3ds Max Indie ライセンス完全ガイド|年商USD 100,000条件とMaya Indie比較

3ds Max Indie ライセンスは、年商USD 100,000未満の個人向け廉価サブスクリプションです。2026年4月時点で USD 330/年(出典: Autodesk Buy 3ds Max)の年契約専用プランで、通常版と同等のフル機能を商用利用できます。「副業で建築VIZを始めたいが、年契約サブスクは初期投資が重い」「Indieという廉価版があるらしいが、自分が条件を満たすのか確かめたい」と迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、3ds Max Indie の正確な適用条件、Maya Indie との関係、申請動線を、2026年4月時点の公式情報と利用規約をもとに順に確認していきます。価格はすべて USD の原通貨で提示し、誤情報として広まりやすい「年商40万USD未満」「3ds Max+Maya統合プラン」の実態にも触れます。3ds Max 2027 が2026年3月25日にリリース済みのタイミングで、Indie が「自分の働き方に合うか」を判断する材料を集約します。

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目次

3ds Max Indie ライセンスとは|年商USD 100,000未満の個人向け廉価サブスク

3ds Max Indie は、Autodesk が個人や小規模クリエイター向けに提供する廉価サブスクリプションです。通常版と機能面で違いはなく、価格と利用条件のみが差分になります。年商条件を満たす個人であれば、商用案件の納品にもそのまま使えます。

Indie ライセンスの正式定義

Indie は、Autodesk が一定の年商条件を満たす独立クリエイター向けに提供する1年契約専用のサブスクリプションです。これらは個別 SKU として提供されています。対象は3ds Max Indie・Maya Indie・MotionBuilder Indie・Flame Indie などです(2026年4月時点、出典: Autodesk Maya and 3ds Max for indie users)。

提供形態は1年契約のみで、月額や3年契約は対象外です。月額が無いということは、「数か月だけ試したい」というニーズには応えられない設計だと理解しておく必要があります。短期評価が目的なら30日体験版、年間利用日数が概ね65日未満(公式ドキュメントの日割り換算ベースの目安)なら Flex(オートデスクのトークン制従量プラン)を併用するのがひとつの選び方になるでしょう。

商用利用は条件付きで可能です。「Indie だから商用に使えない」というのは誤解です。年商 USD 100,000 未満の個人であれば、商用納品物の制作・販売・受託案件に制限なく使えます(出典: SuperRenders: Autodesk Indie License 2026 Pricing and Eligibility Guide、2026年4月時点)。

通常版サブスクとの関係

通常版(USD 2,010/年)が法人・中規模以上のスタジオを想定しているのに対し、Indie は個人・スタートアップ・スタートアップ未満(独立直後・副業)を想定しています。価格差は USD 1,680/年で、6倍程度の開きがあります。

項目 内容
価格 USD 330/年(2026年4月時点)
契約期間 1年契約のみ(月額・3年契約なし)
対象 年商USD 100,000未満の個人
機能 通常版とフル同等(Arnold同梱)
商用利用 可(年商条件を満たす範囲)
提供地域 日本含む46カ国(Autodesk指定地域)
購入経路 Autodesk Store 直販が原則
法人購入 不可(個人契約専用)
ライセンス共有 不可(1人1ライセンス)
Named User 必須(Autodesk アカウントでサインイン)

機能はフル同等なので、V-Ray 7 Update 3 や Corona 14 などのサードパーティ製レンダラーも通常版と同様に動作します。建築ビジュアライゼーション(建築の完成予想画像や動画を3DCGで制作する分野、以下 建築VIZ)の現場で使う Forest Pack(樹木・群衆配置プラグイン)や Anima(人物アニメーション)も、ライセンス上の制約なしに利用可能です。

教育版・体験版との関係

商用条件・契約期間・費用が異なる3つの正規ルートを並べて把握しておきます。教育版は無料・商用不可で在籍中継続利用可、体験版は無料・30日固定・1人1回・商用不可、Indie は USD 330/年・1年契約・商用可(年商条件あり)という関係です。商用案件を始める段階の実務者にとって、教育版や体験版を流用する選択肢はありません。

学生から商用案件に切り替わる節目では、「就職・卒業・収益化を伴う受託の開始」のいずれかが Indie 検討の起点になります。たとえば建築学科の学生が在学中はポートフォリオ目的で教育版を使い、卒業後に建築VIZフリーランスとして年商 USD 50,000 程度で活動を始める場合、卒業時点で Indie への切り替えを進めるのが正規ルートです。

