バーチャルステージングの費用相場|AI・CG・実物3手法を徹底解説【2026年】
空室の写真しかないのに、家具付きの魅力的な物件画像が必要になるときがあります。バーチャルステージング(空室写真に家具を合成する手法)を使えば数百円から用意できますが、調べてみると「1枚数万円」と「1枚数百円」が桁違いで並び、相場がつかみにくいのではないでしょうか。
値段が大きくぶれる理由は、実物・CG手作業・AIという3つの手法が、同じ名前で語られているためです。
この記事では、バーチャルステージングの費用相場を3つの手法で整理し、料金が変わる要因と費用対効果の考え方までをまとめました。価格は2026年6月時点の各社公式情報をもとにしています。
バーチャルステージングの費用相場|AI・CG・実物の早見表
バーチャルステージングの費用は、実物・CG手作業・AIの順に一段ずつ下がり、AIなら1枚数百円から始められます。同じ呼び名でも手法で桁が変わるため、まず3手法の相場を押さえると判断がぶれません。
| 手法 | 費用の目安 | 所要時間 | 仕上がりの特徴 |
|---|---|---|---|
| 実物ステージング | 1物件20〜30万円 | 数日〜1週間 | 実物で最も自然 |
| CGバーチャルステージング(手作業) | 1枚1〜5万円 | 2〜5営業日 | デザイナーの技量で安定 |
| AIホームステージング(自動生成) | 1枚数百〜数千円 | 30秒〜数分 | ばらつきがあり目視チェックが前提 |
ソース: カグオク「デジタルステージングとは」 / HOME’S 不動産売却ガイド(いずれも2026年6月時点)
3つの手法で費用の桁が変わる
費用が最も高いのは、本物の家具を運び込む実物ステージングです。家具のレンタル代に加えて搬入と搬出の人件費がかかるため、1物件で20〜30万円ほどになります。空室を魅力的に見せる効果は高いものの、再手配のたびに費用と手間が発生します。
CG手作業のバーチャルステージングは、デザイナーがPhotoshopや3DCGソフトで家具を合成する方法です。1枚1〜5万円が目安で、仕上がりは安定しますが、修正依頼のたびに再制作が発生します。
AIホームステージングは、画像生成AIが空間を自動認識して家具を配置します。1枚数百〜数千円で、実物のおよそ5分の1から10分の1の水準まで下がります(カグオク、2026年6月時点)。たとえば中古マンションのリビング1カットを魅せたいとき、実物搬入なら数十万円かかる演出が、AIなら数百円から試せます。
「AI」と「CG手作業」は別物
同じバーチャルステージングでも、自動生成のAIと手作業のCGでは料金が一桁違います。AIは画像生成で家具を自動配置するため低単価で速い反面、仕上がりにばらつきが出ます。CGはデザイナーが1枚ずつ合成するため単価は高いものの、品質が安定します。
検索結果で見かける「1枚1万円前後」はCG手作業、「1枚数百円」はAIを指していることが多く、ここを混同すると相場感がずれます。用語の違いと仕組みはAIホームステージング完全ガイド|仕組み・費用から不動産活用までで整理しています。
料金が変わる4つの要因
同じAIでも、提供形態・枚数・加工内容・納品スピードの4点で1枚あたりの単価が動きます。見積もりを読むときはこの4つで比べると、安さの理由が見えてきます。
①セルフ型かおまかせ型か
利用者自身が生成するセルフ型か、人の目によるチェック付きで納品されるおまかせ型かで、単価が変わります。セルフ型は低単価で、たとえばカグオクのセルフプランは1枚1,480円(税込)で初回無料、最短1分で生成できます(カグオク、2026年6月時点)。
おまかせ型は人のチェックが入る分だけ仕上がりが安定し、その代わり単価は高めです。カグオクの完全代行プランは1枚3,980円(税込)で、最短3時間から12時間以内に納品されます。自分で採否を判断する手間を省きたいなら、おまかせ型が向いています。
②枚数(まとめるほど下がる)
発注枚数が増えると、1枚あたりの単価が下がる料金設計が一般的です。LIFULLの「らくらくデコルーム」は1枚233円からで、大量処理を前提としたプランが用意されています(decoroom.jp、2026年6月時点)。
