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建築パースの勉強方法|おすすめ本・動画・講座を徹底比較

建築パースは、建築物の完成イメージを視覚的に伝えるために欠かせない技術です。設計者やクライアントにとって、リアルな3Dパースやスケッチは、プロジェクトの理解を深める重要な手段となります。
しかし、「建築パースを学びたいけれど、どこから始めればいいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか?本記事では、初心者向けの勉強方法 をはじめ、おすすめの書籍・動画・オンライン講座 を詳しく紹介します。また、学んだスキルを仕事につなげるためのポイントも解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.建築パースの勉強方法とは?
建築パースとは、建築物の完成イメージを視覚的に表現する手法のことです。手描きやCGソフトを用いて、クライアントや設計者に分かりやすく伝えるために活用されます。では、建築パースを学ぶにはどのような方法があるのでしょうか?
学習方法は大きく分けて「独学」と「講座受講」の2つに分類されます。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
独学 vs. 講座受講|どちらがいい?
独学のメリットとデメリット
独学は、費用を抑えつつ自分のペースで学べる点が大きなメリットです。書籍やオンライン動画を活用しながら、スキマ時間に効率よく勉強できます。特に、すでに基本的なデザインスキルやソフト操作に慣れている人に向いています。
一方で、疑問点をすぐに解決しにくい、間違った方法で学んでしまうリスクがあるというデメリットもあります。特に初心者の場合、どこから手をつければいいのかわからず、モチベーションが続かないことも考えられます。
講座受講のメリットとデメリット
建築パースの専門講座を受講することで、短期間で効率よくスキルを習得できます。プロの講師から直接指導を受けられるため、わからない部分をすぐに質問できるのも大きなメリットです。また、実務に近い課題をこなしながら学べるため、仕事につなげやすいという利点もあります。
ただし、受講費用がかかる点や、決められたスケジュールで進める必要がある点がデメリットです。また、講座の内容によっては自分の目指すスタイルと合わない場合もあるため、事前にしっかり調べることが大切です。
最短で上達する学習のポイント
建築パースを効率よく学ぶためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
- 基礎をしっかり固める
いきなり高度な技術に挑戦するのではなく、まずはパースの基本原理や透視図法を理解することが大切です。特に、遠近法(パースペクティブ)の知識はすべての建築パースに共通する基礎スキルです。 - 目的に合ったツールを選ぶ
手描きスケッチ、Photoshop、SketchUp、Blender、3ds Maxなど、建築パースにはさまざまなツールがあります。初心者の場合、無料で使えるソフトから始めるのがおすすめです。 - インプットとアウトプットをバランスよく
本や動画で知識をインプットするだけでなく、実際に手を動かしてアウトプットすることが上達の鍵です。課題を設定し、1つの建築パースを完成させることで理解が深まります。 - プロの作品を分析する
建築パースのプロが作成した作品を参考にし、どのような構図やライティングが使われているのかを観察すると、実践に役立ちます。InstagramやPinterestなどのSNSを活用すると、多くの優れた作品に触れられるでしょう。 - フィードバックを受ける
独学の場合でも、SNSやオンラインコミュニティを活用して他の学習者やプロからアドバイスをもらうことで、より早く成長できます。
関連記事
→ 建築パースの独学方法|最短で上達するためのロードマップ
→ 建築パースの作り方|初心者向け完全ガイド【基礎から応用】
2.建築パースの勉強方法別の特徴
建築パースを学ぶ方法には、本・動画・オンライン講座 などさまざまな選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った学習方法を選ぶことが大切です。ここでは、それぞれの特徴とおすすめの教材・講座を紹介します。
本で学ぶ
建築パースの基礎を体系的に学べる
書籍は、建築パースの基本をじっくり学ぶのに適しています。特に初心者は、遠近法(パースペクティブ)や光と影の表現 などの理論を理解することが重要です。本で学ぶことで、知識の抜け漏れを防ぎ、しっかりとした基礎を築けます。
メリット
- 体系的に学べるため、基礎をしっかり固められる
- 何度も見返して復習しやすい
- 独学でも比較的低コストで学べる
デメリット
- 実践しながら学ぶのが難しい
- 最新の技術情報が反映されにくい
おすすめの建築パース関連書籍(初心者・中級者向け)
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書籍名 | 特徴 | 対象レベル | 対応ソフトウェア |
