建築パース外注のおすすめ10選【2025年版｜料金・特徴を徹底比較】

建築パースを外注したいけれど、「どこに頼めばいいかわからない」「費用や納期の目安がつかめない」と感じていませんか？この記事では、建築パース制作を依頼できるおすすめの外注先10選（＋海外1社）を、目的別に比較しながら詳しく紹介します。

さらに、料金相場・納期の目安・発注時の注意点・成功のコツまで、建築CGのプロ視点で徹底的に解説しています。これからパースを依頼しようと考えている設計者や不動産関係者、個人施主の方まで、誰でも「最適な外注先」を見つけられる内容です。

パース外注で失敗しないために、まずは本記事で比較のポイントを整理し、目的や予算に合った依頼先を見つけてみてください。

建築パース外注の選び方と比較ポイント

建築パースを外注する際は、「料金の安さ」だけで選ぶのは危険です。仕上がりの品質や対応範囲、修正の柔軟性なども含めて総合的に判断することで、失敗リスクを減らせます。この章では、パース外注先を選ぶときにチェックすべき比較ポイントと、依頼前に整理しておくべき条件を解説します。

建築パース外注の比較ポイント（料金・品質・対応範囲）

建築パースの外注では、単に料金が安いという理由だけで選んでしまうと、納品物の品質や対応に不満が出やすくなります。実務で失敗しないためには、いくつかの視点でバランスよく比較することが重要です。

• 料金
  静止画1カットで3〜8万円が相場ですが、カット数や納期、修正回数によって変動します。最安値を重視するよりも、目的に合った価格帯を見極める視点が求められます。
• 品質
  フォトリアル表現やリアルタイム対応など、会社ごとに得意な仕上がりが異なります。実績ギャラリーやテイストの傾向を事前に確認することが大切です。
• 対応範囲
  単なるパース作成にとどまらず、アニメーション・VR・BIM連携などの拡張対応が可能かどうかも差別化要素になります。図面作成から依頼できる会社も存在します。

結果として、料金・品質・対応範囲の3軸を明確に整理し、自分の目的と照らし合わせて依頼先を選ぶのが失敗しない第一歩です。

一括比較の前に、何を優先するか自分の中で整理しておくとスムーズです。

依頼前に確認すべき3つの条件（用途・納期・データ形式）

外注でトラブルが起きやすいのは、依頼者側の要件が曖昧なまま見積もりや制作が進むケースです。これを防ぐために、事前に確認・整理しておくべき3つの条件があります。

• 用途
  建築パースは提案用、施工用、広告・販売用など目的が異なります。それにより必要なリアリティや構成が変わるため、最初に明示しましょう。
• 希望納期
  通常は5〜10営業日が基本ですが、会社や案件によって変動します。希望がある場合は、事前相談で調整可能か確認しましょう。
• 納品形式
  JPEGやPNGの静止画か、PSDなどレイヤー付きか、さらにBIM・DWG連携の必要があるかどうかもポイントです。図面との整合性を意識した形式選びも重要です。

この3点を整理したうえで依頼することで、見積もり精度も上がり、やり取りの齟齬も大きく減らせます。

初めての建築パース外注で失敗しないコツ

建築パースの外注を初めて行う場合、特有の落とし穴にはまるケースが少なくありません。失敗しやすいポイントとその回避方法を知っておくと安心です。

よくある失敗の1つは、依頼内容が曖昧なことです。「こんな感じで」といった表現では、仕上がりイメージの共有が困難です。参考資料やラフスケッチ、要望メモを添えて明確に伝えるようにしましょう。

もう1つの失敗要因は、「修正ポリシーの確認不足」です。無料修正の範囲、対応スピード、回数制限の有無などは会社によって異なります。事前に明示された範囲を必ず確認してください。

また、「実績をチェックせずに依頼する」のもリスクです。制作会社の公式サイトやポートフォリオから、建物の種類・テイストが自分の目的に合うか確認するのが基本です。

要は、「伝えること」と「調べること」を丁寧に行うだけで、外注の成功率は大きく高まります。

成功事例・失敗事例から学ぶ外注のポイント

成功している外注プロジェクトにはいくつか共通点があります。特に重要なのが「初期指示の明確さ」と「進捗共有のタイミング」です。

成功事例では、多くが「初期に詳細な仕様書やラフを共有」「途中段階でテストレンダリングの確認」などを実施しています。こうしたコミュニケーションの積み重ねが、認識のズレを防ぎます。

