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Midjourney・Stable Diffusionで建築パースを作る方法【初心者向け】

近年、AI技術の進化により、建築パースの制作方法が大きく変化しています。従来は、3Dモデリングソフトや手描きによる時間のかかる作業が必要でしたが、MidjourneyやStable Diffusionを活用すれば、テキスト入力だけで美しい建築パースを作成できるようになりました。
特に、デザイン初期段階のコンセプトパースや、プレゼン用のビジュアル制作にAIを活用することで、作業効率が飛躍的に向上します。しかし、AI画像生成にはいくつかの注意点や、よりリアルな仕上がりにするための工夫も必要です。
本記事では、MidjourneyとStable Diffusionの基本的な使い方や、建築パースを高品質に仕上げるテクニックを初心者向けにわかりやすく解説します。
目次
1. Midjourney・Stable Diffusionとは?建築パースに活用できるAI技術
AI技術の進化により、建築パースの制作方法も大きく変わりつつあります。従来は3Dソフトや手描きによって作成されていた建築パースですが、最近ではAI画像生成ツールを活用することで、よりスピーディーかつ手軽に高品質なビジュアルを作成できるようになりました。
特に 「Midjourney」 や 「Stable Diffusion」 は、テキストからリアルな建築パースを生成できる強力なツールです。それぞれ異なる特徴を持ち、用途に応じて使い分けることで、建築デザインの表現力をさらに向上させることができます。
1-1. AI画像生成ツールとは?
AI画像生成ツールとは、テキストや画像を入力することで、自動的に新しい画像を生成するAI技術のことを指します。近年のディープラーニング(深層学習)の発展により、これらのツールは飛躍的に進化し、リアルな建築パースの作成にも活用できるようになりました。
特に Midjourney や Stable Diffusion は、建築業界でも注目されているAI画像生成ツールです。それぞれ異なる仕組みで動作し、用途によって適した使い方があります。
MidjourneyとStable Diffusionの基本的な仕組み
MidjourneyとStable Diffusionは、どちらも「拡散モデル(Diffusion Model)」と呼ばれる技術を利用して画像を生成します。この技術は、ノイズを含んだ画像を徐々にクリアにしていくことで、自然な画像を作り出す仕組みになっています。
- Midjourney:クラウド上で動作し、テキストを入力するだけで美しい建築パースを生成
- Stable Diffusion:ローカル環境で動作し、画像を元にしたカスタマイズが可能
この仕組みを活用することで、建築パースを短時間で作成できるため、設計やプレゼンテーションの効率が向上します。
建築パースにAIを活用するメリット
AI画像生成ツールを建築パースに活用することで、以下のようなメリットがあります。
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メリット | 内容 |
---|---|
作業時間の短縮 | 数時間かかるパース制作が数分で完了 |
多様なデザイン提案 | 短時間で複数のパターンを作成可能 |
コスト削減 | 高価な3Dソフトや専門スキルが不要 |
リアルな質感表現 | AIの学習データを活用して質感を最適化 |
特に、初期段階のデザイン提案やコンセプトパースの作成において、AIは非常に有効です。従来の手法と組み合わせることで、よりスピーディーかつ高品質な建築パース制作が可能になります。
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→ AI × 建築パースの最新トレンド|未来の制作フローはどう変わる?