---|---|---|---|
『スケッチ感覚で パースが描ける本』 | 遠近法や構図の基礎を学べる初心者向けの一冊 | 初心者 | 手描き |
『いちばんやさしいパースと背景画の描き方』 | パースの描き方や消失点の置き方を詳細に解説 | 中級者 | 手描き |
『絵を描く仕事で成功するテクニック』 | 光と影やパースの基礎を学べる | 初心者~中級者 | 手描き |
『定本 パースの教科書』 | 遠近法の基本から応用までを網羅的に解説 | 初心者~中級者 | 手描き |
『建築スケッチ・パース基本の「き」【増補版】』 | 線画の基本や遠近表現の仕組みを順を追って解説 | 初心者 | 手描き |
『AutoCADで身につける建築2D・3D製図』 | 2D製図から3Dモデリング・パース作成まで学べる | 初心者~中級者 | AutoCAD |
『Autodesk Revitの教科書』 | BIM(建築情報モデリング)とパース作成を学べる | 初心者~中級者 | Revit |
『サクサク学ぶAutoCAD・SketchUp・Photoshop・Illustrator』 | SketchUpを使った3Dモデリング・パース作成を解説 | 初心者 | SketchUp |
『SketchUpパーフェクト 作図実践+テクニック編』 | 高度なモデリングや作図のテクニックを学べる中級から上級者向けの一冊です。 | 中級者~上級者 | SketchUp |
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→ 建築パースの歴史|手描きからCGパースまでの進化
動画で学ぶ
視覚的に理解しやすく、実践しやすい
動画学習は、実際の作業手順を見ながら学べるため、ソフトの操作方法やライティング・レンダリングの技術 を習得しやすいのが特徴です。特に、初心者が最初にとっつきやすい方法として人気があります。
メリット
- 視覚的に理解しやすく、学習がスムーズ
- 実践的なスキルを身につけやすい
- YouTubeなど無料の学習コンテンツが豊富
デメリット
- 体系的に学ぶのが難しい
- 情報の信頼性にばらつきがある
おすすめのYouTube・Udemy・有料講座
YouTubeチャンネル
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講座名 | プラットフォーム | 特徴 |
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Blenderで建築パースが学べる「PERSC/パースク」 | YouTube | 無料で学べる初心者向けチュートリアル。Blenderを使用した建築パース制作の基礎から応用までを解説しています。 |
【Blender】CADのように建築パース図を作るやり方 | YouTube | Blenderを用いて、CADのような建築パース図の作成方法を紹介しています。 |
Udemyコース
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講座名 | プラットフォーム | 特徴 |
---|---|---|
SketchUpのトップコース | Udemy | SketchUpの基本操作から応用までを学べる高評価の講座が揃っています。建築設計やプロダクトデザインの下書きなど、実務に役立つスキルを習得できます。 |
建築デザインのトップコース | Udemy | 建築デザインに関する幅広いコースがあり、設計図の描き方やRevit、3ds Max、V-Rayなどのソフトウェアの使い方を学べます。 |
関連記事
→ Blenderで建築パースを作る方法【初心者向け】
オンライン講座で学ぶ
講師のフィードバックを受けながら学べる
オンライン講座は、独学では習得しづらい部分をプロから直接学べるのがメリットです。実務に直結した内容が多く、課題をこなしながらスキルアップできる ため、短期間でレベルアップを目指す人に適しています。
メリット
- プロのフィードバックを受けられる
- 実務レベルのスキルを習得しやすい
- 体系的なカリキュラムで学習できる
デメリット
- 費用がかかる(数万円~数十万円)
- 受講期間が決まっているため、自由度が低い
国内のおすすめ講座
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講座名 | 特徴 | 料金 |
---|---|---|
PERSC(パースク) | 無料の3Dソフト「Blender」を使用した建築パース制作に特化したオンラインスクール。初心者向けのカリキュラムや1年間の学習サポートがあり、プロ品質のパース作成スキルを習得できます。 | 39,800円(税込) |
アーキビジュアライゼーション講座(CGWORLD) | 建築CGパースの歴史や制作環境、美しいビジュアライゼーションのノウハウを学べるオンライン講座。全4回、計12時間以上の内容で、3DCG制作の基礎知識を持つ方が対象です。 | 60,000円(税抜) |