適用条件を正確に読む|年商USD 100,000未満の中身

「年商10万USD」という条件は、誤解を招きやすい表現です。「3ds Max を使った業務収入」ではなく「本人または所属組織の総収入」が基準となるため、本業の給与や副業の制作収入を合算して判定します。プロジェクト単位の上限額もあり、適用条件は二重構造で読む必要があります。

Gross Annual Revenue の正確な意味

Indie の利用条件は、年間総収入(Gross Annual Revenue)が USD 100,000 未満の個人であることです(出典: SuperRenders: Autodesk Indie License 2026、2026年4月時点)。誤解されやすいのは「3ds Max を使った業務収入」と読むケース。実際は本人(または所属する小規模事業体)の総収入が基準となります。

USD 100,000 という閾値は、ワールドワイドかつ累積で計上されます。本業の給与収入と副業の制作収入を合算して USD 100,000 を超えると、その時点で Indie の対象外です。たとえば本業給与が USD 70,000 の建築設計事務所スタッフが、副業で建築VIZ制作を始めて年間 USD 35,000 の追加収入を得る場合、合算で USD 105,000 となり Indie の利用条件を超過します。

加えて、プロジェクト単位の上限額もあります。1案件の予算が USD 100,000 を超えるプロジェクトに Indie ライセンスを使うことはできません(出典: SuperRenders: Autodesk Indie License 2026、2026年4月時点)。年商が条件内でも、特定プロジェクトの予算が USD 100,000 を超えるなら、そのプロジェクトには通常版が必要になるでしょう。

Work-for-Hire(時間契約)の落とし穴

時間単位で報酬を受け取る契約形態は、Indie の適用範囲から外れる可能性があります。年商 USD 100,000 を超える発注元から時給・日給・週給で雇われ、制作物の権利が発注元に帰属する形態は、Indie の対象外です。本人の年商が条件内でも、Work-for-Hire 契約は除外されると整理されています(出典: SuperRenders: Autodesk Indie License 2026、2026年4月時点)。

具体例で考えます。年商 USD 5,000,000 の建築設計事務所から、時給制で外観パース制作を委託される建築VIZフリーランスのケースです。本人の年商が USD 80,000 でも、発注元が USD 100,000 を大きく超え、かつ時給制で実質的に「事務所の人員」として稼働する形態だと、Indie の利用条件から外れる扱いになるでしょう。

一方、固定報酬の請負契約であれば、発注元の規模を問わず Indie が使える設計です。本人の年商が USD 100,000 未満で、1案件の請負金額も USD 100,000 未満であれば、発注元が大手であっても Indie で対応できます。建築VIZフリーランスが「住宅外観パース3カット 30万円」という固定金額で受注する場合は、発注元が年商数億円の事務所であっても Indie の利用範囲内です。

個人契約専用|法人・チーム共有は対象外

Indie は個人契約専用で、法人購入・ボリュームライセンス・チーム共有は対象外です。1ライセンスは1人のみで、複数スタッフで共有することはできません(出典: Maya and 3ds Max for indie users 公式FAQ、2026年4月時点)。

一方で、1ユーザーが複数台のマシンにインストールすることは許容されます。本人が同時起動しないことを前提に、自宅のメインPC・職場のサブPC・出先のノートPC の3台にインストールしておく運用は規約の範囲内です。共同制作者と組んでチームで受注する場合は、各自が個別に Indie を契約する必要があります。

加えて、所属組織の従業員数が5人未満で、親会社の子会社ではないことも条件として付帯しています(出典: SuperRenders: Autodesk Indie License 2026、2026年4月時点)。個人事業主や独立直後のフリーランス、5人未満の小規模スタジオが想定対象です。社員10名規模の建築VIZ制作会社が「個人席として Indie を導入」する運用は対象外で、通常版での席数契約が必要になります。

「年商USD 400,000未満」誤情報への注意

第三者解説記事や旧情報の中に「年商40万USD未満」と書かれている例がありますが、これは過去の Maya LT(簡易版 Maya)など別プログラム由来の数値です。2026年4月時点の3ds Max Indie の公式条件は USD 100,000 未満です。Autodesk Indie 利用規約の最新版にもこの数値が記載されています(出典: Autodesk Maya and 3ds Max for indie users)。