一方で、失敗事例では「目的が伝わっていない」「確認のタイミングが遅れた」ことが原因になるケースが目立ちます。特に納期ギリギリで修正が発生すると、品質かスケジュールどちらかを犠牲にせざるを得ません。

たとえば、ある案件では設計検討用のパースを広告クオリティで制作され、工期もコストも合わずにやり直しになった例があります。用途のすれ違いが発注ミスを生む典型です。

事前共有・中間チェック・用途の明示。この3点を守るだけでも、大きなトラブル回避につながります。

建築パース外注のおすすめ10選【2025年最新版】

数ある建築パース制作会社の中から、実績・価格・対応力をふまえて厳選したおすすめ外注先10社を紹介します。国内を中心に、得意分野や特徴が異なるスタジオを比較できるため、用途や予算に合った最適な依頼先を見つけやすくなります。最後にコスト重視の海外外注先も1社取り上げます。

① パースペクティブスタジオ｜高品質な建築CGが得意

 パースペクティブスタジオは、フォトリアルな建築CG表現を得意とする外注スタジオです。光源やマテリアルの再現にこだわり、実写と見紛うレベルのレンダリングを提供しています。デベロッパー案件や大型施設のビジュアル提案にも豊富な実績を持ち、「質を最優先する」発注者に適しています。納期・料金はやや上位帯ですが、その分クオリティと対応力が高く設計意図を忠実に反映できる体制が整っています。

項目	内容
会社名	パースペクティブスタジオ
主な強み	フォトリアル建築CG、光・質感の作り込み
対応パースタイプ	静止画／背景込み外観・内観／（要確認：VR・動画）
対応ソフト・BIM対応	要確認
料金目安(国内)	高価格帯（具体料金要見積もり）
海外・オフショア対応	不明
納期目安	要確認（高品質案件のため最低営業日数長め）
修正回数・ポリシー	要確認
実績・対象建築種別	デベロッパー・大型施設・商業施設など
日本語対応・コミュニケーション体制	国内スタジオ、日本語窓口あり
注意点・依頼時の備考	予算の余裕・初期指示の詳細化が重要

② 株式会社アーキビジョン｜最短2営業日のスピード納品

 株式会社アーキビジョンは、スピード納品を強みとする建築パース外注先です。最短2営業日という納期実績を持ち、小規模〜中規模建築の設計事務所や工務店で「急ぎでパースが必要」という場面で活躍します。テンプレート的な構成や流れを標準化しており、コスト・納期を抑えたい案件にフィットします。一方で、表現の細部や特殊仕様では別途相談になる可能性があります。

項目	内容
会社名	株式会社アーキビジョン
主な強み	超短納期対応（最短2営業日）
対応パースタイプ	静止画／住宅・中小規模建築向け
対応ソフト・BIM対応	要確認
料金目安(国内)	中〜低価格帯、スピード重視向け
海外・オフショア対応	不明
納期目安	最短2営業日～（案件・仕様により変動）
修正回数・ポリシー	要確認（回数制限あり可能性）
実績・対象建築種別	中小規模住宅・設計事務所案件向け
日本語対応・コミュニケーション体制	日本国内対応、日本語窓口有
注意点・依頼時の備考	納期重視ゆえ指示精度・簡易仕様が前提になる可能性あり

③ BuildRender｜BIMデータ対応で効率的な制作が可能

 BuildRenderは、BIM（Building Information Modeling）データから直接パースを生成できる体制を整えた外注先です。Revit・ARCHICADなど主要BIMソフトとの連携実績があり、設計段階から施工段階にかけて整合性を保ったCG制作が可能です。大規模案件や構造重視のプロジェクトに特に適しており、モデリングの重複を削減できるため納期・コストの効率化にもつながります。ただし、BIMモデルがないまたは精度が低い場合は別途費用・時間が必要になるため、発注前に確認が必要です。