Physically Based Rendering講座~建築CG向け活用方法を理解する~ | PBRの基礎から実践までを学べる講座で、ライティングや光の理解、V-Rayを使ったライティング方法などを解説しています。ビジュアライゼーション制作を行っているCGアーティスト向けです。 | 詳細は公式サイトをご確認ください。 |
海外のおすすめ講座
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講座名 | 特徴 | 料金 |
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Chaos V-Ray公式トレーニング | V-Rayの初心者から中級者向けのユーザー、学生、プロフェッショナルを対象とした2日間の集中オンライン講座。V-Ray for 3ds MaxやV-Ray for SketchUpなどに対応しており、レンダリングの理論と実践を学べます。 | 詳細は公式サイトをご確認ください。 |
V-Ray Official Course – Certificate © | Chaos Academic | V-Rayの公式認定コースで、レンダリングの理論と実践を4日間のオンライン講座で学べます。V-Ray for 3ds Max、Maya、SketchUp、Rhinoに対応しています。 |
関連記事
→ 建築パースのソフト比較|おすすめはどれ?【用途別解説】
各学習方法には、それぞれメリット・デメリットがあります。本で基礎を学び、動画で実践し、必要に応じてオンライン講座でプロの指導を受けると、効率よくスキルを習得できるでしょう。
3.初心者向け|建築パースの学習プラン
建築パースを学び始める際、「どこから手をつければいいのか」「どのくらいの期間で上達できるのか」といった疑問を持つ方は多いでしょう。ここでは、1ヶ月で基礎を習得する方法 と 3ヶ月で実務レベルを目指すステップ を紹介します。自分の学習スタイルや目標に合わせて、最適なプランを選んでみてください。
1ヶ月で基礎を習得する方法
まずは、建築パースの基本概念を理解し、シンプルなパースを作成できるようになることが目標です。以下のスケジュールで学習を進めると、短期間で基礎を固められます。
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週 | 学習内容 | おすすめ教材 |
---|---|---|
1週目 | 建築パースの基礎知識を学ぶ ・遠近法(1点透視・2点透視・3点透視)を理解する ・光と影の基礎(ライティングの基本原理)を学ぶ | 『定本 パースの教科書』 YouTube「PERSC/パースク」チャンネル |
2週目 | ソフトの基本操作を習得する ・SketchUp、Blender、3ds Maxなどのソフトの使い方を学ぶ ・簡単な建築モデルを作成し、視点を調整する | 『やさしく学ぶSketchUp』 Udemy「SketchUpのトップコース」 |
3週目 | マテリアルとライティングを学ぶ ・木材、金属、ガラスなどの素材表現を学ぶ ・ライティングの基礎を応用し、リアルな質感を作る | 『CGパースのためのライティングとマテリアル』 Udemy「建築デザインのトップコース」 |
4週目 | 簡単なパースを完成させる ・小規模な建築パースを作成し、レンダリングする ・SNSやフォーラムで作品を公開し、フィードバックを受ける | YouTube「PERSC/パースク」チャンネル Udemy「Blender建築ビジュアライゼーション」 |
3ヶ月で実務レベルを目指すステップ
1ヶ月目の基礎学習を終えたら、さらにスキルを磨いてポートフォリオに載せられるレベル の建築パースを作ることを目指しましょう。
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月 | 学習内容 | おすすめ教材 |
---|---|---|
1ヶ月目 | 基礎固め(上記と同じ) ・遠近法、ライティング、ソフトの基本操作を学ぶ | 上記の教材を活用 |
2ヶ月目 | 応用スキルを習得する ・建築パースの構図やカメラワークを学ぶ ・実在する建築物を模写し、デザインの理解を深める ・実際の建築プロジェクトを想定し、シーンを作成する | 『SketchUpパーフェクト 作図実践+テクニック編』 Udemy「リアルな建築パース作成講座」 |
3ヶ月目 | 作品制作&仕事を意識したアウトプット ・3~5作品を制作し、ポートフォリオを作成する ・クライアント案件を想定し、実践的なレンダリングを行う ・クラウドソーシングやSNSで仕事のチャンスを探す | PERSCオンラインスクール Chaos V-Ray公式トレーニング |
関連記事
→ 建築パースのマテリアル設定|質感をリアルにする方法
→ 建築パースのライティング技術|リアルな光と影を作る方法
4.仕事につなげるための勉強法
建築パースのスキルを身につけたら、それを仕事につなげることが重要です。未経験から仕事を獲得するには、ポートフォリオを充実させること や 実案件に挑戦すること が効果的です。ここでは、実践的な学習方法と、仕事につなげるためのステップを紹介します。
ポートフォリオを作りながら学ぶ
なぜポートフォリオが重要なのか?