ここで見るべきは、月額制か従量課金かという違いです。毎月たくさんの物件を扱うなら月額制で1枚あたりを抑えられますが、たまにしか使わないなら従量課金のほうが無駄がありません。自社の取扱件数で損益分岐が変わります。
③家具消し・追加加工の有無
家具を配置するだけか、家具消しや壁床の変更まで含むかで、加算される費用が変わります。居住中の物件から生活用品をAIで消すデクラッター(片付け)機能は、加工の手間が増えるぶん単価が上がる傾向です。
家具消しのやり方と注意点はバーチャルステージングの家具消し・空室化のやり方|設備を残す注意点で解説しています。
④納品スピード
即時に出力されるセルフ型と、人手が入る代行型では、納品までの時間と料金が変わります。セルフ型は最短1分、代行型は最短3時間から数日が目安です。内見直前の急ぎ案件では割増になる場合があるため、スケジュールに余裕を持って依頼すると費用を抑えられます。
主要AIサービスの料金の見方
国内のAIサービスはセルフ型の1,000円台からおまかせ型の4,000円弱までが中心で、海外勢は1枚1ドル台から選べます。代表的な料金を押さえ、網羅的な比較はデータベースで確認するのが効率的です。
| サービス | 料金(税込・2026年6月時点) | 形態 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| カグオク | セルフ1,480円/枚(初回無料)・代行3,980円/枚 | セルフ+おまかせ | 人のチェック付き代行 |
| らくらくデコルーム(LIFULL) | 233円〜/枚 | セルフ | 大量処理向けプラン・AI家具消し搭載 |
ソース: kaguoku.jp / decoroom.jp(いずれも2026年6月時点)
国内サービスの料金例
国内サービスは日本語のサポートと不動産業務への対応が手厚い点が利点です。カグオクはセルフと代行を選べ、らくらくデコルームは枚数の多い案件に向いたプラン設計になっています。
たとえば月に5物件・各3カットを扱う賃貸仲介なら、セルフ型で月15枚を生成する計算です。このとき1枚あたり数百円の差が、そのまま月のコスト差として積み上がります。料金改定は早いため、契約前に各社公式で最新の金額を確認しておくと安心です。
海外サービスの料金感
海外のAIサービスは、低単価と大量処理に強みがあります。米国の比較記事では、AI自動生成型が1枚$1〜15、人手レビュー型が1room $75〜150、サブスク型が月$19〜49という相場が示されています(RefreshDecoAI、2026年時点)。
大量の物件をまとめて処理するなら海外サービスのコスト面が効いてきますが、日本語の問い合わせ対応は国内サービスのほうが心強いはずです。案件の規模と求めるサポート水準で使い分けるとよいでしょう。
全サービスを横並びで比べるなら
1社ずつ調べるより、比較表で一望したほうが選びやすくなります。不動産向け16サービスの料金と機能はAIホームステージング比較【不動産向け16サービス】、無料で使える範囲は無料バーチャルステージングツール比較6選にまとめています。
費用対効果についての編集部の見解
費用対効果は1枚あたりの単価ではなく、必要枚数と品質チェックの手間まで含めた総額で見るのが現実的だと編集部では考えています。安さだけで選ぶと、不採用カットの作り直しでかえって割高になることがあるためです。なお以下は各社公式と海外レビューの共通見解をもとにした分析であり、特定サービスの実測値ではありません。
1物件あたりの実コストで考える
1枚単価が安くても、1物件で使うカット数を掛け合わせると総額は変わってきます。実際の物件ではリビング・洋室・水回りなど複数カットを用意するため、必要枚数と単価の掛け算が実コストになります。
AIの自動生成では、不自然な仕上がりのカットを作り直す前提で見積もるのが安全です。1枚の安さに引かれて選んでも、再生成を繰り返せば結局おまかせ型と変わらない総額になることもあります。
品質チェックという隠れコスト