購入判断の際は、最新の Autodesk Indie 利用規約を一次情報として押さえておくと安心です。条件の閾値は地域や年度で改定される可能性があるため、年契約の更新タイミングごとに公式の最新条件を確認しておくと迷わなくなります。

「3ds Max Indie」と「Maya Indie」の関係|統合プランは存在しない

検索キーワードの中に「Maya 統合プラン」という表現がありますが、2026年4月時点で「3ds Max + Maya」を1つの SKU にまとめた Indie 統合プランは提供されていません。両者は別 SKU として販売されており、両方使う場合は2契約が必要です。

結論|別 SKU で個別契約

3ds Max Indie と Maya Indie は、それぞれ独立した SKU として Autodesk Store で販売されています。価格は両方とも USD 330/年で、機能面は通常版とフル同等です(2026年4月時点、出典: Autodesk Buy 3ds Max)。両方使いたい場合は USD 660/年(330 × 2)の支払いが必要になるでしょう。

項目 3ds Max Indie Maya Indie
価格 USD 330/年(2026年4月時点) USD 330/年(2026年4月時点)
契約期間 1年契約のみ 1年契約のみ
商用利用 可(年商条件あり) 可(年商条件あり)
主用途 建築VIZ・プロダクト・モデリング M&E・キャラクターアニメーション
同梱レンダラー Arnold Arnold
統合バンドル 単独契約のみ 単独契約のみ
対象地域 日本含む46カ国 日本含む46カ国

通常版には Media & Entertainment Collection(以下 M&E Collection、USD 4,140/年)という統合バンドルが存在しますが、Indie 版コレクションは2026年4月時点で確認できません。Maya・3ds Max・MotionBuilder などをまとめて廉価で使いたい場合の正規ルートは存在しないため、必要なソフトを Indie で個別契約するか、要件が大きいなら通常版の M&E Collection を検討する判断になります。

想定ユーザー層の違い

3ds Max Indie と Maya Indie は同じ価格帯ですが、想定される利用シーンは異なります。3ds Max Indie は建築VIZ・プロダクトデザイン・モデリング寄りで、住宅・商業施設のパース制作を中心とする建築VIZフリーランスが主要な対象。

Maya Indie は M&E(Media & Entertainment、映画・アニメ・ゲーム業界向け)・キャラクターアニメーション・リギング寄りで、独立系のアニメーター・VFXアーティスト・インディーゲーム開発者が主要な対象です。建築VIZ実務では、まず3ds Max Indie を選ぶのが基本線で、Maya Indie は人物アニメーションを伴うプロモ動画や CG映像作品を兼業で制作する場合に追加検討する立ち位置になります。

たとえば住宅パース1案件あたり数万円〜十数万円で年間20〜30件を回している建築VIZフリーランスの場合、Maya Indie の追加契約は不要で、優先度は低い選択になります。一方で、住宅パース+施設のプロモ動画+CGキャラクター登場のショートムービーまで制作する独立クリエイターは、3ds Max Indie+Maya Indie の2契約(USD 660/年)が選択肢に入るでしょう。

M&E Collection と Autodesk Flow 統合の動向

通常版の M&E Collection は、2025年以降「DCC(Digital Content Creation、3DCG・映像制作系のソフト)バンドル」から「DCC+クラウド制作管理+AI VFX」へと意味が変質しつつあります。Flow Production Tracking(旧 ShotGrid)や Flow Studio Pro Tier(旧 Wonder Studio)が同梱され、複数アーティストの資産管理や AI VFX の付帯価値が加わっています。

Indie 版コレクションが提供される動きは、2026年4月時点では公式に告知されていません。Autodesk Flow 統合と M&E Collection の関係はAutodesk Flow統合とM&E Collectionで詳しく解説しています。複数アーティストでの資産共有や案件進行管理を Indie に組み合わせたい場合、現状では Flow Production Tracking 単体の追加契約か、通常版 M&E Collection への切り替えが選択肢になります。

編集部の見立て|Indie ライセンス条項を読み解いて見えること

ここからは、公式利用規約と海外レビューの読み解きをもとに、編集部としての見立てを共有します。実機での年単位契約検証は実施していないため、調査ベースの整理として読んでください。

