建築パースの相場と単価の決め方|適正価格で仕事を受けるには?

建築パースの仕事をする中で、「いくらで受ければいいのか分からない」「提示された金額が妥当かどうか判断できない」と感じたことはありませんか?

特にフリーランスや副業で活動している方にとって、単価設定は収益を大きく左右する重要な要素です。
相場よりも安く受けてしまえば時間ばかりが取られてしまい、逆に高すぎれば案件獲得のチャンスを逃すことにもなりかねません。

本記事では、以下のような疑問にお答えしていきます:

  • 建築パースの一般的な相場はいくら?
  • 価格はどんな要因で決まるの?
  • 適正価格で受注するためには何をすればいい?
  • 単価アップや価格交渉のコツは?

さらに、海外市場との比較や継続案件の獲得術、価格競争に巻き込まれない戦略など、実践的な視点も盛り込んで解説しています。

建築パースの仕事でしっかり収益を得たい方、価格設定に不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。

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目次

1. 建築パースの相場と単価を知る重要性

建築パースの制作を仕事として続けるうえで、「相場感」を持つことは極めて重要です。
適正な単価を知らないままでは、安く買い叩かれてしまったり、逆に相場を逸脱した価格で提示してしまい、案件を逃してしまうことも少なくありません。

特にフリーランスや副業クリエイターとして活動している方にとっては、価格設定が収益に直結します。建築パースの市場価格や、単価が変動する要因をしっかり把握することで、自信を持って交渉に臨めるようになるでしょう。

この章では、建築パースにおける価格の基本的な考え方や、単価に影響を与えるさまざまな要素について詳しく解説していきます。

1-1. 建築パースの市場価格の現状

建築パースの単価は、依頼主の属性や用途、制作の難易度によって幅広く設定されています。特にフリーランスや個人デザイナーにとっては、価格感をつかむことが案件選定や交渉力に直結します。

市場全体の動向と平均価格

現在の日本国内における建築パースの価格は、1枚あたり1万円〜10万円前後が一般的とされています。これは、クラウドソーシングやフリーランス仲介サービスを中心に見られる傾向です。

たとえば、簡易的な住宅外観のパースであれば1〜3万円程度から受注されており、反対に商業施設や大型案件、写真と見間違うような高精度CGになると10万円を超えることもあります。

さらに、パースのリアルさを高めるためのライティングやマテリアル設定の工数も、価格に大きく影響するポイントです。

フリーランスと企業の価格分布

フリーランスと制作会社(企業)との間には、価格設定に明確な差が存在します。
一般的に、企業は工程管理・品質保証・修正対応などをパッケージ化して提供するため、1枚あたり10〜30万円と高めの単価になる傾向があります。

一方で、フリーランスは低価格でスピーディに対応できる点が強みですが、その分、価格競争に巻き込まれやすいリスクも存在します。特にクラウドソーシングでは、1万円以下での受注案件も見受けられ、初心者クリエイターが過小評価された価格で仕事を請け負ってしまうケースも少なくありません。

価格に見合ったクオリティと対応力を提示できるかどうかが、適正な単価を維持するカギとなるでしょう。

1-2. 価格が決まる要因とは?(品質・納期・用途)

建築パースの単価は一律ではなく、さまざまな要素により上下します。依頼内容や制作条件によって、数万円以上の差が生まれることもあるため、何が価格に影響するのかを理解することが重要です。

ここでは、価格決定に大きく関わる3つの要因、「品質」「納期」「用途」に分けて解説していきます。

表現力やリアリティなど品質面の影響

建築パースの品質は、価格にもっとも直接的な影響を与える要素です。
クライアントの要求レベルに応じて、リアルさ(フォトリアル)や表現力(光・素材感)を高めるほど制作工数が増え、価格も上昇します。

例えば、ライティング調整、質感の細かい表現、周辺環境や植栽の作り込みが必要な場合、同じ外観パースでも2〜3倍の価格差が生じることがあります。

また、CGソフトの選定やレンダリング手法(例:レイトレーシング、グローバルイルミネーションなど)によっても、作業時間と結果に大きな差が生まれます。

納期の緊急度による価格変動

納品までのスケジュールも価格に大きな影響を与えます。
短納期を求められる案件では、通常より高いリソース配分や優先対応が必要となるため、割増料金が発生するのが一般的です。