1-2. Midjourney・Stable Diffusionの違いと特徴
AI画像生成ツールとして人気のある Midjourney と Stable Diffusion は、それぞれ異なる特徴を持っています。どちらも建築パースの制作に活用できますが、用途に応じた使い分けが重要です。
ここでは、それぞれの特徴と違いについて詳しく解説します。
Midjourney:テキストから高品質なイラスト・建築パースを生成
Midjourneyは、Discord上で動作するクラウドベースのAI画像生成ツールです。テキスト(プロンプト)を入力するだけで、自動的に高品質な画像を生成できます。
特徴
- 簡単な操作:テキストを入力するだけで画像を生成
- 高品質なビジュアル:アートスタイルに優れた美しい画像が得られる
- クラウドベース:ローカル環境の設定不要、すぐに使える
- カスタマイズ性が低い:細かい編集や調整はAI任せ
Midjourneyは、短時間で高品質なビジュアルを作成できるため、建築コンセプトの初期提案やクライアント向けのビジュアル制作に適しています。
Stable Diffusion:カスタマイズ性の高いローカルAI生成
Stable Diffusionは、ローカル環境で動作するオープンソースのAI画像生成ツールです。拡張性が高く、追加のプラグインを活用することで、より精密な建築パースを作成できます。
特徴
- ローカル環境で動作:PCにインストールして自由に使える
- カスタマイズ性が高い:モデルや設定を変更し、細かい調整が可能
- ControlNet対応:建築図面やスケッチをベースにした正確なパース生成が可能
- スペックが必要:高性能なPCが求められる
Stable Diffusionは、細かい調整を加えたい場合や、設計図を元に精度の高い建築パースを作成したい場合に最適です。
MidjourneyとStable Diffusionの違いを比較
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比較項目 | Midjourney | Stable Diffusion |
---|---|---|
動作環境 | クラウド(Discord) | ローカル(PCインストール) |
操作の簡単さ | 簡単(プロンプト入力のみ) | 難しい(設定や調整が必要) |
画質 | 高品質なアートスタイル | 設定次第でリアルな表現が可能 |
カスタマイズ性 | 低い(細かい調整不可) | 高い(プラグインや設定変更可能) |
用途 | クイックなビジュアル制作 | 精密な建築パースの作成 |
このように、Midjourneyは手軽さが魅力であり、Stable Diffusionは自由度の高さが強みです。どちらを選ぶかは、作成したい建築パースの用途や求める精度によって異なります。
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→ AIを活用した建築パース制作の未来|自動化の可能性
2. Midjourneyを使って建築パースを作る方法
Midjourneyは、シンプルな操作で高品質な建築パースを作成できるAI画像生成ツールです。特に、テキストベースのプロンプトを入力するだけで、自動的にリアルな建築イメージを生成できる点が大きな魅力です。
2-1. Midjourneyの基本操作
Midjourneyは、Discordを利用してプロンプト(指示文)を入力し、AIが自動的に画像を生成するツールです。従来の建築パース制作には3Dモデリングやレンダリングが必要でしたが、Midjourneyを活用すれば、短時間で高品質なイメージを作成できます。
ここでは、Midjourneyの基本的な使い方を解説します。
① Discordを活用したプロンプト入力方法
Midjourneyは単体のソフトウェアではなく、Discordの専用チャンネルを通じて利用します。以下の手順でセットアップしましょう。
- Discordに登録・ログイン
MidjourneyはDiscord上で動作するため、Discordのアカウントが必要です。 - Midjourneyの公式サーバーに参加
Midjourney公式サイトにアクセスし、「Join the Beta」から公式Discordサーバーに参加します。 - 有料プランに登録(無料枠は制限あり)
Midjourneyは基本的に有料ツールであり、無料で利用できる回数には制限があります。継続利用する場合は、サブスクリプションプランを選択しましょう。 - プロンプトを入力して画像を生成
Midjourneyの「Newcomer Rooms」や「自分のDM」で、以下のようにプロンプトを入力します。/imagine prompt: modern house, minimalist architecture, sunset lighting, ultra-realistic, 8K
これで、「モダンな住宅」「ミニマリスト建築」「夕方のライティング」「超リアル」「8K画質」 という要素を持つ建築パースが生成されます。
② 建築パース向けのプロンプト作成のポイント
建築パースを作成する際、プロンプトの内容が画像のクオリティを大きく左右します。以下のポイントを押さえましょう。
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ポイント | 具体例 |
---|---|
建築スタイルを指定 | modern house, brutalist architecture, Japanese traditional house |
