BricsCADとは?特徴・評判・料金・レビューを解説
BricsCAD(ブリックスキャド)は、ベルギーのBricsys社(Hexagon AB傘下)が提供するDWG互換の汎用CADソフトです。
AutoCADと同等の操作体系とコマンド、LISP互換性を保ちつつ、永久ライセンス提供やマルチプラットフォーム対応、2D・3D・BIM・機械設計の統合環境により、AutoCADの有力な代替選択肢として設計業務のコスト効率化に繋がります。
ヨーロッパを中心に世界70カ国以上で利用されており、AutoCAD代替CADの分野で存在感を増しています。
BricsCADとは
| 提供元 | Bricsys NV(ベルギー / Hexagon AB傘下) |
|---|---|
| カテゴリ | CAD / CADソフト(DWG互換汎用CAD) |
| 価格 | 永久 Lite 108,851円 / Pro 165,165円 / BIM 322,822円 / Mechanical 307,807円 / サブスク 年額44,000円〜(税込・2026年4月現在) |
| 対応OS | Windows 10/11 / macOS / Linux |
| 日本語対応 | 有 |
| 公式サイト | bricsys.com/ja-jp |
BricsCADは、2002年にベルギーで設立されたBricsys社が開発する汎用CADソフトです。2018年にHexagon ABに買収され、グローバルな計測・設計ソリューション企業の傘下でさらに開発が加速しています。AutoCADの操作体系とDWGファイル形式をネイティブサポートしており、AutoCAD経験者が違和感なく移行できる点が最大の特徴です。2026年4月現在の最新版はV26で、60以上の新機能とAIチャットパネルが搭載されています。
AutoCADがサブスクリプション専用に移行する中、BricsCADは永久ライセンスの継続提供というAutoCADに対する明確な差別化戦略を取っています。IJCADやZWCADも同じDWG互換CAD系ですが、BricsCADはBIM専用版(BricsCAD BIM)と機械設計専用版(BricsCAD Mechanical)を持つ点で機能面の充実度では最も先行しています。
料金プラン・ライセンス形態
BricsCADは永久ライセンスとサブスクリプションの両方を提供しており、利用形態に応じた選択が可能です(2026年4月現在)。
| グレード | 永久ライセンス(税込) | サブスクリプション | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| Lite | 108,851円 | 年額44,000円〜 | 2D作図専用 |
| Pro | 165,165円 | 年額65,000円〜 | 2D/3D汎用・LISP対応 |
| BIM | 322,822円 | 年額130,000円〜 | BIM設計特化 |
| Mechanical | 307,807円 | 年額120,000円〜 | 機械設計特化・パーツライブラリ |
| Ultimate | 別途見積もり | 別途見積もり | 全機能統合版 |
永久ライセンスには購入後1年間のMaintenance(保守・アップグレード・サポート)が含まれ、2年目以降のMaintenance更新は任意です。例えばLite永久ライセンス108,851円とAutoCAD年額73,700円を比較すると、約1.5年の利用で永久ライセンスの方が経済的となる計算です。長期利用が前提ならBricsCADの永久ライセンスが経済合理性で優位に立ちます。ネットワークライセンス(複数台で同時利用)も提供されており、大規模事務所での運用にも対応します。
動作環境・システム要件
BricsCAD V26の推奨動作環境は以下の通りです(2026年4月現在)。
| 項目 | 最小要件 | 推奨要件 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10/11(64bit)/ macOS 12 / Linux主要ディストリ | Windows 11 / macOS最新版 |
| CPU | Intel Core i5 / AMD Ryzen 5 | Intel Core i7以上 / Apple Silicon |
| メモリ | 8GB | 16GB以上 |
| GPU | DirectX 11対応 | VRAM 4GB以上の専用GPU |
| ディスク | 5GB以上 | SSD 10GB以上 |
Windows・macOS・Linuxの3プラットフォームで同等の機能が使える点はBricsCADの強みです。V26ではDWGファイルのオープン速度がV25と比べて約2.7倍、LISPルーチンの実行速度が約2.8倍高速化されており、大規模プロジェクトでの操作性が大きく改善されています。
BricsCADの5つの特徴
1. AutoCADと高い互換性のDWGネイティブサポート
BricsCADはDWG形式をネイティブでサポートしており、AutoCADで作成したファイルを変換なしで開閉・編集・保存できます。コマンド体系やショートカットキーもAutoCADと互換性があり、AutoCAD経験者が最小の学習コストで移行可能です。LISPやスクリプトの互換性も高く、既存のカスタマイズ資産をそのまま活用できます。IJCADやZWCADも同じDWG互換CADですが、BricsCADは最新DWG仕様への対応速度で先行する傾向があります。
2. 永久ライセンスの提供(AutoCADにはない選択肢)
AutoCADが2017年以降サブスクリプション専用に移行したのに対し、BricsCADは永久ライセンスを継続提供しています。Lite永久108,851円、Pro永久165,165円(税込)という価格帯は、長期利用を前提とする設計事務所にとっては数年で投資回収できる水準です。Maintenance契約を継続しない場合もライセンスの利用権は維持されるため、予算の変動に応じた柔軟な運用が可能です。