公式ドキュメントを読み解くと、3ds Max Indie の設計思想は「個人実務者を Autodesk のエコシステムに早期接続する入口」として位置づけられている印象があります。USD 330/年は通常版(USD 2,010/年)と並べると6倍近い差になりますが、機能制限を一切設けていない点が特徴的です。Maya LT のようにモデリング機能を絞った廉価版とは設計思想が異なり、年商という外形条件だけで線引きしています。

海外レビューの共通見解では、Work-for-Hire 除外と1案件 USD 100,000 上限の二重制限が、Indie 利用者の運用上の最大の悩みどころとして挙げられています。年商条件はクリアできても、単発の高額案件1本で対象外になりうる構造のため、案件ごとに Indie の使用可否を判断する必要があるでしょう。建築VIZフリーランスが年商 USD 80,000 で活動していても、商業施設1棟の外観パース一式が USD 120,000 で発注される場合、その案件には通常版が必要になります。

価格改定スケジュールの動向にも注目しておきたいところです。Autodesk公式の予告では2026年5月7日に標準 USD 2,010/年・Indie USD 330/年の表記改定が示されています(出典: CG Channel: Autodesk releases 3ds Max 2027、2026年4月時点)。改定タイミングを跨ぐ契約更新では、最新の表記と実価格を Autodesk Buy ページで再確認しておくと、想定外の費用差分を避けられます。

申請から契約継続まで|購入フローと年次更新の注意点

3ds Max Indie の購入は、Autodesk Store からの直販が原則です。公認リセラー経由の取り扱いは限定的で、見積書発行や請求書払いを伴う法人ルートは想定されていません。年次更新時に年商条件を再確認し、条件超過時は通常版へ移行します。

購入の流れ

実際の購入手順は、Autodesk アカウント作成から始まります。手順は4ステップ。

  1. Autodesk アカウント作成(無料、メールアドレス登録)
  2. Autodesk Store の3ds Max Indie 製品ページで地域確認
  3. 年商 USD 100,000 未満であることへの同意(規約への同意ボックス)
  4. クレジットカードでの支払い・ライセンス発行

ライセンス発行後は、Autodesk Desktop App 経由でソフトをダウンロードし、Autodesk アカウントでサインインして起動するという流れです。ライセンス形態は Named User(個人ユーザー単位の認証ライセンス)方式で、本人のアカウントでのみ起動できます。

支払い方法はクレジットカード決済が基本で、請求書払い・代理店経由の購入は想定されていません。Indie はあくまで個人契約のため、法人として経理処理する必要がある場合は、本人立替→経費精算の運用になるでしょう。

日本(APAC)から購入できるか

3ds Max Indie は、2020年8月7日のワールドワイド展開以降、日本を含む46カ国で購入可能です。APAC では日本・オーストラリア・中国・インド・韓国・マレーシア・ニュージーランド・シンガポールが対象です(出典: CG Channel: 3ds Max Indie and Maya Indie now available in 46 countries、2026年4月時点)。

ただし、Hong Kong と南アフリカは Autodesk e-store が提供されていないため、直接購入の対象外となっています。海外拠点での利用を検討している建築VIZフリーランスは、契約時点での居住国・購入国を最初に押さえておくと安心です。

日本ユーザーの実務上の注意点としては、代理店経由での Indie 取り扱いが限定的である点が挙げられます。CADジャパン・デジタルワークス・ソフトウェア・ジャパンなどの公認リセラーは通常版・M&E Collection を中心に扱っており、Indie はAutodesk Store 直販が原則になります。請求書払いが必要な小規模法人は、通常版の年契約に切り替える判断が妥当な選択肢でしょう。

年次更新と条件再確認

Indie は1年契約の自動更新で、更新時に年商条件の再確認が行われます。具体的には、更新タイミングで「過去12か月の年商が USD 100,000 未満であった」ことを再度同意する形です。条件超過時は、次回更新時に通常版(年契約 USD 2,010/年)への切り替えを行います。

条件超過の判定は本人の自己申告が基本ですが、規約違反の発覚時はライセンス取り消しのリスクがあります。年商が USD 90,000〜100,000 のグレーゾーンに入ってきたら、確定申告書類で過去12か月の収入を再確認し、超過の見込みが立った段階で通常版見積もりを取得しておくと安心です。

更新タイミングをまたいで条件を超過した場合の対応は、次回更新時に通常版へ切り替える形になります。たとえば建築VIZフリーランスが Indie 契約2年目に独立3年目を迎えて年商 USD 130,000 まで拡大した場合、契約更新月の前に通常版見積もりを取得し、更新月をまたぐ前に切替を進める運用が必要になるでしょう。