見落とされがちなのが、生成画像を目視で確認する工数です。AI生成には、壁への家具のめり込み、家具スケールの不自然さ、影と光源の矛盾といった破綻が起きます。これを見抜いて弾く作業が、実質的な品質管理コストになります。
建築パース制作の経験があれば、空間的な不整合を素早く判別できます。破綻チェックの観点はAI建築パースにおける品質管理の考え方で詳しく整理しています。チェック前提のおまかせ型を選ぶか、自前でチェックできるセルフ型で単価を抑えるかは、社内の体制しだいです。
回収はどこで測るか
かけた費用が回収できるかは、売却と賃貸で測り方が変わります。売却での早期成約や好印象の効果は売却物件のバーチャルステージング効果|早期成約につなげる方法、賃貸の反響や内見の増加はバーチャルステージングで賃貸の空室対策|反響率を上げる使い方で解説しています。
参考として、米国のステージング業者がまとめた集計では、ステージングした物件が成約まで早かったという報告もあります(Instant Interior AI、2026年時点)。ただしこれは事業者公表の数値で、対象も実物を含むステージング全般です。日本市場やバーチャル単体の効果とは分けて、参考程度に捉えてください。
費用を抑えるコツと注意点
無料枠と初回無料を試してから有料に進み、案件が増えたら自作も選択肢に入れると、費用を最小限にできます。ただし無料で作っても、広告に載せるときの注記は省けません。
無料枠・初回無料・自作を使い分ける
初回無料や無料枠で品質を確かめてから有料プランに進むと、無駄な出費を避けられます。カグオクのセルフプランのように初回無料のサービスを使えば、自社の物件写真で仕上がりを試せます。
案件数が増えてきたら、自作という手もあります。画像生成AIのStable Diffusion(無料で使える画像生成AI)を自分の環境で動かせば、月額の固定費をかけずに枚数無制限で生成できます。自作の手順はAIホームステージングを自作する方法|無料ツールと5ステップでまとめています。
安さ優先で見落としやすい注意点
無料ツールで作った画像でも、不動産広告に使うなら「※家具・小物はCGで合成したイメージです」といった注記が必要です。注記のない掲載は、景品表示法や不動産の表示に関する公正競争規約に触れるおそれがあります(首都圏不動産公正取引協議会の見解、2022年10月5日)。
搬入できない大きさの家具を置いたり、部屋の構造を変えたりする生成は、実物と異なる印象を与える優良誤認になりかねません。費用を抑える前提として、この線引きは外せないポイントです。
これからのバーチャルステージング費用はどう変わるか
AI自動生成の普及で、バーチャルステージングの単価は今後も下がりやすい方向にあります。1枚ごとの従量課金から月額のサブスクへ移る流れも進んでおり、毎月一定数を扱う不動産会社ほど1枚あたりのコストを抑えやすくなるでしょう。
一方で、開示ルールは厳しくなっています。米国カリフォルニア州では、改変した物件画像の開示と元画像へのリンク提示を求めるAB723が2026年1月1日に施行されました(MeltFlex、2026年時点)。日本でも注記運用が当たり前になっていくと考えられます。
価格が下がるほど、差がつくのは「生成の安さ」ではなく「破綻を弾く品質管理」です。安く大量に作れる時代だからこそ、空間を見る目を持つ制作者の役割が、費用以上の価値を持つようになります。
まとめ
バーチャルステージングの費用相場と、料金の決まり方を整理しました。要点は次の4つです。
第一に、費用は実物・CG手作業・AIで桁が変わり、AIなら1枚数百円から始められます。第二に、同じAIでもセルフかおまかせか、枚数、家具消しの有無、納品スピードの4要因で単価が動きます。第三に、費用対効果は1枚単価ではなく、必要枚数と品質チェックの工数まで含めた総額で判断します。第四に、無料で作っても広告に使うなら注記が必要です。
どのサービスが自社に合うかは、料金だけでなく対応範囲やサポートで変わります。まずは無料枠で品質を試し、取扱件数に応じてセルフ・おまかせ・自作を使い分けるのが、費用を抑える近道です。
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