特に「◯日以内に初稿が欲しい」「イベントやプレゼンに間に合わせたい」といった要望は、夜間・休日対応が必要になるケースも多く、急ぎ案件は20〜50%増しの設定になることもあります。

逆に、余裕を持った納期で依頼できる場合は、フリーランスにとってもスケジューリングしやすく、コストを抑えた提案が可能となるでしょう。

使用用途(プレゼン・販促・申請)の違い

建築パースの価格は、「どのような目的で使用されるか」でも変動します。
用途ごとに求められる精度や表現が異なるためです。

用途特徴単価傾向
プレゼン資料説明用・中間段階比較的低め
販促・広告高解像度・リアル志向高単価傾向
許認可申請用条件付き表現・法的正確性中〜高価格帯

たとえば、販促チラシや広告バナー用の場合は、高解像度・リアルな質感が求められるため、同じ構図でも5万円以上の価格差が生じることもあります。

使用目的がはっきりしていない場合は、事前にヒアリングで用途を確認し、それに応じた価格設計をすることが大切です。

1-3. 適正価格で仕事を受けるために知っておくべきこと

建築パースの受注で安定した収益を確保するには、「適正価格」を理解し、自分に合った単価設定を行うことが欠かせません。相場だけを基準にするのではなく、自分のスキル・実績・工数を踏まえた上で価格設定を行う必要があります。

ここでは、適正価格で仕事を受けるために押さえておきたい基本ポイントを解説します。

自分のスキルと市場価値の把握

まず重要なのは、自分自身の「スキルの棚卸し」です。
建築パースの制作には、モデリング、テクスチャ設定、ライティング、カメラワークなど、複数の工程があります。自分がどこまで対応可能で、どのレベルの品質が提供できるかを明確にすることが単価設定の第一歩です。

また、過去に制作したポートフォリオやクライアント評価も、市場における自分の価値を示す判断材料になります。
ポートフォリオのクオリティや実績の数が整っていれば、価格交渉時にも説得力を持たせやすくなるでしょう。

過剰な値引きのリスク

依頼者に気に入られたい一心で、過剰な値下げをしてしまうケースも少なくありません。
しかし、それは長期的にはマイナスに働く可能性があります。一度低単価で受けてしまうと、その価格が“その人の相場”として認識されやすく、後の値上げ交渉が難しくなるためです

また、極端なディスカウントは「質の低い仕事しかできないのでは?」という印象を与えるリスクもあります。
あくまで適正な価値を提供し、それに見合う報酬を得るスタンスが、信頼関係と継続案件につながると言えるでしょう。

2. 建築パースの一般的な相場と価格帯

建築パース制作において、価格の目安を知ることは案件選定や価格交渉を行ううえで欠かせません。
しかし、実際の相場は依頼主の属性や制作の種類によって大きく異なり、「いくらが妥当なのか分からない」という声も多く聞かれます。

本章では、個人と企業の価格差・種類ごとの価格帯・海外との比較という3つの観点から、建築パースの相場感について具体的に掘り下げていきます。

2-1. 個人フリーランス vs. 企業案件の価格差

建築パースの報酬は、制作主体がフリーランスか企業かによって大きく異なります。
同じ作業内容でも、報酬に数倍の差が出ることもあり、それぞれの立場に応じた価格帯を理解しておくことが重要です。

フリーランスの価格帯の特徴

個人で活動するフリーランスは、柔軟な対応力やスピード感を武器に低価格帯での受注が目立ちます。
クラウドソーシングサイトなどでは、1枚あたり5,000円〜3万円程度が多く、初心者クリエイターの場合は1万円未満での受注事例もあります。

一方で、高品質なポートフォリオを持つ中〜上級者は、5万〜10万円台の案件も受注できるようになります。
このように、価格帯はスキル・経験・交渉力によって大きく広がるのがフリーランスの特徴です。