Indie が向く人・向かない人|副業からスタジオ立ち上げ前まで

Indie の典型的な対象は、副業や独立直後の建築VIZフリーランスです。年商規模が小さく、共同制作の頻度も低く、個人契約で問題ない働き方をしている層が中心になります。一方で、年商超過・チーム制作・教育機関所属者には Indie は向きません。「自分が条件を満たすのか、迷っている方も多いのではないでしょうか。」という方は、以下の整理を参考にしてみてください。

向く人|USD 100,000 未満の個人実務者

副業や独立直後の建築VIZフリーランス、学習を終えて初めて商用案件に踏み出す実務者、年商規模が小さい個人スタジオの運営者が、Indie の典型的な対象です。具体例として、以下のような働き方が挙げられます。

CADオペレーターから建築VIZフリーランスへ転身した1〜2年目で、住宅パース1案件あたり数万円〜十数万円の単価で年間20〜30件を回している層は、年商が USD 50,000〜80,000 の範囲に収まりやすく、Indie の典型対象。本業給与+副業制作の合算でも USD 100,000 を下回っている限り、Indie で商用案件の納品が可能です。

建築設計事務所のスタッフが副業で建築VIZ制作を始めるケースも、本業給与が USD 50,000〜70,000 程度で副業収入が USD 20,000 以下なら、合算でも USD 100,000 未満に収まります。年契約 USD 330/年の負担なら、月3,000円程度の固定費で建築VIZ制作環境を整えられる計算です。

学習を終えて独立を検討している層には、30日体験版で機能評価→Indie で商用受注開始→年商超過時に通常版移行、という3段階の進め方があります。最初から通常版(USD 2,010/年)を契約するよりも初期投資が約6分の1で済むため、独立直後のキャッシュフロー負荷を下げられる選択肢として有効でしょう。

向かない人|年商超過・組織契約・教育機関

向かないのは、年商 USD 100,000 を超える事業者、社員数の多い制作会社、教育機関所属者です。

ユーザー像 Indie 適合性 推奨プラン
年商USD 100,000未満の個人フリーランス 適合 3ds Max Indie(USD 330/年)
副業・本業合算でUSD 100,000未満 適合 3ds Max Indie(USD 330/年)
年商USD 100,000超の個人事業主 不適合 単体年契約(USD 2,010/年)
5人以上の制作会社・スタジオ 不適合 単体年契約 or M&E Collection
教育機関所属の学生・教員 不適合 Education ライセンス(無料)
評価目的のみ 不適合 30日体験版(無料)
Maya・MotionBuilderも併用 部分適合 Indie 個別契約 or 通常版Collection

年商 USD 100,000 を超える個人事業主は、次回更新時に通常版(年契約 USD 2,010/年)への切り替えが必要です。法人化+スタッフ1名雇用で年商 USD 150,000 まで拡大した独立3年目のケースでは、更新月をまたぐ前に通常版見積もりを取得し、移行プロセスを進めます。

社員数の多い制作会社は、個人席として Indie を運用することはできません。1組織1ライセンスでチーム共有する運用は規約違反となるため、通常版の年契約 × 席数か、Maya・MotionBuilder も併用するなら M&E Collection(USD 4,140/年)が選択肢になります。教育機関所属者は商用利用が前提でなければ、無料の Education ライセンスが正規ルートです。

通常版へ切り替えるべきタイミング

Indie から通常版への移行を考えるべきタイミングは、3つの局面で訪れます。

1点目は、年商が USD 90,000 を超えたとき。残り余地が USD 10,000 を切ったら、確定申告書類で過去12か月を再確認し、次回更新時の通常版見積もりを取得しておきます。2点目は、1案件の予算が USD 100,000 を超える依頼を受けたとき。年商が条件内でも、その案件には Indie を使えないため、案件単位で通常版を契約するか、案件を引き受けない判断が必要になるでしょう。3点目は、法人化または共同制作者との組織化。スタッフ採用や法人格の取得は Indie の個人契約条件から外れるタイミングです。

たとえば建築VIZフリーランスが Indie 契約3年目に法人化を検討する場合、法人化の登記タイミング前に通常版(USD 2,010/年)への切り替えを完了させる運用が安全です。法人化と同時に Indie のまま運用を続けると、規約上のグレーゾーンに入る可能性があります。