3. 4グレード構成による業務別最適化
Liteは2D作図専用、Proは2D/3Dの汎用CADでLISP対応、BIMはBIM設計特化、Mechanicalは機械設計特化と、業務領域ごとに最適化されたグレードを用意しています。BIM版はIFCインポート・IFC出力・Revitとのデータ連携に対応し、建築BIMの実務にも耐える機能性を持ちます。Mechanical版はパーツライブラリ・シート金属設計・アセンブリ機能を搭載しており、機械設計業務でSOLIDWORKSやInventorの代替としても検討できるレベルです。
4. マルチプラットフォーム対応(Windows/macOS/Linux)
Windows・macOS・Linuxの3プラットフォームで同等の機能を提供しており、社内のOS環境が混在する組織でも統一したCAD環境を構築できます。AutoCADはmacOS版の機能がWindows版に比べて一部制限されますが、BricsCADは全プラットフォームで機能差を最小化しています。特にLinuxで本格的なDWG互換CADが使える製品は限定的で、オープンソース志向の組織にとって貴重な選択肢です。
5. V26のAIチャットとパフォーマンス大幅改善
最新のV26では、AIチャットパネルが標準搭載され、コマンドの使い方やドキュメントへのアクセスが自然言語でできるようになりました。Automated Section Creation(自動断面生成)、強化されたDynamic Blocksなど、60以上の新機能・改善が追加されています。DWGファイルオープンで2.7倍、LISPルーチンで2.8倍の高速化という数値もV26の大きな魅力です。
BricsCADについての編集部の見解
BricsCADは、AutoCADの代替CADとして最も機能的に充実した選択肢の一つです。特にBIM専用版・Mechanical専用版まで揃えている点は、IJCADやZWCADなど他のDWG互換CADにはない強みです。AutoCADのサブスクリプション専用化に不満を持つ設計事務所にとって、BricsCADは有力な乗り換え候補となります。
コスト面では、永久ライセンスの存在が最大の価値です。Lite永久108,851円、Pro永久165,165円は、AutoCAD年額73,700円と比較して2年未満で投資回収できる計算となります。BIM永久322,822円も、Revit年額約48万円と比較すれば1年未満で投資回収可能です。大規模事務所向けにはネットワークライセンスも用意されており、組織規模に応じた柔軟な運用ができます。
制約としては、日本国内のユーザーベースがAutoCADやJw_cadに比べて小さく、国内の操作ノウハウ・書籍・オンライン教材が限定的です。日本代理店によるサポートは提供されていますが、AutoCADほど日本の建築事務所文化に馴染みがない点を事前に認識しておく必要があります。最新DWG仕様への対応も速い方ですが、AutoCAD固有の最新機能(AI Smart Blocks等)との完全互換は難しいケースがあります。
コストを抑えつつAutoCAD相当の機能を使いたい設計事務所、BIMや機械設計も視野に入れる組織、Mac/Linuxで本格的なDWG互換CADを求めるユーザーにとって、BricsCADは最も検討価値の高い選択肢の一つです。
BricsCADの口コミ
良い評価
- AutoCADからの移行で操作感の違和感が最も少なく、ショートカットキーやLISPがそのまま使える点が経験者から評価されています。
- 永久ライセンスで長期運用できるため、サブスクリプション負担を避けたい中小事務所にとって有力な選択肢になっているという声が挙がります。
- BIM専用版がRevitの半額以下で使えるため、中小設計事務所のBIM導入障壁を下げるツールとして注目されています。
- Mac・Linux対応がAutoCADより充実しており、開発者やオープンソース志向の組織から支持されています。
気になる評価
- 日本国内のユーザーベースが小さく、書籍や日本語の操作ノウハウがAutoCADに比べて限定的という指摘があります。
- AutoCAD最新版の固有機能(AI Smart Blocksの一部・ダイナミックブロックの複雑な動作等)には完全対応しない場合があるという声があります。
- 国内の協力会社や官公庁とのやり取りではAutoCADが前提の場面も多く、社内だけでなく取引先環境との整合性確認が必要という意見が聞かれます。
BricsCADの導入事例
- 中小設計事務所:AutoCADのサブスクリプション費用負担を抑えるためにBricsCAD Pro永久ライセンスへ移行。数年で投資回収した事例が多く見られます。
- BIM導入検討中の事務所:RevitのライセンスコストでBIM導入を諦めていた事務所が、BricsCAD BIMで段階的にBIMワークフローを導入する事例があります。
- 機械製造業:BricsCAD Mechanicalのパーツライブラリとシート金属機能を活用し、SOLIDWORKSと併用する製造業の事例が見られます。
- 開発会社・オープンソース志向組織:Linux環境下で本格的なDWG互換CADを必要とする組織が採用しています。
まとめ
BricsCADは、AutoCADの代替として最も機能的に充実したDWG互換CADソフトです。永久ライセンスの提供、4グレード構成、Windows/macOS/Linuxのマルチプラットフォーム対応、V26でのAIチャット搭載など、サブスクリプション型AutoCADにはない価値を多く備えています。
永久108,851円(Lite)から322,822円(BIM)という価格体系は、長期利用を前提とする設計事務所にとって経済合理性が高く、AutoCADからの乗り換え検討対象として有力です。国内のユーザーベースが小さい点が弱みですが、日本代理店のサポート体制も整いつつあり、コスト効率とAutoCAD互換性を両立したいユーザーにとって、BricsCADは魅力的な選択肢です。