企業案件における報酬の傾向

一方、建築ビジュアライゼーション専門の制作会社は、一定の品質と納品体制を保証するため、1案件あたり10万円〜30万円程度が一般的です。

企業はプロジェクトマネージャーやチェック体制、修正対応などを含めた「パッケージサービス」として提供しており、価格は高くても信頼性を重視するクライアントからのニーズが強い傾向にあります。

また、商業施設や公共建築など、規模の大きな案件では、1件あたり50万円以上の受注事例も存在します。

2-2. 建築パースの種類ごとの料金目安(外観・内観・鳥瞰)

建築パースはその種類によっても価格が大きく異なります。
作業内容や使用用途により、制作時間や表現の難易度が変わるため、それぞれの特徴と単価傾向を把握することが重要です。

外観パースの料金相場

最も一般的なパースである「外観パース」は、建物の外観全体を表現するもので、住宅・マンション・商業施設など幅広く使用されます。

価格帯としては、フリーランスで2万〜5万円、企業では8万〜20万円程度が目安です。
また、建物の規模や複雑さ、周辺環境の作り込み(植栽、照明、道路など)が必要かどうかで費用は変動します。

内観パースの価格レンジ

内観パースは、室内の空間をリアルに再現するもので、住宅のリビング、オフィス、商業店舗などのプレゼンや販売促進に活用されます。

家具や照明、素材の質感表現が求められるため、外観よりも工数がかかる傾向があり、フリーランスで3万〜7万円、企業では10万円以上が相場とされています。

また、顧客が使用感をイメージできるような「生活感ある演出」が求められる場合は、さらに価格が上がる傾向があります。

鳥瞰パースの相場と特徴

鳥瞰(ちょうかん)パースは、建物全体や敷地周辺を上空から俯瞰する形式で、都市計画や大規模開発の提案資料などに使用されます。

建物だけでなく、道路・景観・人の動きなども含めて表現するため、非常に高い表現力と技術力が必要とされます。

そのため、フリーランスでも8万円〜、企業では15〜30万円以上の価格帯になることが一般的です。
視点が高くなる分、3D空間の整合性を保つスキルが求められるため、経験値によって対応可否も分かれるパース形式です。

2-3. 海外市場との価格比較

建築パースの価格は国や地域によっても大きく異なり、グローバル市場と比較することで、日本国内の相場感をより明確に把握できます。

海外のパース単価の傾向

海外、とくに欧米諸国では、建築ビジュアライゼーションが「専門職」として確立されており、**1枚あたり300〜1,000ドル(約4万〜15万円)**といった高単価での取引が主流です。

特にハイエンドなパースでは、フォトリアルCG1枚で1,500ドル以上といった案件も珍しくありません。
これは、制作に使用する機材・ソフト・チーム体制が整備されており、ビジュアライゼーションがプレゼンや広告戦略の中核として扱われているためです。

日本市場との違いとその背景

一方、日本では「建築設計の一部」として扱われる傾向が強く、ビジュアル制作単体での価値評価がやや低い傾向にあります。
そのため、相場も海外と比較するとやや低めに設定されることが多いのが現状です。

ただし近年は、設計段階からのCG提案や、販促用の動画・VRパースの需要が増えており、日本でも高単価化の兆しが見え始めています。

クオリティの高い作品を作れるフリーランスにとっては、海外のクライアントを視野に入れることで、より高い報酬を目指せるチャンスが広がっているとも言えるでしょう。

3. 適正な単価を設定する方法

建築パースの仕事を安定して受け続けるためには、単に相場を知るだけでなく、自分に合った「適正な単価」を設計できることが不可欠です。
特にフリーランスや副業クリエイターにとっては、単価の設定がそのまま収益に直結するため、曖昧なままにしておくと損をする可能性もあります。