更新タイミングと切替判断を逆算するなら、毎年の更新月3か月前に過去12か月の年商を確認し、条件超過の見込みがあれば通常版見積もりの取得→更新月で切替、という流れが妥当な選択肢です。料金プラン全体の選び方は3ds Max 料金プラン6選を全体像で整理で俯瞰しています。

Indie を起点にすると働き方はどう変わるか|応用シナリオ

Indie ライセンスの本当の価値は、年契約 USD 330 という固定費で「副業・独立の最初の一歩」を踏み出せる点にあります。建築VIZ受託を始めるのに必要な3DCGソフトのコストが、月3,000円程度の固定費で賄える設計だと考えると、独立直後のキャッシュフロー負担を最小化できる選択肢です。

たとえば建築設計事務所スタッフが副業で住宅パース制作を始めるケースを想像してみてください。本業給与に加えて、年間20件のパース受注(1案件3万円・年商60万円)から建築VIZ実務に踏み出す場合、Indie 契約 USD 330(約5万円)と V-Ray Solo 約7万円/年の組み合わせで、初年度の固定費は12万円程度に収まります。受注額60万円から見ると固定費比率は20%で、副業として無理なく回せる水準でしょう。

1〜2年で受注規模を拡大し、年商 USD 90,000 を超えた段階で通常版(USD 2,010/年)への切り替えを検討するという段階設計が現実の進め方になります。Indie で建築VIZ受託の基盤を作り、案件規模が大きくなれば通常版へ、さらに法人化やスタッフ採用のフェーズに進めば M&E Collection や Flow Production Tracking まで視野に入ります。1つのソフトで「副業→独立→法人化」の3段階を1本のキャリアパスとしてつなげられる設計が、Autodesk Indie の戦略的な位置づけと言えるでしょう。

将来的な視点では、Indie ユーザーが増えることで建築VIZ業界の「個人受託の市場規模」が広がる可能性もあります。これまでは法人スタジオ専有だった建築VIZ実務に、年商 USD 100,000 未満の個人実務者が継続的に参入できるようになると、住宅パース市場の単価帯と発注経路に変化が起こりやすい環境です。建築設計事務所側も、外注パース制作を個人発注に切り替える選択肢が広がる流れになるでしょう。

まとめ|3ds Max Indie を選ぶ判断基準

3ds Max Indie は、年商 USD 100,000 未満の個人にとって、建築VIZ実務の有力な選択肢です。USD 330/年(2026年4月時点)で通常版とフル同等の機能を商用利用でき、3ds Max 2027 の Smart Bevel・Noise Plus・Field Helper・Autodesk Assistant などの新機能もそのまま使えます。同梱レンダラーは MAXtoA 5.9.0 経由で Arnold 7.5.0.0 にアップデートされており、機能面で通常版に劣る箇所はありません。

選択の判断基準は3つあります。1つ目は年商条件で、本人または所属組織の総収入が USD 100,000 未満であること。2つ目は契約形態で、個人契約専用かつ1人1ライセンスの設計を受け入れられること。3つ目はプロジェクト単位の上限で、1案件の予算が USD 100,000 を超えないこと。この3条件を同時に満たす個人実務者にとって、Indie は通常版の約6分の1の費用で建築VIZ制作環境を整える妥当な選択肢になるでしょう。

注意点として、規約改定や提供地域の変動は起こりえます。「年商40万USD未満」という旧情報や「3ds Max+Maya 統合プラン」など実在しない情報が第三者記事で流通しているため、申請前に Autodesk Indie の最新利用規約を一次情報として押さえておきましょう。Windows 11 限定・.NET 10 依存・DirectX 9 廃止といった3ds Max 2027 の動作要件もあわせて頭に入れておくと、PC更新と契約タイミングを揃えやすくなります。

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CONTENTS

3 LESSONS


基礎編① インストール&7項目の初期設定

Blenderの導入から制作に必要な基本設定

基礎編② 画面構成と基本的な操作方法

未経験でも迷わない画面の見方と操作の基本

実践編① 太陽光の入る白い部屋

建築パースを1作品完成させるまでを体験


BONUSES
体験カリキュラム限定の3大特典


実践編完成データ(.blend)

ショートカット・チートシート

マテリアル ライブラリセット

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