項目	内容
会社名	BuildRender
主な強み	BIMデータ連携による高効率制作
対応パースタイプ	静止画／大型建築・施工検討用途も対応可能
対応ソフト・BIM対応	BIMデータ（Revit, ARCHICAD 等）との連携
料金目安(国内)	大規模案件向けの中〜高価格帯
海外・オフショア対応	要確認
納期目安	モデルの準備状況により変動が大きい
修正回数・ポリシー	要確認
実績・対象建築種別	大規模施設・公共建築・施工段階への適用等
日本語対応・コミュニケーション体制	国内対応、日本語窓口有
注意点・依頼時の備考	BIMモデルの精度・準備状態を事前チェックすること

④ VISUALIZE JAPAN｜商業施設・都市開発向け

 VISUALIZE JAPANは、商業施設や都市開発プロジェクトに対して豊富なビジュアル表現の実績を持つ制作会社です。大規模な敷地や複合施設で求められるスケール感やランドスケープ演出、PBR（物理ベースレンダリング）技術による質感表現を強みとしています。プレゼン資料として「見せる力」を重視したい案件、行政や投資家向けのビジュアルを必要とするプロジェクトに特に向いています。

項目	内容
会社名	VISUALIZE JAPAN
主な強み	商業施設・都市開発案件の実績／スケール感・ランドスケープ表現
対応パースタイプ	静止画／広域鳥瞰／複合施設・駅前開発等
対応ソフト・BIM対応	要確認
料金目安(国内)	中〜高価格帯（大規模案件想定）
海外・オフショア対応	要確認
納期目安	要確認（大規模＋調整多め）
修正回数・ポリシー	要確認
実績・対象建築種別	商業施設・都市開発・複合用途施設
日本語対応・コミュニケーション体制	国内対応、日本語窓口あり
注意点・依頼時の備考	規模・構図を明確に提示することが重要

⑤ モデリカ｜低価格で個人住宅にも対応

 モデリカは、小規模住宅や個人事業主の案件に適した価格帯とサービス体制を提供しているパース制作会社です。1カット2万円台からのプランもあり、コストを抑えて「施主にイメージを伝える」用途には十分なクオリティを備えています。量産物件や小規模リフォームなど、コスト優先かつシンプルな構図で十分という条件なら、非常に使いやすい選択肢です。

項目	内容
会社名	モデリカ
主な強み	低価格／個人住宅・小規模案件向け
対応パースタイプ	静止画／住宅・リフォーム向け
対応ソフト・BIM対応	要確認
料金目安(国内)	1カット2万円台～（規模・仕様次第）
海外・オフショア対応	要確認
納期目安	要確認（中規模より短納期想定）
修正回数・ポリシー	要確認
実績・対象建築種別	住宅・リフォーム・個人向け設計事務所案件
日本語対応・コミュニケーション体制	国内対応、日本語窓口あり
注意点・依頼時の備考	照明・質感精度や特注仕様は別途相談が必要な場合あり

⑥ Artrick｜海外CGチームとの連携で高品質・低価格

 Artrickは、国内ディレクションと海外制作チーム（オフショア）を組み合わせたハイブリッド体制を持つパース外注サービスです。日本側で要件整理・指示窓口を担い、海外チームがモデリング・レンダリングを行うことで、国内のみの制作体制よりもコストを抑えながら、比較的高品質な仕上がりを実現しています。発注側が「品質は落としたくないが予算を抑えたい」という条件なら、選択肢として十分検討に値します。ただし、指示内容・ラフ共有・コミュニケーション体制の明確化が成功の鍵です。

項目	内容
会社名	Artrick
主な強み	国内指示＋海外制作チームによるコストパフォーマンス
対応パースタイプ	静止画（住宅・商業問わず）／可能性としてVR・動画相談可
対応ソフト・BIM対応	要確認
料金目安(国内)	中価格帯（国内品質＋オフショアコスト削減）
海外・オフショア対応	有（海外制作チームとの連携）
納期目安	要確認（国内＋海外体制ゆえ調整必要）
修正回数・ポリシー	要確認
実績・対象建築種別	住宅～中規模商業までコスト重視案件
日本語対応・コミュニケーション体制	日本語窓口あり（国内ディレクション）
注意点・依頼時の備考	海外制作ゆえ「指示書・参考資料・進捗確認」を丁寧にすることが重要