この章では、制作原価からの価格設定方法、価格交渉のコツ、高単価を実現するブランディング戦略まで、実践的な単価設定の考え方を解説します。

3-1. 原価計算|制作時間とコストを考慮した料金設定

単価を設定するうえでまず取り組むべきは、自分の業務にかかる「原価」の把握です。
原価を明確にすることで、最低限必要な価格帯が見えてきます。

工数と時間の見積もり方法

建築パースの制作は、ヒアリング・モデリング・テクスチャ設定・ライティング・レンダリング・修正対応など、複数の工程で構成されています。
これらの各作業にどれだけ時間がかかるのかを見積もり、作業単価を算出することが原価計算の基本です。

たとえば、1案件に20時間かかり、自身の時給を3,000円と設定した場合、原価は6万円になります。
ここに、機材・ソフト代・電気代などの間接コストを加えることで、最低限必要な受注価格が導き出せます。

ソフト・設備などの固定費

制作には、3DCGソフト(例:Blender、3ds Max、SketchUp)、レンダリングエンジン(例:V-Ray、Lumion)などのライセンス料や、高性能なPCやグラフィックボードなどの設備投資も必要です。

これらの費用は毎月定額で発生するため、月の稼働案件数で割り、1件あたりの固定費を算出して原価に組み込むことが重要です。

「時間単価 × 作業時間」+「固定費分担」=ベース価格
という式で、自分の“損をしないライン”を明確にしましょう。

3-2. クライアントの予算に応じた価格交渉のコツ

価格交渉は、単価を決めるうえで避けて通れないステップです。
「提示された金額が相場より低い」「予算が決まっていると言われた」場合でも、適切な対応を行えば納得感のある条件で合意を目指すことができます。

ヒアリングで予算感を把握する方法

交渉を円滑に進めるには、最初のヒアリング段階でクライアントの予算感を丁寧に探ることがカギです。
たとえば、

  • 「この案件で想定しているご予算感はありますか?」
  • 「以前に似た内容を発注されたことはありますか?」

といった問いを自然に挟むことで、相手の想定する金額帯を引き出すことができます。

また、相場に対する理解度も確認できるため、交渉戦略の立て方に影響を与える重要な情報となります。

相手の目的に応じた価値提示

価格に納得してもらうには、単に「工数がかかるから高い」と伝えるのではなく、クライアントの目的に即した価値を提示することが有効です。

たとえば、販促用であれば「魅力的なパースが販売力に直結します」、申請用であれば「正確性とわかりやすさが通過率を上げます」といった具合に、その案件に応じた効果を言語化して提示しましょう。

価格の理由を“自分の都合”ではなく“相手のメリット”に転換することで、より納得感のある交渉が可能になります。

3-3. 高単価案件を受注するためのブランディング戦略

適正価格以上の報酬を得たいなら、自分自身の「ブランディング」が不可欠です。
単なるスキルだけでなく、見せ方・信用力・提案力があることで、相場を超える単価でも受注できるようになります。

ポートフォリオの質と戦略

クライアントが最初に見るのは、あなたの実績です。
パースのクオリティはもちろん、「構成」「見やすさ」「使用ソフトの明記」など、ポートフォリオ全体の戦略設計が重要になります。

  • ジャンル別に作品を整理
  • 用途別(プレゼン用、販促用、VR用)で分類
  • 1枚ごとにコンセプト・工数・ポイントを記載

などの工夫を行うことで、「この人は価格に見合った仕事をする」という印象を与えることができます。

SNSや実績公開の活用

InstagramやX(旧Twitter)、BehanceなどのSNSを活用することで、自身のスキルを発信し、高単価案件の獲得につなげることが可能です。

  • 制作過程のタイムラプス
  • Before/Afterの比較
  • 解説付き投稿

などを定期的に発信すれば、ブランディング強化と共に、直接依頼のチャンスも増えていきます。

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建築パースで稼ぐ!案件獲得の方法と成功のコツ

4. 価格交渉を成功させるポイント

建築パースの受注において、価格交渉は避けて通れないプロセスです。
クライアントとのやり取りの中で、「少し高いですね」「この予算でお願いできませんか?」といった交渉が発生するのは日常的なこと。
しかし、適切な対応方法を理解しておけば、自信を持って価格を提示し、無理なく案件を受注できるようになります。

