワークフローを組みたい方向け
- ComfyUIインペインティング完全ガイド|部分修正の実務6手順 — 画像の一部だけを修正・差し替えしたい方向け
- ComfyUIアウトペインティングの始め方|画像拡張の設定4手順ガイド — 画像の外側を自然に拡張したい方向け
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- プロンプトエンジニアリング実践|CLIPスケジュール・条件分岐 — プロンプトの重み付けや領域指定を使いこなしたい方向け
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