⑦ Re:Create｜リノベ・内装特化の提案型

 Re:Createは、リノベーションや内装設計に特化した建築パース外注サービスです。単なる図面の3D化にとどまらず、インテリア提案の一環としてパース作成を進められるのが特長です。施主に対して空間のイメージを共有する場面で強く、マテリアルの組み合わせやライティングの表現が丁寧です。打ち合わせ段階でのプレゼン資料やSNS活用にも対応した柔軟な制作スタイルが魅力です。

項目	内容
会社名	Re:Create
主な強み	リノベ・内装特化、提案型のパース対応
対応パースタイプ	静止画／インテリア重視／リノベーション向け
対応ソフト・BIM対応	要確認
料金目安(国内)	中価格帯（提案力＋柔軟対応）
海外・オフショア対応	不明
納期目安	要確認（比較的柔軟）
修正回数・ポリシー	要確認（柔軟との記載あり）
実績・対象建築種別	住宅リノベーション／店舗内装／家具提案等
日本語対応・コミュニケーション体制	日本語対応／国内窓口あり
注意点・依頼時の備考	外構・建物全体ではなく内装に強みあり

⑧ DesignWave｜動画・VR・360°にも対応

 DesignWaveは、静止画に加えてアニメーションや360°VR、ウォークスルー形式の動画など、多様な出力形式に対応している建築CG制作会社です。分譲住宅のプロモーションや企業のプロジェクトプレゼンで映像コンテンツが必要な場面に特に重宝されます。モーショングラフィックと3DCGを組み合わせた演出も得意で、他の制作会社では対応しきれない広報映像にも柔軟に対応可能です。

項目	内容
会社名	DesignWave
主な強み	建築動画・VR・モーショングラフィック対応
対応パースタイプ	静止画／360°VR／ウォークスルー動画／アニメーション
対応ソフト・BIM対応	要確認（CG系＋動画編集系ソフト）
料金目安(国内)	高価格帯（動画30万〜、VR50万〜など）
海外・オフショア対応	要確認
納期目安	2〜3週間〜（映像内容による）
修正回数・ポリシー	要確認（映像系は都度確認が基本）
実績・対象建築種別	モデルハウス／集合住宅／商業施設プロモ等
日本語対応・コミュニケーション体制	日本語対応／映像知識のある担当者が対応
注意点・依頼時の備考	データ量が大きいため共有方法や確認環境を事前に調整

⑨ A-Render｜建築士監修で精度の高いパースを提供

 A-Renderは、社内に一級建築士が在籍しており、パース制作時にも建築的な整合性を重視した監修体制を取っています。意匠・構造の整合性を担保した図面ベースの表現が可能なため、行政提出資料や設計検討用パースに適しています。図面とビジュアルの齟齬が少なく、建築士同士でスムーズなやり取りが可能になるのも特長です。品質と信頼性を重視する方にとって強力なパートナーになります。

項目	内容
会社名	A-Render
主な強み	建築士監修／整合性の高いパース表現
対応パースタイプ	静止画／設計検討用／行政提出資料向け
対応ソフト・BIM対応	要確認（図面ベースでの制作対応）
料金目安(国内)	中〜高価格帯（監修費用含む）
海外・オフショア対応	無し（国内制作）
納期目安	5〜10営業日程度（規模により変動）
修正回数・ポリシー	要確認（監修付きで安定）
実績・対象建築種別	戸建・集合住宅・公共施設等の行政関連資料
日本語対応・コミュニケーション体制	建築士が対応、日本語窓口あり
注意点・依頼時の備考	建築的整合性を重視したい案件で活用すべき

⑩ SpaceArtWorks｜光源再現に優れたフォトリアル表現

 SpaceArtWorksは、自然光・人工照明の再現を徹底的に追求したフォトリアル系建築CGスタジオです。時間帯（朝・昼・夕・夜）による光の変化や影・反射・マテリアル感を高精度に描写する技術に特化しており、完成予想図・販売促進用ビジュアル・高級物件のブランディングに向いています。実写レベルの質感を求める発注者にとって、有力な依頼先です。ただし、こうした高精度表現ゆえにコスト・時間の見積もりに余裕を持つ必要があります。