この章では、適正価格を提示するための見積もりの作成方法、交渉で押さえるべきポイント、値下げ依頼への対応方法について解説していきます。

4-1. 適正価格を提示するための見積もり作成方法

価格交渉で主導権を握るためには、事前にしっかりとした「見積書」を提示することが有効です。
曖昧な金額提示ではなく、構造的に根拠のある見積もりを出すことで、クライアントの納得感を高められます。

工数ベースの見積もりの作り方

見積書を作る際は、「1枚いくら」といった曖昧な金額よりも、作業工程ごとの工数を分解して金額を算出すると効果的です。

例:外観パース制作(1件)の場合

  • モデリング:10時間 × 時給3,000円 = 30,000円
  • ライティング調整:5時間 × 3,000円 = 15,000円
  • レンダリング・修正:5時間 × 3,000円 = 15,000円
  • データ管理・納品:5,000円
    合計:65,000円

このように工程を明示することで、「なぜこの価格になるのか?」を可視化でき、相手に安心感を与えることができます。

パターン別見積書テンプレート

見積書は用途に応じてパターンを使い分けると便利です。

  • 簡易パース(住宅外観)向け:シンプル構成・短納期対応
  • 販促用パース:高解像度・複数案提案込み
  • 大規模施設用:多角的アングル・周辺環境含む

あらかじめテンプレートを用意しておくことで、見積作成の効率が上がり、クライアントからの信頼も得やすくなります。

4-2. クライアントとの価格交渉で押さえるべき点

価格交渉では、ただ譲歩するのではなく、自分のスタンスを明確にしながら信頼関係を築くことが重要です。

自信を持って価格を伝える話し方

「この金額でお願いできませんか?」という提案に対して、自信がないと即答で下げてしまいがちですが、価格に対する根拠と納得感があれば、しっかりと提示して良いのです。

例:
「こちらは品質を保つために必要な金額で、これ以下ですとクオリティに影響が出てしまいます」
「ヒアリング時のご要望からこの内容を反映していますので、価格としては妥当なラインと考えております」

といったように、価格の背景を冷静に説明することで、交渉において主導権を握ることが可能です。

「なぜこの価格か」を明確にする説明力

提示金額に対して「高い」と感じさせないためには、“価格=価値”であることを伝える説明力がカギとなります。

たとえば、

  • 納期が短いことによるリスク
  • 高度な表現(夜景、植栽、人物合成など)の工数
  • 納品形式(高解像度・複数サイズ対応)の有無

など、価格に反映されている要素を一つひとつ丁寧に伝えることで、価格に対する納得度は高まります。

4-3. 値下げ交渉に対応する方法と適切なライン

クライアントからの値下げ依頼には、柔軟に対応する姿勢も必要ですが、安易な値下げは自分の価値を下げてしまう可能性もあります。
「どこまで下げるか」「どう交渉するか」のバランスが重要です。

値下げ要求の受け方と考え方

値下げ交渉を受けた際に大切なのは、「感情的にならず、まずは要望を確認する」ことです。
たとえば、

  • 「ご予算の上限をお聞かせいただけますか?」
  • 「どういった点で金額が高いと感じられましたか?」

など、相手の背景を把握する質問を投げかけることで、価格の再調整や内容の見直しがしやすくなります。

価格以外で調整する代替案の提示

予算が厳しい場合は、単に価格を下げるのではなく、「内容を調整して対応する」ことが適切な対応策です。

例:

  • 修正回数を1回に制限する
  • 周辺環境の表現を簡略化する
  • 解像度を下げた納品形式に変更する

このように、「内容をスリムにする代わりに価格を抑える」という提案を行うことで、双方が納得できる条件を導き出すことができます。

5. 案件の単価を上げるためのスキルアップ戦略

建築パースで安定的に収益を上げるには、「今あるスキルでなんとかする」だけでは限界があります。
単価アップを狙うには、自分の表現力を磨き、より高付加価値なサービスを提供できるスキルへと進化させていく必要があります。