環境・時間帯を明記 | sunset, golden hour, night view, cloudy day |
マテリアル・質感を記述 | glass facade, wooden texture, concrete finish |
視点・構図を設定 | aerial view, isometric, front elevation, interior shot |
画質・リアリズムを強調 | ultra-realistic, 8K, high detail, cinematic lighting |
例えば、「ガラス張りのモダンな住宅を、夕日の光でリアルに描写した建築パース」を作りたい場合、以下のようにプロンプトを設定できます。
/imagine prompt: modern house, glass facade, sunset lighting, cinematic, ultra-realistic, 8K
このように、建築の特徴を具体的に指定することで、よりイメージに近いパースを生成できます。
関連記事
→ 建築パースの構図とカメラ設定|魅力的なアングルを作るテクニック
2-2. Midjourneyで高品質な建築パースを生成する方法
Midjourneyを使えば、短時間で高品質な建築パースを作成できます。しかし、適切なプロンプト設定や構図の工夫をしなければ、理想的なパースを得るのは難しいです。ここでは、よりリアルで完成度の高い建築パースを生成するためのテクニックを解説します。
① パースの構図を意識したプロンプト例
建築パースでは、視点やアングルがデザインの印象を大きく左右します。Midjourneyのプロンプトに視点を指定することで、より建築らしいパースを作ることができます。
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視点(アングル) | プロンプト例 |
---|---|
正面図 | front elevation view, architectural rendering, high detail |
斜め上から(アイソメトリック) | isometric view, ultra-realistic, 8K |
鳥瞰図(ドローン視点) | aerial view, top-down shot, cinematic |
室内パース | interior shot, wide-angle lens, photorealistic |
夜景・照明演出 | night view, ambient lighting, moody atmosphere |
例えば、「夕焼けの光に照らされたガラス張りのモダン住宅の鳥瞰パース」を作りたい場合、以下のようにプロンプトを設定します。
/imagine prompt: modern glass house, aerial view, sunset lighting, ultra-realistic, 8K, photorealistic, cinematic
これにより、視点を明確にした高品質な建築パースが生成されます。
② リアルなマテリアル表現をAIで最適化
建築パースでは、質感(マテリアル)のリアルさが重要です。Midjourneyでは、マテリアルの種類や質感を明示的にプロンプトに含めることで、よりリアルな仕上がりにできます。
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マテリアル | プロンプトキーワード |
---|---|
ガラス | glass facade, reflective glass, transparent |
木材 | wooden texture, oak panels, warm wood |
コンクリート | exposed concrete, brutalist architecture, raw concrete |
金属 | metallic surface, brushed aluminum, steel structure |
例えば、「コンクリートとガラスを組み合わせたモダン建築のパース」を作りたい場合、以下のプロンプトを使用します。
/imagine prompt: brutalist architecture, glass facade, exposed concrete, sunset lighting, ultra-realistic, 8K
こうすることで、マテリアルのディテールを忠実に表現したパースが生成されます。
関連記事
→ 建築パースのマテリアル設定|質感をリアルにする方法
3. Stable Diffusionを使って建築パースを作る方法
Stable Diffusionは、ローカル環境で動作する高性能なAI画像生成ツールで、自由度の高い建築パース制作が可能です。Midjourneyと比べてカスタマイズ性が高く、建築設計図やスケッチをもとに、より正確なデザインを生成できる点が大きな特徴です。
特に、追加の拡張機能(プラグイン)を活用することで、建築パースのディテールや構図を細かく調整できるため、リアルな仕上がりを求めるプロジェクトに適しています。
3-1. Stable Diffusionの基本設定とインストール
Stable Diffusionは、ローカル環境で動作するAI画像生成ツールであり、自分のPC上で自由にカスタマイズして使用できる点が特徴です。高解像度の建築パースを生成したり、拡張機能を活用して精度の高いデザインを作成したりすることが可能です。
① Stable Diffusionを動作させるための環境要件