項目	内容
会社名	SpaceArtWorks
主な強み	光源再現／時間帯変化／フォトリアル質感
対応パースタイプ	静止画（外観・内観）／高級ブランディング向け
対応ソフト・BIM対応	要確認
料金目安(国内)	高価格帯（詳細見積もり必須）
海外・オフショア対応	要確認
納期目安	要確認（構図・修正回数に依存）
修正回数・ポリシー	要確認
実績・対象建築種別	高級住宅・商業施設・販売促進用物件
日本語対応・コミュニケーション体制	国内対応想定
注意点・依頼時の備考	光源・時間帯・マテリアルの仕様を明確にしてから依頼すること

⑪ CGCraft Vietnam｜コスト重視の海外外注先（ベトナム拠点）

 CGCraft Vietnamは、ベトナム拠点でコストを抑えつつ建築パース制作を行う外注先の一例です。ベトナムなど人件費の低い国を活用することで、国内相場の30〜50％程度のコストで制作できるケースが報告されています。DIV 都市開発有限会社、株式会社Joh Abroadなど日本語でのやり取りが可能な体制がある会社もあり、予算を最優先に大量カットや反復案件を処理したい場合に検討価値があります。ただし、時差・文化・制作基準の差によりコミュニケーションが難しいケースもあり、仕様書やチェック体制を強めに設けるのが成功の鍵です。

項目	内容
会社名	CGCraft Vietnam
主な強み	低コスト／大量処理／海外オフショア活用
対応パースタイプ	静止画（住宅～中規模建築）／場合により動画・VR相談可
対応ソフト・BIM対応	要確認（BIM対応の記載少）
料金目安(国内)	国内相場の30〜50％水準（例：住宅外観35,000円〜）株式会社Joh Abroad
海外・オフショア対応	有（ベトナム拠点）
納期目安	要確認（仕様・修正回数により変動）
修正回数・ポリシー	要確認（文化・言語で齟齬が出る可能性あり）
実績・対象建築種別	住宅・集合住宅・量産物件向けが多め
日本語対応・コミュニケーション体制	日本語対応可能な会社もあり（要確認）
注意点・依頼時の備考	指示・仕様書・参考資料を詳細に準備／進捗確認を頻繁に行うこと

建築パース外注の料金相場と納期の目安

建築パースを外注する際の「費用」と「納期」は、依頼内容によって大きく変わります。とくに静止画か動画か、修正の回数やBIM連携の有無などが料金を左右します。この章では、一般的な相場感と、見積もり時に注意すべきポイントを整理します。

静止画パースの料金と納期相場

静止画の建築パースは、最も一般的に外注される形式です。用途によって求められるクオリティが変わるため、料金と納期の幅にも大きな差があります。

一般的な相場は、1カットあたり 3万〜8万円前後です。住宅外観・内観の場合は3〜5万円程度、商業施設や都市開発案件など構成が複雑なものは5万円を超えることが一般的です。

納期の目安は 5〜10営業日。ただし、下記の要素で前後します。

• モデリングの有無（3Dモデルがない場合は＋2〜3日）
• 修正回数とその内容（構図変更は大幅に影響）
• 繁忙期（春・秋）かどうか

たとえば「提案用に雰囲気だけ掴みたい」という簡易パースなら、1カット2〜3万円・納期3〜5日で収まるケースもあります。一方で、竣工図ベースの精密表現になると、10万円を超えるケースもあります。

見積もり前には、構図・希望のテイスト・モデルの有無などを明確に伝えることが、適正な価格と納期を得るポイントです。

アニメーション・VR対応パースの料金相場

建築パースの中でも、アニメーションやVR（360°パース）は表現力が高く、提案や販促で活用されることが増えています。ただし、制作工数が増えるため、料金相場は静止画に比べて高額になります。

アニメーションパースの相場は、30万〜100万円前後です。尺（長さ）や解像度、モーションの複雑さによって価格が大きく変動します。たとえば15〜30秒の簡易ウォークスルーなら30万前後、1分超のCGムービーなら80万〜100万円が目安です。