この章では、高品質なパースを作成するためのスキル習得法、クラウドソーシングからの脱却、クライアントとの関係性づくりについて解説します。

5-1. 高品質なパースを作成するためのスキル習得

単価の高い案件を獲得するには、「見た瞬間にクオリティの高さが伝わる作品」が必要です。
そのためには、基礎的な操作スキルだけでなく、魅せ方・表現力の強化が不可欠です。

レンダリング・ライティングのスキル向上

建築パースの印象を大きく左右するのが「光の使い方」です。
ライティングによって空間の雰囲気や素材感が際立ち、同じ構図でも見栄えが大きく変化します。

  • HDRI(高ダイナミックレンジ画像)を使った自然光表現
  • 時間帯(朝・夕・夜)によるシーン分け
  • 影や反射の調整によるリアル感の強化

などを意識することで、実写と見間違うような高品質パースが作れるようになります。

最新ソフトやAIツールの活用法

制作ツールも進化しており、BlenderやUnreal Engineのような無料かつ高性能なソフトの活用が注目されています。
加えて、最近ではAIツール(例:Lumion AI、NVIDIA Canvasなど)との併用により、短時間で高クオリティなパースを仕上げることも可能になってきました。

こうしたツールを積極的に取り入れることで、作業効率を高めつつ、より付加価値のある提案ができるようになります。

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Blenderで建築パースのディテールをリアルに作る方法

5-2. クラウドソーシングから直契約案件へ移行する方法

クラウドソーシングは案件の獲得手段として便利ですが、手数料や価格競争の影響で低単価に陥りやすい側面があります。
収益性を高めたいなら、少しずつでも「直契約」へ移行していくことが理想です。

クラウド案件で信頼を積み上げる方法

いきなり直契約に切り替えるのではなく、まずはクラウドソーシング上で実績と評価を積み重ねることが重要です。
特に以下のような対応が評価されやすいポイントとなります。

  • 納期の厳守
  • 丁寧なヒアリングと提案
  • 修正対応の迅速さ

評価コメントに「信頼できる」「安心して任せられた」といった内容が増えることで、別案件やオフラインでの再依頼につながる可能性が高くなります。

直接契約につなげるための導線設計

直契約へ移行するには、自分のWebサイト・ポートフォリオページ・SNSなどへの導線をしっかり整備しておく必要があります。

  • 制作実績をジャンル別に掲載
  • 料金目安や制作フローの明示
  • お問い合わせフォームの設置

これにより、クライアントが「この人に直接相談したい」と思ったときに、スムーズに連絡できる環境を整備しておくことが重要です。

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建築パースのクラウドソーシング活用法(Lancers・CrowdWorks・ココナラ)

5-3. 継続案件を獲得するためのクライアント対応術

単発で終わる案件ばかりでは、いつまでも案件獲得にエネルギーを費やすことになります。
安定した収益化を目指すなら、クライアントと長期的な関係を築くことがカギです。

修正対応とレスポンスの工夫

スムーズなやり取りは信頼構築の第一歩です。
とくに、修正対応では「なるべく早く」「意図を汲み取って」対応する姿勢が大切です。

  • 修正依頼に対して数時間以内に返信
  • 不明点は早めに確認し、再修正を防止
  • 依頼の背景を考慮した提案も行う

このような丁寧な対応が「またお願いしたい」というリピートにつながります。

アフターフォローで信頼を深める

納品後の一言フォローや、制作物の利用状況の確認など、納品後の対応も継続依頼につながる重要な接点です。

「納品データに不備がないか」「今後も同様の案件があるか」などの確認を行い、関係を“1回きり”で終わらせない工夫をしましょう。

6. 建築パースの価格設定と長期的な収益化戦略

一時的に高単価の案件を受注できたとしても、収入が安定しなければ継続的に活動を続けることは難しくなります。
そのためには、長期的な視点で「価格設計」と「案件の継続性」を意識した戦略を立てることが重要です。