建築パースの仕事を獲得する際、実績を証明するポートフォリオ が必要になります。クライアントは、応募者のスキルや作風を見て依頼を決めるため、クオリティの高い作品を揃えることが大切です。
ポートフォリオに入れるべきポイント
- 多様なスタイルのパースを含める(住宅、商業施設、インテリアなど)
- 制作プロセスを説明する(ラフスケッチ→モデリング→レンダリングの流れ)
- 使用ソフトや技術を明記する(Blender, SketchUp, V-Ray, Photoshop など)
- クオリティの高いレンダリング画像を掲載する
ポートフォリオ作成のステップ
- まずは模写から始める:実在する建築物を模倣し、リアルなパースを作成
- オリジナルのプロジェクトを設定する:架空の建築計画を立案し、デザインを作る
- SNSやポートフォリオサイトに公開する:BehanceやArtStationで作品を発信
関連記事
→ 建築パースのポートフォリオ作成ガイド|仕事獲得のポイント
実際の案件をこなす力を身につける
クラウドソーシングを活用する
建築パースの仕事は、クラウドソーシングサイトを活用することで、未経験者でも受注しやすくなります。最初は小規模な案件から挑戦し、実績を積み重ねていきましょう。
おすすめのクラウドソーシングサイト
サイト名 | 特徴 |
---|---|
Lancers | 日本最大級のクラウドソーシング。初心者向け案件も多く、継続的な仕事につながりやすい。 |
CrowdWorks | 幅広いカテゴリーの案件があり、副業・フリーランスの入り口として最適。 |
ココナラ | 自分のスキルを商品として出品できる。建築パース制作をサービスとして提供可能。 |
クラウドソーシングで案件を取るコツ
🔹 プロフィールを充実させる:スキルや実績を詳しく記載する
🔹 ポートフォリオを掲載する:過去の作品をしっかり見せる
🔹 最初は低単価でもOK:評価を獲得し、徐々に単価を上げていく
関連記事
→ 建築パースのクラウドソーシング活用法(Lancers・CrowdWorks・ココナラ)
SNS・ブログを活用して仕事を獲得する
クラウドソーシング以外にも、SNSやブログを活用して直接クライアントとつながる 方法があります。特に、InstagramやTwitterでは建築ビジュアライゼーションの作品を投稿することで、多くの人の目に留まりやすくなります。
効果的なSNS運用のポイント
- 定期的に作品を投稿する(週1回以上が理想)
- ハッシュタグを活用する(#建築パース #3DCG #建築デザイン など)
- 他のクリエイターや企業と交流する(コメントやDMで積極的にアプローチ)
また、ブログやYouTubeで学習過程を発信 するのも有効な手段です。自身の成長過程を見せることで、クライアントに信頼されやすくなります。
副業・フリーランスとしての働き方
建築パースは、副業として始めて、最終的にフリーランスになる という選択肢もあります。会社員として働きながら、スキルを磨き、実績を積み重ねることで、安定した収入を確保しながら独立の準備を進めることが可能です。
副業として始める場合の注意点
- 本業とのバランスを考える(納期管理を徹底する)
- 税金や確定申告の知識を持つ(副業収入が年間20万円以上なら確定申告が必要)
- 信頼できるクライアントと取引する(報酬未払いなどのリスク管理)
建築パースのスキルを仕事につなげるには、ポートフォリオの充実・実案件への挑戦・SNS発信 の3つが重要です。最初は小さな案件からスタートし、着実にステップアップしていきましょう。
5.まとめ
建築パースの勉強方法には、本・動画・オンライン講座 などさまざまな選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが上達の近道です。
また、短期間でスキルを習得するためには、インプット(知識習得)とアウトプット(実践)のバランスを取ること が重要です。基礎をしっかり固めた後は、実際に建築パースを作成し、フィードバックを受けながらスキルを磨きましょう。
仕事につなげるためのポイントは以下の3つです。
- ポートフォリオを作り、実績をアピールする
- クラウドソーシングやSNSを活用し、仕事のチャンスを増やす
- 継続的にスキルを磨き、最新技術をキャッチアップする
建築パースは、デザインやCG技術の進化とともに、常に新しいスキルが求められる分野です。学び続ける姿勢を持ち、積極的に情報を収集することで、より高品質なパースを制作できるようになります。
最も大切なのは、「実践しながら学ぶこと」です。 小さな一歩から始めて、着実にスキルアップしていきましょう。