VR（360°静止画）は、1カットあたり 5万〜15万円が目安です。インタラクティブな要素を含める場合はさらに高額になります。

納期はアニメーションで 2〜3週間前後、VRは仕様によって 1〜2週間程度です。

これらは動画編集やサーバー環境も含めた制作になることが多く、仕様の確定や初期指示の精度が費用と納期を大きく左右します。

修正対応・追加費用の注意点

外注先によって修正の取り扱い方は異なりますが、多くの制作会社は無料修正の回数を2〜3回までに設定しています。

それ以上の修正、特に「構図変更」「ライティング全変更」「マテリアル差し替え」などは再レンダリングを要するため、追加料金が発生することが一般的です。

修正対応の例としては以下の通りです

修正内容	対応可否	備考
カラーや素材の微調整	無料の範囲内（多くの場合）	初回指示通りなら対応可
構図変更	有料になる可能性大	レンダリング再処理が必要
建物形状の修正	モデル再編集が必要な場合は有料	図面レベルの変更は高額に
テイストの変更	原則NGまたは再見積もり	「イメージと違う」は避けたいパターン

見積もり前に「どこまでが無料対応か」「修正1回にかかる費用」を確認することが、トラブル防止につながります。

また、初回指示に参考画像や色味の明示を含めておくと、修正そのものを減らせるため、全体コストの最適化にもつながります。

建築パース外注を成功させる3つのコツ

建築パースの品質は、依頼後のコミュニケーションで大きく変わります。最初の指示、参考資料の共有、納品後の対応。この3つのポイントを丁寧に行うだけで、仕上がりの満足度が一気に高まります。この章では、外注を成功に導くための基本的な進め方を紹介します。

① 最終目的を明確に伝える

建築パースを外注する際に、最も重要なのが「どんな目的で使うか」を正確に伝えることです。これは完成イメージの方向性や表現方法に直結します。

たとえば、広告用パースと施工用パースでは必要な情報量やリアリティの度合いがまったく異なります。広告用なら照明や演出にこだわり、施主の感情に訴える仕上がりが求められます。一方、施工用では図面との整合性や構造の明快さが優先されます。

外注先に伝えるべき目的の例

• 提案用：施主やクライアントへのイメージ共有
• 広告用：Webサイトやチラシでの販促活用
• 設計検討用：内部のデザイン検討・構造チェック
• 行政提出用：許認可取得の補助資料

これらを曖昧にしたまま依頼してしまうと、思っていたものと違う仕上がりになりやすく、修正ややり直しの手間が発生します。

目的を明確にすることで、構図・ライティング・演出すべてにおいて方向性がぶれず、完成度の高いパースにつながります。

② サンプルや参考資料を必ず共有する

依頼者の「イメージしている仕上がり」と、外注先の「受け取った印象」がずれてしまうことは、建築パース外注ではよくある問題です。この齟齬を防ぐには、言葉だけでなく「画像」で共有するのが最も有効です。

具体的には以下のような資料が役立ちます

• 他社や過去案件の参考パース画像
• 使用したいマテリアル・素材サンプル（写真・テクスチャ）
• イメージカラー・トーンの指示（ナチュラル／モダンなど）
• ラフスケッチや配置図に赤ペンで追記した資料

これらを初回指示とセットで共有することで、やり取りの回数を減らし、修正コストの削減にもつながります。

たとえば、内観パースで「落ち着いた雰囲気」とだけ伝えるより、「この画像のような間接照明＋マット素材の床にしたい」と共有した方が、完成イメージが具体的に伝わります。

共有資料の有無は、納品後の満足度を大きく左右します。

③ 納品後のフィードバックで品質向上

外注は一度きりの取引ではなく、継続的な関係を築けるかどうかが非常に重要です。そのため、納品後に「何がよかったか／どこが改善点か」をきちんとフィードバックすることで、次回以降の品質が確実に向上します。