ここでは、リピート案件を増やす工夫、オプションを活用した単価アップ、価格競争を回避するポジショニングについて詳しく解説します。

6-1. リピート案件を増やすための価格設計

リピートを前提にした価格戦略を取り入れることで、単価を保ちつつ継続案件につなげることができます。

ボリュームディスカウントの活用

たとえば、「3件以上のご依頼で1件あたり〇%割引」や「月契約で〇〇円まで対応」といった形で、依頼の継続性を高める価格提案を行うと効果的です。

このとき注意すべきなのは、「最初から安くする」のではなく、「まとめて依頼してくれるならお得にします」という前向きなメッセージにすること。
結果的に顧客満足度も向上し、継続につながりやすくなります。

長期契約を見据えた提案方法

プロジェクトの初期段階で、将来的な継続提案を意識するのも重要です。

  • 「このパースの次に、内観パースや別角度の提案も必要になりますか?」
  • 「継続して対応できる体制があります」

といった形で、相手の中長期的なニーズを引き出すヒアリングができれば、単発で終わらない関係を構築することが可能です。

6-2. オプションサービスを活用した単価アップ戦略

基本料金に加えて、「プラスαの価値」を提供できれば、単価を自然に上げることができます。

アニメーション・VRパースの追加提案

近年では、静止画だけでなくアニメーションやVRパースへのニーズも高まっています。

  • カメラが動くウォークスルー動画(3〜10万円以上)
  • Oculusやスマホで見られるVR対応(追加で5〜15万円)

これらをオプションとして提示することで、1案件あたりの受注額を2倍以上に引き上げることも可能です。

修正保証や短納期対応の付加価値

「修正◯回まで無料対応」や「納期2日以内は+〇円」といったように、安心感やスピードへの価値を価格に反映させるのも有効です。

すべて込み込みで値下げするのではなく、“オプション料金”という形で付加価値を可視化することで、より納得感のある単価設定が可能になります。

6-3. 価格競争に巻き込まれないためのポジショニング

価格競争に陥らないためには、「誰でもできる仕事」ではなく、“この人にしか頼めない”と思わせる立ち位置=ポジショニングが大切です。

ターゲットを絞った専門性の発信

  • 住宅専門のリアル志向CG
  • 商業施設に強いカラーパース
  • リノベーション提案に特化したプレゼン資料

など、分野を絞って発信することで、「この領域ならあなた」と思わせるポジションを確立できます。

高単価でも選ばれる理由づくり

クライアントは「高いから選ばない」のではなく、「理由が分からないから選ばない」のです。

  • クオリティの裏付け(作品・使用ツール・工程)
  • クライアントの声・導入効果
  • 業務フローの可視化

こうした情報をしっかり提示することで、価格以上の安心感を提供でき、高単価でも選ばれるクリエイターになれます。

7. まとめと次のステップ

価格設定と単価交渉は、建築パースで収益を安定させるための最重要ポイントです。
「なんとなく」で価格を決めるのではなく、自分のスキル・市場・価値提供を総合的に判断して設計することが、プロとして継続して働く土台になります。

この章では、これまでの内容を踏まえ、適正価格で仕事を受けるためのチェックリストと、価格戦略の見直しポイントをご紹介します。

7-1. 適正価格で仕事を受けるためのチェックリスト

以下のチェックリストに「はい」と答えられるか確認してみましょう。

  • 自分の時給(時間単価)を把握している
  • 案件ごとの作業工数を見積もれている
  • 使用用途・納期・表現内容に応じて価格を調整している
  • クライアントに対し価格の根拠を説明できる
  • 単価だけでなく“価値”として価格を提示できている

すべてに「はい」と答えられれば、適正な価格設定の土台は十分整っていると言えます。

7-2. 価格設定を見直し、収益を安定させる方法

最後に、今後の活動で収益を安定させるためのアクションを整理しておきましょう。

  • 月に扱える案件数と理想収益から「最低受注単価」を再計算
  • 相場より下回っている案件は、値上げ交渉または見直し
  • ブランディングとSNS活用で、価格に見合う存在感を発信
  • リピートや長期契約を意識した価格構造へと転換

こうした見直しを定期的に行うことで、無理なく単価を上げ、継続的に選ばれるパース制作者になることができます。

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