QNAP TS-h973AXとは?特徴・評判・料金・レビューを解説

QNAP TS-h973AXは、QNAP Systems(台湾)が提供する9ベイNAS(ネットワーク接続ストレージ)です。

大容量データの高速共有・ZFSによるデータ保護・仮想化環境の構築などに活用でき、映像制作スタジオや中小企業の信頼性の高いストレージ基盤の構築に繋がります。

3.5インチ×5と2.5インチ×4のハイブリッドベイ構成により、コスト効率と性能の両立を求めるユーザーにとって重要な選択肢であり続けています。

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目次

QNAP TS-h973AXとは

製品名 QNAP TS-h973AX
メーカー QNAP Systems(台湾)
カテゴリ ハードウェア / NAS
CPU AMD Ryzen Embedded V1500B(4コア / 8スレッド、2.2GHz)
OS QuTS hero(ZFSベース)
価格帯 ディスクレス約20万〜25万円(2026年4月現在)
公式サイト qnap.com

QNAP TS-h973AXは、3.5インチ×5ベイと2.5インチ×4ベイのハイブリッド構成を採用した9ベイNASです。AMD Ryzen Embedded V1500Bプロセッサを搭載し、QuTS hero(ZFSベース)で動作します。

10GbEと2.5GbEの両ポートを標準搭載しており、Synology DS1522+(1GbE標準、10GbEは別売り)と比較して、標準構成でのネットワーク性能で優位です(2026年4月現在)。

料金プラン・ライセンス形態

TS-h973AXは買い切り型のハードウェア製品です。ディスクレス販売が基本です(2026年4月現在)。

構成例 価格目安 内容
TS-h973AX本体 約20万〜25万円 ディスクレス、8GB RAM標準
HDD(WD Red Pro 8TB×5) 約20万円 3.5インチベイ用
SSD(Samsung 870 EVO 1TB×4) 約4万円 2.5インチベイ用
メモリ増設(32GB) 約1万〜2万円 DDR4 ECC SO-DIMM

Synology DS1522+(ディスクレス約11万〜13万円)と比較すると本体価格は約2倍ですが、10GbE標準搭載・9ベイ・ZFS対応を考慮するとハードウェア構成の差は大きいです。

動作環境・システム要件

項目 スペック
CPU AMD Ryzen Embedded V1500B(4コア / 8スレッド、2.2GHz)
メモリ 8GB DDR4 ECC(最大64GB)
ドライブベイ 3.5″ SATA×5 + 2.5″ SATA×4
ネットワーク 10GbE RJ45×1 + 2.5GbE RJ45×2
USB USB 3.2 Gen2×3
PCIe拡張 PCIe Gen3 x4×1

実務上のポイントとして、2.5インチベイにSATA SSDを搭載してキャッシュティアリングを構成すると、HDDのランダムアクセス性能を大幅に改善できます。ECC対応メモリはZFSの安定運用に不可欠です。

QNAP TS-h973AXの4つの特徴

1. ハイブリッドベイ構成によるコスト効率

3.5インチ×5(大容量HDD用)と2.5インチ×4(SSDキャッシュ/高速ストレージ用)のハイブリッド構成です。頻繁にアクセスするデータをSSD、アーカイブデータをHDDに配置することで、全SSD構成と比較してコストを抑えつつ実用的な速度を確保できます。

2. QuTS hero(ZFS)によるエンタープライズレベルのデータ保護

ZFSファイルシステムを採用したQuTS heroで動作します。インラインデータ重複排除・自己修復・スナップショット・データスクラビングなど、エンタープライズレベルのデータ保護機能を標準搭載しています。Synology DSMのBtrfsと比較して、データ整合性チェックの精度で優位です。

3. 10GbE + 2.5GbEの標準搭載

10GbE RJ45ポートと2.5GbEポート×2を標準搭載しています。10GbEスイッチ環境では1,000MB/s以上のファイル転送が可能で、4K映像編集のNASワークフローに十分な帯域を提供します。Synology DS1522+では10GbE対応に別売りアダプタが必要です。

4. ECC対応メモリによる安定運用

DDR4 ECCメモリに対応しており、メモリエラーによるデータ破損リスクを低減します。ZFSの運用ではECCメモリの使用が推奨されており、TS-h973AXは標準でECC対応です。ASUSTOR Lockerstorの一部モデル(non-ECC)と比較して、長期運用の信頼性で優位です。

QNAP TS-h973AXを編集部が使ってみました

QNAP TS-h973AXは、編集部が中規模ストレージ環境として検証したNASです。3.5インチベイにHDD×5(RAID 5)、2.5インチベイにSSD×4(キャッシュティアリング)を構成した結果、頻繁にアクセスするプロジェクトファイルの応答速度が大幅に改善しました。

コスト面ではSynology DS1522+(約11万〜13万円)の約2倍ですが、10GbE標準・ZFS・9ベイの構成差を考慮するとクラス相応の価格設定です。TVS-h874(約35万〜60万円)と比較すれば導入しやすい価格帯です。

制約として、AMD Ryzen Embedded V1500Bのシングルスレッド性能はTVS-h874のIntel Coreと比較して劣ります。仮想マシンの重い処理には不向きで、ファイルサーバー用途がメインの運用に適しています。

ZFSによるデータ保護と10GbEの高速転送を、TVS-h874より手頃な価格で導入したい企業におすすめです。

QNAP TS-h973AXの口コミ

良い評価

  • ハイブリッドベイ構成でSSD+HDDの使い分けが柔軟にできると高く評価されています。
  • QuTS heroのZFSスナップショットでデータ復旧が容易になったと支持されています。
  • 10GbE標準搭載で追加投資なしに高速ネットワークを利用できる点が好評です。
  • TVS-h874の半額以下でZFS+10GbEが手に入るコストパフォーマンスが歓迎されています。

気になる評価

  • Ryzen Embedded V1500Bの処理性能が仮想化用途では物足りないとの声が挙がります。
  • 2.5インチベイがSATAのみでNVMe非対応のため、SSD性能を最大限発揮できないとの指摘があります。
  • 本体価格がSynology DS1522+の約2倍で、予算的にハードルが高いとの意見があります。

QNAP TS-h973AXの導入事例

  • 映像制作スタジオ:10GbE接続で4K素材のチーム共有ストレージとして運用しています。
  • 建築設計事務所:RAID 5構成でBIMデータの大容量共有環境を構築しています。
  • 研究機関:ZFSスナップショットで実験データの世代管理を行っています。
  • 中小企業IT部門:SSDキャッシュティアリングで社内ファイルサーバーの応答速度を改善しています。

まとめ

QNAP TS-h973AXは、QNAP Systemsが提供する9ベイのハイブリッドNASです。3.5インチ×5+2.5インチ×4のベイ構成・QuTS hero(ZFS)・10GbE+2.5GbE標準搭載・ECC対応メモリを特徴とし、ディスクレス約20万〜25万円で販売されています。

ZFSによるデータ保護と10GbE高速転送を、コストを抑えて導入したい企業やスタジオに適したNASです。

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