Stable DiffusionはローカルPCで動作するため、ある程度のPCスペックが必要です。特に、GPU(グラフィックボード)の性能が重要になります。
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必要スペック | 推奨環境 |
---|---|
OS | Windows 10 / 11, macOS, Linux |
GPU(グラフィックボード) | NVIDIA製(VRAM 8GB以上推奨) |
RAM(メモリ) | 最低16GB(32GB推奨) |
ストレージ | 20GB以上の空き容量 |
Python | 3.10以上 |
特に、NVIDIAのGPUを搭載したPC であれば、AI処理が高速になり、快適に建築パースを生成できます。
② Stable Diffusionのインストール手順
Stable Diffusionをローカル環境で使用するには、「AUTOMATIC1111 Web UI」 というツールを利用するのが一般的です。以下の手順でインストールを行いましょう。
1. 必要なソフトウェアを準備
まず、以下のツールをダウンロード・インストールします。
2. Stable Diffusion Web UIのセットアップ
- 任意のフォルダにStable Diffusionをインストールする(例:
C:\StableDiffusion
) - コマンドプロンプト(Windows)またはターミナル(Mac)を開き、以下のコマンドを実行
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git cd stable-diffusion-webui
models/Stable-diffusion/
フォルダ内に、使用する Stable Diffusionのモデルファイル(.ckpt または .safetensors) を配置- 公式モデル: Hugging Face でダウンロード
- 高品質な建築パース向けのカスタムモデルを探すのもおすすめ
3. Stable Diffusionを起動
コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行
python launch.py
起動が完了すると、ローカルホスト(http://127.0.0.1:7860) にアクセスし、Webブラウザ上でStable Diffusionのインターフェースが開きます。
③ 使えるプラグインやカスタマイズの種類
Stable Diffusionには、建築パースのクオリティを向上させるための追加ツールやプラグインが多数あります。
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プラグイン・拡張機能 | 用途 |
---|---|
ControlNet | 建築設計図やスケッチを元にした画像生成 |
Upscaler | 低解像度の画像を高解像度に変換 |
Inpainting | 画像の一部を修正・補完 |
Lora/Hypernetwork | スタイルや細かいディテールを学習・適用 |
特に ControlNet を活用すると、建築図面をベースにした正確なパースを生成できるため、よりリアルなデザイン制作が可能になります。
関連記事
→ Blender建築パース学習に必要な道具とPC環境の解説
3-2. Stable Diffusionで建築パースを生成するテクニック
Stable Diffusionを活用すれば、高解像度でリアルな建築パースを生成することが可能です。しかし、より正確な建築デザインを反映させるには、適切なテクニックや追加ツールを活用することが重要です。
ここでは、ControlNetを使った正確な建築デザインの作成と、画像補正・ポストプロダクションの活用方法について詳しく解説します。
① ControlNetを使った正確な建築デザインの作成
Stable Diffusionのデフォルト設定では、プロンプトの指示だけでは建築パースの構図や細かいディテールを完全にコントロールするのが難しいです。そこで活用できるのが ControlNet という拡張機能です。
ControlNetとは?
ControlNetは、既存の画像や建築図面をベースに、正確な形状や構図を保持したままAI画像を生成するツールです。これにより、手描きのスケッチやCADデータを入力して、リアルな建築パースを生成することができます。
ControlNetの活用手順
- 建築図面やスケッチを準備
- CADソフトや手描きで基本的な構造を描いた画像を用意
- 線画(白黒) や エッジ抽出済みの画像 を使用すると精度が向上
- Stable Diffusion Web UIのControlNetタブを開く
- 入力画像をアップロード
- プリプロセッサ(Preprocessor)を選択
Canny
(エッジ抽出)やDepth
(奥行き認識)などが利用可能
- プロンプトを入力し、生成開始
modern house, glass facade, photorealistic, ultra-realistic, cinematic lighting, 8K
- 建築図面に基づいた正確なパースが生成
これにより、プロンプト入力のみでは難しい正確な構造を持つ建築パースを作ることが可能になります。
② 画像補正・ポストプロダクションの活用方法
Stable Diffusionで生成した建築パースは、そのままでも高品質ですが、さらにリアルな仕上がりにするためには**画像補正やポストプロダクション(後処理)**を活用すると効果的です。