特に以下のような点を丁寧に伝えると、外注先も改善しやすくなります

• 「この構図は〇〇の意図を汲んでいてよかった」
• 「光の入り方はもう少し自然光を強めにしたい」
• 「マテリアルは次回もう少しザラっとした質感に」

重要なのは「主観ではなく論理的に伝えること」です。感覚的な言葉ではなく、具体的に「どこを・どう・なぜ変えたいのか」を言語化することで、誤解を防ぎながら改善を進められます。

また、フィードバックは「悪い点だけ」ではなく、「良かった点」も併せて伝えることで、外注先のモチベーションと信頼感の向上にもつながります。

よくある質問（FAQ）

建築パースの外注は専門性が高いため、初めて依頼する場合は「費用の目安」「どこまで対応してくれるのか」など、さまざまな疑問が浮かびがちです。この章では、実際の相談現場でよくある質問とその回答をまとめました。

Q1.建築パース外注の費用はどれくらいかかる？

建築パース外注の費用は、依頼内容によって大きく変わります。一般的な静止画1カットで 3万〜8万円が相場です。戸建住宅の外観や内観であれば3〜5万円程度で対応可能なケースが多く、マンションや商業施設など構成が複雑な場合はそれ以上になります。

動画やVRといったモーション系の場合、相場は以下の通りです

• アニメーション：30万〜100万円
• 360°VRパース：5万〜15万円

最終的な費用は「モデルの有無」「構図」「修正の回数」などにも左右されるため、初回の指示をしっかり準備し、見積もりを複数社で比較するのがおすすめです。

Q2.外注先を選ぶ際のチェックポイントは？

建築パース外注先を選ぶ際には、次の4点を重視することで、失敗を防ぎやすくなります。

1. 過去実績：得意分野（住宅／商業／都市開発など）やテイストが自分の目的に合っているか
2. 修正対応：無料回数や対応スピードを事前に確認
3. 納期の柔軟性：希望納期に対応可能かどうか
4. 担当者の対応品質：見積もり時のやりとりから信頼できるか判断

たとえば、短納期案件では「最短2営業日対応」と明示している会社を選ぶとスムーズです。一方で、品質重視の場合は「フォトリアルに強い」「建築士監修」などの特長を重視しましょう。

依頼前のヒアリングでこの4点を整理しておくと、判断に迷わなくなります。

Q3.修正依頼にはどこまで対応してくれる？

外注先によって異なりますが、修正対応は基本的に2〜3回までは無料で行ってくれるところが多いです。以下のように、修正の種類によって扱いが分かれるのが一般的です。

• 無料の範囲：色味や質感の微調整、家具の位置変更など軽微な修正
• 有料になる可能性が高い：構図変更、マテリアル全差し替え、照明条件の全面見直し
• 再見積もりになる場合：建物形状の大幅変更、用途変更（提案→施工など）

「どこまでが無料か」は制作会社によって基準が異なるため、契約前に明文化されたポリシーを確認しておくと安心です。

Q4.海外外注のメリット・デメリットは？

海外外注（特に東南アジア圏）には低コストという大きなメリットがあります。たとえばベトナムの制作会社では、日本国内の30〜50%程度の価格で発注できるケースもあります。

ただし、以下のようなデメリットにも注意が必要です

• 文化や感覚のズレ：好まれる色味や表現が異なる場合がある
• 言語・指示の壁：英語対応であっても細かいニュアンスが伝わりにくい
• 時差・レスポンスのラグ：確認や修正に時間がかかることも

コスト重視で大量発注する際には有効ですが、指示書や参考資料を丁寧に準備することが成功の鍵になります。

Q5.短納期で仕上げたい場合のコツは？

短納期で建築パースを仕上げるには、依頼者側の「初期準備」が何よりも重要です。以下の2点を徹底するだけで、納期短縮が可能になります。

1. 最初の指示を明確にする
   　構図・素材・光の方向・仕上がりイメージなどを図面や資料に明記しましょう。
2. 参考資料を十分に共有する
   　類似テイストの過去事例や好みの画像を一緒に提出すると、すり合わせの時間が短縮できます。

また、修正が出にくいように「初回レビューで方向性が合っているか」を確認する中間チェックを入れると、リテイクリスクを減らせます。

どうしても急ぐ場合は、「最短納期対応可能」と記載された会社を選ぶのが安全です。