ポストプロダクションの手法
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方法 | 活用ツール | 具体的な処理 |
---|---|---|
解像度アップスケール | ESRGAN, Topaz Gigapixel | 画像の細部を鮮明にし、ノイズを低減 |
色補正・トーン調整 | Photoshop, Lightroom | 色のバランスを調整し、より自然な仕上がりに |
ライティングの強化 | Photoshop, Blender | 影や光源の表現を追加し、奥行きを演出 |
部分的な修正(Inpainting) | Stable Diffusion(Inpainting) | 不自然な部分を修正し、よりリアルに |
例えば、生成されたパースの一部が歪んでいたり、意図しないディテールが含まれていた場合、Stable DiffusionのInpainting機能を活用すると簡単に修正できます。
手順:Inpaintingを使った建築パース修正
- 修正したい箇所をPhotoshopなどでマスク処理
- Stable DiffusionのInpainting機能を開く
- 修正部分のプロンプトを入力
glass facade, high detail, ultra-realistic
- 修正後の建築パースを出力
このように、Stable Diffusionの補正機能と外部ツールを組み合わせることで、さらにリアルな建築パースを作成することが可能になります。
関連記事
→ 建築パースのポストプロダクション|Photoshopでの仕上げ方
4. AI建築パースをリアルに仕上げるポイント
MidjourneyやStable Diffusionを活用すると、短時間で美しい建築パースを作成できます。しかし、そのままでは細かいディテールが不足したり、ライティングが不自然だったりすることもあります。
よりリアルな建築パースを実現するためには、AI生成後の修正や最適化、ポストプロダクション(後処理)が重要です。
4-1. AI生成パースの修正と最適化
MidjourneyやStable Diffusionで生成した建築パースは高品質ですが、完全に意図通りの仕上がりになるとは限りません。特に、色のバランス、ライティング、細部の質感などを調整することで、よりリアルな建築パースを実現できます。
ここでは、Photoshopを活用した微調整方法や、AIによるライティング・影の最適化について解説します。
① Photoshopでの微調整と色補正
AI生成パースは一見完成度が高いように見えても、色味のズレや質感の不自然さが残ることがあるため、Photoshopなどの画像編集ソフトで最終調整を行うと効果的です。
基本的な修正ポイント
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修正項目 | 具体的な手法 | 使用ツール |
---|---|---|
色補正・トーン調整 | カラーバランス、トーンカーブで自然な発色に | Photoshop, Lightroom |
ライティングの調整 | 明暗の強調、ハイライトの調整 | Photoshop(露光量調整) |
影の修正 | シャドウの描き足し、光源の方向を調整 | Photoshop(ブラシツール) |
細部の強調 | シャープネス、ノイズ除去で質感を向上 | Photoshop(フィルター) |
不要なオブジェクトの除去 | 不自然な部分を修正 | Photoshop(修復ブラシ) |
具体例:色補正の手順
- 「カラーバランス」 を調整し、全体の色味を統一
- 「トーンカーブ」 でコントラストを調整し、メリハリをつける
- 「露光量」 を調整して、明るすぎる・暗すぎる部分を修正
- 「シャープネス」 を強め、ディテールをくっきりさせる
これにより、より自然でリアルな建築パースに仕上げることが可能です。
② AIによるライティング・影の調整
AI画像生成では、光の方向や影の落ち方が不自然になることがあります。そのため、ライティングやシャドウを手動で補正することで、建築パースのリアリティが向上します。
ライティング調整のポイント
- 光源の位置を意識する(太陽光、室内照明など)
- 影を適切に配置する(光の方向と一致させる)
- 光の強さをコントロール(柔らかい光or強いコントラスト)
例えば、建築パースにおいて「夕暮れの温かみのある光」を表現したい場合、以下のような調整を行います。
- 「オーバーレイレイヤー」 を使い、光源の位置に合わせた黄色やオレンジのグラデーションを追加
- 「ブラシツール(ソフト)」 で影を調整し、より自然なグラデーションをつける
- 「露光量」や「ハイライト」 を調整し、光の強弱を表現
これにより、建築パースにリアリティのあるライティングを付加できます。
関連記事
→ 建築パースのライティング技術|リアルな光と影を作る方法
4-2. AI生成パースの実務への活用例
AIを活用した建築パースは、単なるコンセプトアートにとどまらず、実際の設計・プレゼンテーション・マーケティングなど幅広い分野で活用されています。特に、クライアント向けのビジュアル制作や設計プロセスにAIを組み込むことで、制作スピードの向上やコスト削減につながるため、多くの建築設計事務所やデベロッパーが導入を進めています。
① クライアント向けプレゼン用のパース制作
建築プロジェクトでは、クライアントにデザインコンセプトを伝えるためのパースが不可欠です。従来の3Dレンダリングは制作に時間がかかる一方で、MidjourneyやStable Diffusionを活用すれば、短時間で複数のビジュアルを生成できるため、素早いプレゼンテーションが可能になります。
活用ポイント
- 初期提案のビジュアル化:アイデア段階のスケッチをAIでパース化し、プレゼン資料を充実させる
- スタイル別のパターン出し:モダン・クラシック・ミニマルなど、異なるデザインパターンを短時間で用意
- コンセプトの即時修正:クライアントのフィードバックを受けて、AIで素早く調整
例えば、クライアントが「和風の要素を追加してほしい」と要望した場合、プロンプトを少し変更するだけで新たな建築パースを生成できるため、従来よりもスムーズなデザイン提案が可能になります。
② 設計プロセスでのAI活用戦略
AIは、設計プロセスの中でも特に初期デザインやアイデア出しの段階で有効です。従来の3Dモデリングや手描きスケッチに比べ、AIを活用することで、より多くのアイデアを短時間で検討できるようになります。
設計段階でのAI活用方法
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活用シーン | AIの役割 |
---|---|
コンセプトデザイン | 多様なデザイン案を短時間で生成 |
マテリアル・仕上げの検討 | テクスチャや質感をプロンプトで試行錯誤 |
ボリュームスタディ | 建物の形状やプロポーションを簡単に調整 |
環境シミュレーション | 日照・影の表現をビジュアル化 |
例えば、建物の外装デザインを検討する際、「ガラス張りのファサード」や「木製のルーバーを取り入れたデザイン」などをAIで素早く比較し、最適なデザインを決定することができます。
さらに、Stable DiffusionのControlNetを使えば、建築図面や手描きスケッチをベースにより精密なデザインを作成することも可能です。
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→ 建築パースの用途|プレゼン・広告・施工・コンペでの活用法
5. Midjourney・Stable Diffusionを使う際の注意点
MidjourneyやStable Diffusionを活用することで、建築パース制作のスピードとクオリティを大幅に向上させることができます。しかし、AIを使用する際には、著作権や商用利用の制約、画像生成の限界などを理解しておくことが重要です。
5-1. 著作権・商用利用の制約
MidjourneyやStable Diffusionを利用して建築パースを作成する際、生成した画像の著作権や商用利用のルールを理解しておくことが重要です。特に、クライアントワークや商業プロジェクトでAI画像を使用する場合は、利用規約に違反しないよう注意する必要があります。
① Midjourneyのライセンスと商用利用ルール
Midjourneyは、有料プランに加入している場合、生成した画像を商用利用することが可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。
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項目 | Midjourneyの規定 |
---|---|
無料プランでの利用 | 商用利用不可 |
有料プランでの利用 | 商用利用可(ただし著作権はMidjourney社が保持) |
企業での利用 | 年間収益1Mドル(約1.5億円)以上の企業は「Proプラン」以上が必要 |
著作権の帰属 | 生成画像の著作権はユーザーではなくMidjourney社が保持 |
画像の公開範囲 | 公式Discord上での生成画像は公開される(非公開は「Stealth Mode」が必要) |
つまり、有料プランであれば商用利用が可能ですが、完全な著作権は得られない点に注意が必要です。また、クライアントワークなどで機密性の高いプロジェクトの場合は、「Stealth Mode(プライベートモード)」を利用するのが望ましいでしょう。
② Stable Diffusionのライセンスと商用利用ルール
Stable DiffusionはオープンソースのAIモデルであり、基本的には商用利用が自由に可能です。しかし、使用するモデルや学習データによっては制限があるため、事前にライセンスを確認することが重要です。
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項目 | Stable Diffusionの規定 |
---|---|
基本利用 | 商用利用可(オープンソース) |
学習データ | 一部のモデルは著作権のあるデータを含む可能性あり |
カスタムモデル | 追加のライセンス契約が必要な場合あり |
クライアントワークでの利用 | 利用規約を明記した上で契約を行うのが望ましい |
特に、他のアーティストの作品やブランドロゴが含まれる画像を生成した場合、著作権侵害のリスクがあるため、注意が必要です。また、商業利用する際は、使用するモデルのライセンスを事前に確認し、適切なクレジットを記載することを推奨します。
③ クライアントワークでの使用可否
AI生成パースをクライアント向けの資料やプロジェクトに使用する際は、以下の点を事前に確認しましょう。
- クライアントにAI生成であることを説明(著作権や修正対応の範囲を明確にする)
- Midjourneyの場合、商用利用可能なプランを使用(無料プランの画像は商用NG)
- Stable Diffusionの場合、使用するモデルのライセンスを確認
- AI生成画像の編集や加工が可能かを確認(AI生成画像に制限を設けている企業もある)
例えば、クライアントが完全オリジナルの建築パースを求めている場合、AIのみで制作するのではなく、Photoshopや3Dソフトと組み合わせて最終調整を行うのが望ましいでしょう。
関連記事
→ 建築パースのクライアントワークの流れ|案件の進め方を解説
5-2. AI画像生成の限界と補完方法
MidjourneyやStable Diffusionは、短時間で高品質な建築パースを生成できる強力なツールですが、完全に意図したデザインを作成するのは難しく、いくつかの制約もあります。特に、細かいテクスチャの表現や建築の正確な寸法、構造的な整合性をAIだけで再現するのは困難です。
① AI画像生成の主な限界
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制約 | 問題点 | 具体例 |
---|---|---|
精密な寸法の再現 | 建築設計の正確な寸法が保証されない | 扉や窓のサイズが不自然になる |
テクスチャの不整合 | マテリアルの質感や方向がランダムに生成される | 木目やタイルの継ぎ目が不自然になる |
ライティングの不自然さ | 光源の位置が意図通りにならないことがある | 影の方向が矛盾する |
構造の一貫性の欠如 | 建築の基本的な構造ルールが反映されないことがある | 手すりが浮いている、柱がねじれている |
画像の修正が難しい | 生成された画像を部分的に修正しづらい | 一部のディテールを変えたいが、全体を再生成する必要がある |
これらの問題を回避するためには、AI画像生成を補助的に活用し、必要に応じて他のツールと組み合わせることが重要です。
② テクスチャやディテールの調整方法
AIが生成するテクスチャはリアルに見えることが多いですが、不自然なパターンや繰り返し模様が生じることもあるため、最終的な調整が必要です。
テクスチャ修正の方法
- Photoshopの「生成塗りつぶし」機能でテクスチャを修正
- 高解像度のマテリアル画像を重ねて質感を調整
- Stable DiffusionのInpainting機能を使い、一部を再生成
例えば、コンクリートの壁に汚れや経年劣化の質感を加えたい場合、以下のように修正するとよりリアルな表現が可能です。
- Photoshopで「レイヤーマスク」を作成し、不自然な部分をぼかす
- 「カラーマッチング」機能を使い、既存のテクスチャに馴染ませる
- 「フィルター > ノイズを追加」 でリアルなザラつきを演出
③ 3Dソフトとの組み合わせで高品質なパースを作成
AI画像生成の精度を高めるために、BlenderやSketchUp、3ds Maxなどの3Dソフトと組み合わせるのも有効です。
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3Dソフト | AIとの組み合わせ方 |
---|---|
Blender | 建築モデルを作成し、レンダリング後にStable Diffusionでスタイル変換 |
SketchUp | 簡単なモデリングを作成し、Midjourneyでビジュアル化 |
3ds Max | フォトリアルなライティングを設定し、ポストプロダクションでAIを活用 |
例えば、以下の手順でAIと3Dソフトを組み合わせると、精度の高い建築パースが作成可能です。
- Blenderで基本的な建築モデルを作成(正確な寸法を確保)
- 簡単なレンダリングを行い、光や影の情報を含んだ画像を生成
- Stable DiffusionのControlNetを使用し、スタイルや質感をAIで強化
- Photoshopで仕上げ処理(ライティングや色補正)を行い完成
この方法を使えば、AIの柔軟な表現力と3Dソフトの正確な建築デザインを両立させることができます。
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6. まとめ|Midjourney・Stable Diffusionで建築パースを作るポイント
AI画像生成ツールの発展により、建築パースの制作がよりスピーディーかつ手軽に行えるようになりました。MidjourneyとStable Diffusionを活用することで、高品質なビジュアルを短時間で作成でき、設計提案やクライアントプレゼンテーションに役立ちます。
しかし、AIだけでは建築の正確な寸法やディテールの完全な再現は難しいため、Photoshopや3Dソフトと組み合わせた最適化が重要です。
AI建築パース制作のポイント
AIを活用することで建築パース制作をスピーディーに!
Midjourneyなら短時間でビジュアルを生成、Stable Diffusionならカスタマイズ性の高いパースを作成可能。
MidjourneyとStable Diffusionの使い分けが重要!
簡単に美しいパースを作るならMidjourney、設計図をベースに正確なパースを作りたいならStable Diffusionを活用。
Photoshopや3Dソフトと組み合わせて、よりリアルな表現を実現!
AIだけでなく、ポストプロダクション(後処理)を活用することで、質感やライティングを調整し、完成度を高めることが可能。
建築パースの制作は、AIツールと従来の手法を組み合わせることで、より効率的かつ高品質なビジュアルを作成することができます。これからの建築デザインの現場では、AI技術を活用した新しいワークフローが標準化されていくでしょう。
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